遠隔医療と金融政策の方向性

嗣江建栄

嗣江建栄

テーマ:遠隔医療

日本の金融政策は大きな転換点を迎えています。日本銀行は、物価上昇率を2%程度で安定させることを目指し、経済・物価情勢に応じて政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく方針を示しています。

金利のある世界への移行は、医療機関の経営にも無関係ではありません。医療機器の更新や病院建替え、システム投資など、借入を伴う設備投資の負担はこれまで以上に意識する必要があります。一方で、人件費や光熱費なども上昇しており、「限られた資金で医療の質をどう維持するか」が重要な経営課題になります。

そこで注目したいのが遠隔医療です。例えば遠隔画像診断では、それぞれの病院が画像診断専門医を増員するだけでなく、専門医を有する医療機関とネットワークで連携し、地域を越えて専門性を共有することができます。

金利上昇局面では、単純に設備や人員を増やす「保有型」の経営から、既存の医療資源を地域間で「共有する」発想も重要になります。金融政策が正常化へ向かう時代、遠隔医療は医療DXだけでなく、病院経営の効率化と持続可能な医療提供体制を両立するための経営戦略の一つになるのではないでしょうか。

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