新製品対応について
先に「新製品対応について」にて、新製品対応としての取り組み方について述べましたが、ここでは具体的に(新規・類似を含めた)新製品のQCD目標達成に向けた活動として、一般に「初期流動管理」と言われるものの進め方について述べます。
(初期流動管理は関連するすべての部署(設計、品保、生管、生産、生技等)が取り組むものですが、ここでは生産技術の側面から見た内容を中心として述べます。)
仮に、0次、1次、2次、3次という形で管理フェーズ(Phase)を分けると、0次は開発段階【初期流動指定】、1次は量産設計段階(量産試作)、2次は量産段階(流動開始)、3次は安定流動段階【初期流動解除】といった流れとなります。
(新規製品は0次から3次までフルに推進、類似製品については内容に応じ0次、3次等が省略される場合もありうる。)
生産技術のかかわり方として順に述べると、・・
①0次;開発段階【初期流動指定】では、特に生まれの良い製品・部品となる様、フロントローディング活動に力をいれることが重要であり、その活動を通して、コスト(投資額(償却費)、工数(労務費))、品質(社内、納入先、市場)の抑えをしっかり行っておくことが会社の利益に貢献することになります。具体的には設計DR、試作検討会への積極参画を行うこと、又、この時点で、生産技術としての工程設計計画(参考;工程設計計画要領)を立案し、早期にQCD管理を開始させる。
②1次;量産設計段階(量産試作)では、(①の検討のもと)発行された量産図面に対し、生産計画(数量・日程)をもとに生産ラインの構築(レイアウト検討、新設設備の仕様作成、ライン投資審査・設備発注・設備製作・設置推進)活動を行い、量産前の仮流動により、設備稼働率向上活動・品質確保活動を推進する。(関係者による検討会を主催し、中心的に推進)
③2次;量産段階(流動開始)では、②の活動を踏まえて、この時点で、量産後の初期流動解除目標(QCD目標;稼働率、工数、品質(不良率等)目標をいつまでに達成させるかという目標)を設定し、ラインとして量産流動を開始させる。(例えば、3カ月で、稼働率85%以上、検査不良率0.3%以下等)
④3次;安定流動段階【初期流動解除】では、理想とする垂直立ち上げが具現化するよう、関係者による検討会を主催し、中心的に推進させる。(重要製品においては、TOPによる3次審議会にて報告する等)
これらの初期流動管理活動における、推進の仕方、具体的管理要領等、効率よく推進させるノウハウを含めた支援・指導が生産技術コンサルティング対象となります。
(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/escactivity