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なぜなぜ分析について

熊田茂雄

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テーマ:QC手法

品質不具合に対する対策の手法としてなぜなぜ分析(5何故分析)を実施している企業をよくお見掛けします。
今回はこのなぜなぜ分析について簡単にコメントします。

 なぜなぜ分析(なぜなぜぶんせき、英語:Five whys)とは、ある問題とその問題に対する対策に関して、その問題を引き起こした要因(『なぜ』)を提示し、さらにその要因を引き起こした要因(『なぜ』)を提示することを繰り返すことにより、その問題への対策の効果を検証する手段です。トヨタ生産方式を構成する代表的な対策手法の一つでもあります。
なぜなぜ分析は、早まった解決策をストップさせ、より確実性の高い解決策を導き出す方法でもあります。この5回という回数は、明確に決まっているわけではなく、状況に応じて増減はありますが、5回ほど繰り返し深堀することで、大抵は見えていなかった原因が見えてくるということからきています。また、普段業務をしていれば、無尽蔵に問題は増えていくので、1回1回の思考回数を増やしてしまうと、それだけで時間が取られてしまいます。そのため、最低限の適度な思考回数が5回になっています。毎日手軽に使うための思考のフレームワークとして5回程度が最適というわけです。

 一方、本当の原因を見つけ出し、解決策を見出していくためには、なぜなぜ分析の精度を高める必要があります。精度を高めるためには、下記のような注意ポイントがあります。

① 最初からすぐに解決策と紐づけしないこと
 原因を探る前から、すでに存在する、またはすぐ頭に思い浮かぶ解決策と紐づけながら考えてしまうと、本当の原因にたどり着けなくなります。
② 現状の理解に努めること
 まずは現状がどのような状態になっているのか、ここが分からなければ、なぜなぜ分析をいくらやっても意味がありません。根本的な原因へたどり着くためには、そこへ至るまでに何個も原因とぶつかっていきます。途中で発見できる原因も大事ですが、根本的な原因が分からず解決する手段だけが先に決まってしまうと、何度も失敗を繰り返すはめにもなりかねません。
③ 解決すると一番効果の高い問題に絞ること
 現状が見えてくると、今なにをすべきかが分かってきます。今がいいのか後でいいのか、
難しいのか簡単なのか、成果が大きいのか小さいのか・・・
 解決すべき原因の優先順位が判断できると、迷いなくなぜなぜ分析が実行できます。
逆に、現状が分かっていない状態で、なぜなぜ分析を行うと、迷いや後戻りが多くなるので、余計に時間がかかることもあります。

 以上のような、なぜなぜ分析の実施上の注意ポイント等に関する指導・支援がコンサルティング対象となります。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/fivewhys

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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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