IoTの品質管理活用
今話題になっている IoT (Internet of Things)つまり、モノとモノとがセンサーなどによりインターネットでつながっている社会の実現について、製造業を対象とする生産技術面から見た導入の進め方についてコメントします。
(具体的には多くの設備が製造業で使用されていることから、ここでは設備をモノということで検証します。)
IoTを進めるうえで、一般的に ①データの可視化、②状態の可視化(有効性確認)、③最適化、④自律化 を検討する必要があると言われています。
以下順に述べると、・・・
①データの可視化とは、モノから得られた情報(データ)を見える化し、人が理解しやすい形にすることです。設備の話でいうと、設備に取り付けた各種センサー(振動、音・超音波、光、位置、姿勢、温度、画像、消費電力等)からの信号を適切に処理し、技術者が判断しやすい形に表示させることと言えます。
②状態の可視化とは、①で得られた情報を対象業務において有効性のある価値として見出し表現することです。
(「状態の可視化」は一般的には複雑に絡み合った“状態”を、ビッグデータをもとに可視化する(再現する)ことを意味します。)
設備の話でいうと、①で得られた様々な設備情報を実際の業務に関連させ、今後の改善に有効となる設備情報としてとらえる活動と言えます。(設備で言えば、センサー情報(Input)と 設備稼働情報(Output)との関係性をつかんで、今後の生産性向上 や 予防保全効率向上に役立てる等がそれにあたると思われます。)
③最適化とは、②での状態の可視化がかなり進んだ段階で、経営資源として総合的に判断し最適化を進めることです。数多くの設備からのセンサー情報、設備稼働情報はもとより、工場・会社全体の関連情報等を含めた形での収益性の最適化を進めることが重要であり、サイバー空間上ではそのシミュレーションが可能であるという発想です。
④自律化とは、③で最適化を試みたとしても、常にその(最適)状態を維持できるものではなく、常に試行錯誤、フィードバックすることのできる仕組みを織り込りこんでおくことが重要であり、そのために情報の範囲を的確に変えていく等のことも含めて自律化していくことです。
以上のような、IoTの導入においては、このように各ステップ毎の姿をしっかり想定しておくことが重要でありますが、だからと言って躊躇することなく、最初の一歩を踏み出すこともまた重要です。
(大きな潮流に乗り遅れないためにまずやってみる。上記の検討は走りながらでも可能!)
このIoTの導入に関連し、その手順・やり方、方向性検討・推進等に対する支援・指導がコンサルティング対象となります。
(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/withiot