05.成約率10%の壁を突破する「100:30:10の法則」
はじめに、こんにちは。株式会社吉和の森の森和吉です。
前回(第57回)は、デジタルマーケティングの実践で多くの経営者がハマってしまう「データの罠」についてお話ししました。画面の数字(PV数や再生回数)ばかりに踊らされず、常にその向こう側にいる「1人のリアルなお客様の感情」にフォーカスすることの大切さをお伝えしましたね。
今回は、その「お客様の感情」をさらに一歩深く理解し、ホームページ(HP)やSNSからの成約率を劇的に高めるための、心理学に基づいた実践的な文章術をお届けします。
どんなに素晴らしい商品やサービスをHP(第38回)やショート動画(第37回)でアピールしても、お客様はなかなか最後の「購入」や「問い合わせ」のボタンを押してくれません。多くの経営者様は「やっぱり価格が高いからか……」と諦めてしまいますが、実は、お客様が動かない本当の理由は価格ではありません。お客様の脳内で無意識に働いている「5つの心理的ブレーキ(壁)」が、まだ解除されていないからなのです。
お客様の前に立ちはだかる「5つの心理的ブレーキ」とは?
お客様が新しい商品やサービスを目の前にしたとき、脳内では瞬時に以下の5つの疑問や不安が湧き起こり、ブレーキを踏んでいます。
- 「これは、本当に『自分』に必要なものか?」(当事者意識のブレーキ)
- 「理屈は分かったけれど、本当に『効果』はあるのか?」(信用性のブレーキ)
- 「他の似たような商品と、一体『何』が違うのか?」(比較のブレーキ)
- 「騙されているのではないか? 『損』はしないか?」(リスクのブレーキ)
- 「なぜ、他ではなく『今』買わなければいけないのか?」(先延ばしのブレーキ)
この5つのブレーキが1つでもかかったままだと、お客様は「うーん、また今度でいいや」とページを閉じてしまいます。つまり、売れるホームページやLP(ランディングページ)を作るということは、この5つのブレーキを文章で1つずつ順番に、綺麗に解除していくプロセスに他ならないのです。
ブレーキを鮮やかに解除する魔法のライティング
では、具体的にWebサイトの文章(ライティング)でどう解除していけばいいのでしょうか。その具体的な手法を公開します。
【1つ目のブレーキ(自分に必要か?)の解除】
冒頭(キャッチコピー)で、「〇〇で悩んでいませんか?」とターゲットの具体的な状況をピンポイントで呼びかけます。「あ、これは自分のことだ!」と思ってもらう(第40回のポジショニングの徹底)が最初の一歩です。
【2つ目のブレーキ(本当に効果はあるか?)の解除】
ここで最強の武器になるのが、第39回、第46回でお話しした「直筆のお客様アンケート」や「お客様とのツーショット写真」といった「客観的な事実(信頼の可視化)」です。自社が「凄いです」と言うより、第三者の声を見せることで、信用性のブレーキは一瞬で外れます。
【3つ目のブレーキ(他と何が違うか?)の解除】
競合他社との違いを明確にするために、「大企業は〇〇ですが、私たちは〇〇に特化しています」と、自社の独自の立ち位置をはっきりと文章や表で示します(第40回のポジショニングマップの活用ですね)。
【4つ目のブレーキ(損はしないか?)の解除】
「初回は30分の無料オンライン相談」「満足いただけなければ全額返金」といった、お客様の金銭的・心理的リスクを会社側が肩代わりするオファー(提案)を用意します。第38回でお話しした「公式LINEから10分クイック診断」なども、このリスクを極限まで下げる優れた手法です。
【5つ目のブレーキ(なぜ今か?)の解除】
「今月の受付は限定5社まで」「〇月〇日までの期間限定特典」といった、「今動くべき明確な理由(限定性)」を最後に提示します。人間は、いつでも買えると思うと、絶対に先延ばしにする生き物だからです。
今回の実践ポイント
文章をきれいに、格好よく書く必要はまったくありません。
- お客様が心の中で呟いている「5つの不安」を先回りして想像する
- その不安に対して、1つずつ誠実に「答え(証拠)」を文章で置いていく
- 第18回でお話しした「PREP法(結論・理由・具体例・結論)」の型を意識して、分かりやすく伝える
売れる文章の本質とは、言葉のテクニックではなく、お客様の不安に寄り添い、優しく背中を押してあげる「画面越しの丁寧な接客(人肌感:第20回)」そのものなのです。あなたの会社のホームページは、この5つのブレーキをきちんと解除できていますか? ぜひ、お客様の気持ちになって読み返してみてください。


