自然の法則に学ぶ
「お願いします」の魔力
安易な言葉の選択は、思わぬ結果を招きます
例えば、上司が部下に1on1セッションをする前に、「今日もよろしく頼むよ」と言ったとします。
部下によっては、上司から頼まれたんだから「しょうがないけどやるか」と、斜め上から目線になってしまうタイプがいます。特に、Z世代と言われる部下を持つ管理職の方からのご相談が増えています。
言葉の価値を、そのまま「依頼」と受け取るからなのでしょう。
もちろん、「上司にお願いされたから一生懸命やらないと・・」と、モチベーションにする人もいますし、
「頼まれなくてもやりますよ、制度なので」と冷静に受け止める人もいます。
この頃の管理職に求められる能力は、一人ひとりの個性と能力に合わせること。
特に育成においては、「個別」に、それぞれに合わせて「伸ばす、引き出す」ことが求められるのですから、一言の選択は、慎重にならざるを得ないところでしょう。
だからこそ、安易な「よろしく頼む」は、控えたいところです。
「お願い」を戦術的に使えるよう目指す
ところで、この「お願い」は、不思議な魔力を持っているようです。
上下関係がない場合でも、思わぬスイッチになってしまうようで、地域の活動などにおいても、しばしば混乱が起こるようです。
その日、リーダーがお休みだったので、出席回数が多かった一般のメンバーに、
「今日はリーダーがお休みですし、よろしくお願いします」と主催者が挨拶したところ、そのメンバーは何を取り違えたのか、自分がリーダー代理になったように、意見をし、采配を振るい始めてしまいました。
他のメンバーは納得できないし、でもやるか!みたいに、ぎくしゃくしてしまったということがありました。
普段は大人しい人でも、「頼まれたから頑張らなくちゃ!」という思いにスイッチが入ってしまい、底に秘めている力を引き出すこともあるようです。
この不思議な魔力のある「お願いします」。あなたはどう使いますか?
戦術として使う能力を磨きましょう。
そのためには、現状の自分と周囲の人のコミュニケーションをチェックする必要があります。
□ 上手く訴求することができているのだろうか?
□ 期待した通りの結果を得ることにつながる会話になっているだろうか?
□ 報連相は功を奏しているのだろうか?
□ メンバーに対する影響力は、自分の想像通りに届いているのだろうか?
□ 苦手なタイプとのコミュニケーション量と、苦手ではないタイプの量は差ほど違いなく行っているだろうか?
まずは、自分を振り返り現状を把握しましょう。
年末です。今年一年の自分の成長に焦点を絞って、確認する時期になりましたね。
楽しい休暇を過ごすためにも、自己棚卸に努めてくださいね。