不良低減活動について
QAネットワーク(QA network)は、トヨタグループで考案された手法であり、多くの企業で品質保証レベルの見える化に有効なツールとして活用されています。
QAネットワークは、品質保証項目と工程手順をマトリックスにして、どの工程で不具合の発生と流出を防止することができるかを、点数化して把握することのできる分析手法です。
各工程で発生しうる不具合項目を点数化して影響度合いを分析する手法として、PFMEA(Process Failure Mode and Effects Analysis:工程故障モード影響解析)があります。
工程手順と不具合項目を対応付けて点数化する、という意味では共通した内容となっています。PFMEAの特徴は、その名の通り「影響を解析する」ことにあり、不具合(故障モード)がどのような影響に繋がるのか、その影響度合いはどの程度か、といった「影響」に着目した分析です。そして、発生と流出防止の機能も踏まえてリスク優先度を算出して、点数の高いものから対処するといった使い方をします。
一方、QAネットワークは、その分析内容がその名の通りマトリックス表示となっている点が特徴的です。一つの不具合が必ずしも一つの工程だけで発生するとは限りません。複数の工程にまたがる場合に、FMEAでは見落としの生じる可能性があり、まさに保証の網として、漏れなく対象工程を抽出することがQAネットワークの大きな目的となっています。
QAネットワークの主な特徴を述べると・・・
① 防止策が必要な不具合の見える化
QAネットワークでは、品質保証項目または不具合項目に対し、発生防止と流出防止のレベルをそれぞれ数値化して表します。目標レベルに対しての現状を一覧化することで、どの項目の防止策が不十分なのか、視覚的にも把握しやすくなっています。
② 不具合が発見される工程の見える化
PFMEAとの違いでも説明したように、QAネットワークでは不具合が複数の工程にまたがる場合にも、網羅的に表現することができます。とある不具合が、自工程で検出可能なのか、あるいは後工程になってから顕在化するのか、影響の大きさも変わってきます。
自工程完結(自らの工程で品質を保証して完結させる考え方)が出来ている工程と、そうでない工程が、QAネットワークで一覧化すれば簡単に把握できます。
③ 顧客への説明資料として有効活用可能
自社内での分析資料としての用途だけでなく、顧客向けの説明資料としても活用することができます。QAネットワークは、工程全体と不具合項目を一覧で捉えられる見た目の分かりやすさがメリットです。そのため、長々と説明文を記載するよりも、ひとつの表で表現した方が伝わりやすいこともあります。また、顧客側の立場から見ても、仕入先がQAネットワークで自社の工程分析をやっているというのは安心材料になるので、信頼を得る上でも有効な手段であると考えられます。
等があげられます。(以上、大半については、インターネット情報をもとに作成)
以上のような、QAネットワークを活用した、自社の品質保証レベル向上に向けた活動に対する支援・指導が生産技術コンサルティング対象となります。
(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/qanetwork