中山佳巳氏によるスペシャルなレッスン
■■■ H27年5月 高橋洋子先生に学ぶ
『マドンナリリーを使って』 ■■■
このレッスンの冒頭は、童謡 『せいくらべ』 を高橋先生の歌唱から。
「柱の傷はおととしの、5月5日のせいくらべ…の、2番ですが、
遠いおやまもせいくらべ、とあるんです。
その山か、越中の立山連峰と重なり、ここに来る3日前からずっと歌って
富山に来れるのを楽しみにしておりました。」
…と話して下さったのでした。
“マドンナリリー”をご存知ですか?
倉敷の大原美術館には「エルグレゴ」の受胎告知があります。
児島虎次郎さんが大原さんに依頼されて、ヨーロッパで絵画を収集した絵。
とても高価なものでした。
今でも大原美術館で代表的な絵となっています。
その絵の天使が持っている花が、“マドンナリリー”。
今日のレッスンには、その絵のポストカード付きでした。
「マドンナリリーの純白な姿はマリアの純潔を表すものとなっています。
園芸品種全体の中でも最も古くから栽培されたものの1つで
原産はヨーロッパ南西部、地中海沿岸です。
エルグレゴの受胎告知にも描かれているマドンナリリーを使って
しばし中世にタイムスリップしてみましょう。」
マドンナリリーは切花として市場に流通していない為に、
特別予約をして栽培してもらっていますが
非常にデリケートな為、もしうまく成長しなかった場合は
代品として鉄砲百合を使うことになります。ご了承下さい。
・・・と、レッスン3ヶ月前くらいでしょうか、
先生からそのように申し伝えがあったのでした。
高橋先生は、この百合を見たいとずっと思っていたんですね。
このレッスンの5年くらい前に、ある花の団体の集まりで
百合の研究をしている東京農大の教授と遭遇されたそうです。
その折に、エルグレゴの絵に描かれている百合を見てみたいと話すと
静岡大学の教授が、この種族を残すために栽培していると聞かされます。
その後、ふいに、今咲いているからと教授から電話を頂き、一度見に行かれたとのこと。
そしてその静岡大学の教授が退官され、
今度は信頼のおける京都大学の教授に栽培を引き継がれました。
しかし、去年は引き継いで最初の年で
病気で花は咲かなかったようです。
だから、今年がタイミングよく咲くかどうかもわからなかった、とのこと。
この5月の連休はひどい暑さが続き
5月20日頃(花まつレッスンの日)は咲き終わってしまっているかも、と
教授から連絡もあり、高橋先生は花まつレッスンで使えるか心配されていたそうです。
私(石崎)が5月にレッスンに来て欲しいと高橋先生に依頼したのは
その前の年の9月だったのです。
その時から、5月はマドンナリリーの咲く季節だと
高橋先生はそう思っていて下さったんですね。
「こんなにマドンナリリーが美しく咲きそろって…これは奇跡的なことです。
幸せです。感動します。」 って、
レッスンをされながら、高橋先生は言われるのです。
石崎は、胸がいっぱいになって、有難くって泣けました。
高橋先生は
「今日はこの百合に、この富山で逢えてとっても幸せです。
実は自分のレッスン(倉敷)でも使いたかったけれど、だめになったの。」…と。
(数量的に、花まつレッスンを優先して下さったのです…)
「日本でマドンナリリーを使って、お稽古したのは私も初めてです。
この日本中でこのお稽古は、花まつフラワースクールさんだけなんです。」…と。
「花との出会いに感謝。人との出会いに感謝。一期一会でございますね。」
と言われ
「今度このマドンナリリーに、いつお目にかかれるか分からないから
写真にいっぱい撮っておきましょうね。」
と言われて、先生自ら写真をいっぱい撮られていました。
マドンナリリーのお稽古を、石崎ももちろん受講させて頂きました。
自宅にお稽古したアレンジを飾っておりました。
マドンナリリーは、それはそれは長く日持ちがして
高尚で気品があり、たいそう美しかったです。
生涯、特別のお花 マドンナリリーに巡り合えたこと、
高橋先生によってご指導頂いたこの日のことを
忘れないと私は思いました。
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⇒高橋洋子先生に学ぶレッスンのお話①はこちら
⇒高橋洋子先生に学ぶレッスンのお話③はこちら