予防保全について
先日、金型展名古屋2024に参加しましたので、今回は、金型を扱う製造業(成形、プレス、ダイカスト、鍛造等)において、必ず必要となる型保全(Die Maintenance)について、コメントします。
型保全の内容や関連知識は、製造業における生産技術業務や、工場管理業務において、把握しておくべき情報となります。
金型を使用する上で、特に重要なのが管理とメンテナンス です。 金型の管理やメンテナンスを放置すると、サビの発生や、製品に汚れが付着したりすることで、寸法が変化したりする恐れがあり、大量の不良品を発生させる可能性もあります。
金型の種類(成形、プレス、ダイカスト、鍛造等の対応業種)により、それぞれ特徴的な項目が存在します。
以下に代表的な、成形金型、プレス金型、ダイカスト・鋳造金型 について、簡単に管理内容等をコメントします。
【成形金型関係】
プラスチック射出成形金型の場合、高温の樹脂を扱うため、ガスヤニと呼ばれる汚れが金型に付着します。 これは冷えると固まり、空気中の水分と反応してサビや腐食の原因になります。 これらの問題を放置すると、最悪のケースとして生産ラインが停止する可能性があります。 ガスヤニやサビは早期であれば現場で修復できるため、金型管理を行い、定期的な金型のメンテナンスができる環境を整える必要があります。
【プレス金型関係】
プレス金型の場合について述べると、金属プレス加工を行う上で、製品と同時に生成されてしまうのが「バリ」と呼ばれる材料の突起です。このバリは生成と同時に金型自体を傷める原因にもなります。この金属バリの高さによって、プレス金型のメンテナンスのサイクルは左右されることになります。金型の抜きクリアランスが正しく保たれていることを前提として、金型の抜き加工部分を細かく観察することで、およそのプレス金型のメンテナンス時期が判断できます。金型の抜きの形状が材料に対して鋭ければ鋭いほど、バリの高さが高くなります。このバリの高さをおさえるには金型の抜き形状の「角」をまるく加工しておく必要があります。
【ダイカスト・鋳造金型関係】
アルミダイカスト・鋳造金型では、高温の溶融アルミが高速で流れるため、金型表面に侵食や溶損が生じます。また、加熱による膨張と冷却による収縮により、ヒートクラックが発生します。適切なコーティングをすることにより、金型の溶損、焼付き、カジリ、ヒートクラックなどが予防でき、湯流れも向上し、製品の不良率も低減します。
以上、各種金型における代表的な型保全内容についてコメントしました。
(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/diemaintenance