アンドン
工場管理について、(工場長として心得るべき内容として)一般的に必要となることを列記します。
①工場の安全確保(安全第1という観点から)
「事故を起こさない」というのは、業務を継続するために必須のことであり、ほんの少しの気のゆるみがトラブルにつながる場合があります。工場で働く人の安全を守るためにも、工場長は安全担当部署と連携し、工場内の安全を確保する責任があります。→ 例えば、KYT(危険予知訓練)や 5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)推進、設備保全対応を行うことが必要となります。
②工程品質管理(生産技術、品質管理部署とタイアップして推進要)
工場では、工程管理内容どおりに一定以上の品質の製品を作り続けることが求められ、品質が落ちても、工期に遅れても、企業の信頼は損なわれます。そのため、品質や工程に問題がないかどうか工場長が随時チェックし、問題が起こった場合は改善のための対策をとる必要があります。→ 例えば、工程管理項目の設定状況確認、作業員のスキル管理、管理図などの品質管理状況確認が必要となります。
③人材確保・育成(人事、採用部署と協力し推進)
工場で働く人の採用や育成も、工場長の仕事であり、人材の能力を見極め、その人に見合った育成をしていく必要があります。工場全体の効率を上げ、より良い生産体制をとるためにも、一人ひとりのスキルの底上げが求められます。→ ここでも、作業員のスキル管理が重要となります。
④目標設定と実現のための計画立案・実施(工場長方針の策定と推進)
工場では、生産目標が設定されるのが一般的であり、目標を達成するためにはどうすればよいのか、計画を立て、確実に遂行していくための管理を行うことも工場長の仕事です。
実際に工場を稼働させているのは工場に勤めている作業員ですが、誰をどこに配置し、どのような生産体制をとるのかを検討し、実行するのは、工場長の仕事です。
→ 例えば、工場長方針による全体計画推進(TOP方針の展開)、個別には人員配置計画(生産調整会議、生産性向上会議等)が必要となります。
⑤コスト削減(原価管理、企画部門とタイアップ)
企業全体のコストを削減するため、工場にかかるコストについても、削減を求められることがあります。生産コストを下げることができれば、それだけ製品が売れたときの利益率を上げることができます。
→ 例えば、労働生産性の向上推進、生産性向上会議等の活動推進によるコスト削減の実行が必要です。
⑥業務効率化(RPA、IoT推進、工場物流推進等)
また、より生産性を高めるために、業務を効率化することも工場長に課せられる仕事です。
→ 例えば、RPAやIoT活用推進による関連業務の効率化や、工場レイアウト改善により工場全体の物流関連の業務改善が有効となります。
⑦良い環境づくり
工場で働く人の環境が悪ければ、人の入れ替わりが激しくなり、安定した品質の製品を作り続けることが困難になります。そのため、働きやすい快適な職場環境を作ることも、工場長の大切な役割となります。
→5S推進や、安全衛生環境委員会等による環境改善推進も必要となります。
以上のように、工場管理においては、様々な側面からの管理が必要であり、工場長として身に付けておくべき考え方、又、心がけるべき課題は多いですが、その分、やりがいのある職務と言えます。
このような、工場長育成支援(あるべき姿への支援)についてもコンサルティング対象となります。
(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/factorycontrol