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100%実行する価値

安澤武郎

安澤武郎

テーマ:マネジメント

仕事をしていると「100%の実行」を問われることがあるかと思います。
これに対して、「人間そんなに強くないし、できない日が1日くらいあったっていいじゃないか」
「100%をキチキチやると職場がギスギスする。心のゆとりがなくなって逆にマイナスだ」
などとう意見もあります。

そういう気持ちになることや、マイナスの影響が出るリスクも確かに存在します。
しかし、それでもなお「100%実行する価値」は存在します。

「100%実行する価値」とは何でしょうか?
例えば、「対策の期限を決める」「提出物の期限を守る」という
一見単純な行動ができないのがなぜかを考えれば見えてきます。

対策の期限を決めようと思えば、実践の場面をイメージする必要があります。
ゴールイメージも伴うでしょう。
自分の心の中で「やるぞ」と気持ちを高めることも必要かもしれません。
そういう内的変化が実行の確率・成功の確率を高めることは
脳科学的にも証明されていますし、経験した人は同じ効果を語っています。

提出物の期限を守ろうと思えば、期限から逆算して、仕事に時間を割り当てます。
作業時間の見積もりができるようになれば、仕事の組み立てがしやすくなります。
作業時間に制約を設けることで、作業能率も上がります。
また、突発業務など不測の事態を想定したり、対応する力も養われます。
結果として、守ることが当たり前になれば、周囲からの信頼も高まりますし、
仕事のリズムができることも体感できるでしょう。

そして、99%の人と100%の人とではやはり実力が違ってきます。
90%程度の実行度では他の人との違いは生じませんし、
ビジネス上の結果にも影響しないでしょう。
最後の微差を埋める力が結果として大きな差につながります。

そういう価値がわかった人は、「対策の期限を決める」「提出物の期限を守る」を続けます。
日常のMTGや部門会議などで自らに課すようになります。
他にも「定量的に期待効果を見積もる」「振り返って学びを記録する」など、
価値あるマネジメント行動は様々あります。
それらの形の背後にある真の価値に気がついた人は日常に取り入れて身につけていきます。

しかし、「100%実行」に一旦挑戦したものの、
残念ながら身についていない組織、やめてしまった組織も目にします。
それは、「形だけの取り組みで内的変化を大事にしなかった」のか、
「価値がわかるまで続けなかった」からだと思います。
そして、実行をおろそかにすることで調子を崩している場合があります。
なぜか成果が出なくなった。
組織の元気が無くなったということの原因になっている場合があります。

調子を取り戻すコツは、「100%実施する」という形から変えることにあったりします。
その結果、脳みそに汗をかいたり、気を配る量が増えます。
その目に見えない内面の努力が必要なので、
やっていない人からすると「大変だ」と感じたり、億劫に感じたりします。
しかし、そこが価値なので、当たり前になるまで少し頑張っていただきたいと思います。
必ず自分の財産になっていきます。

私の好きな話ですが、旭山動物園の小菅園長の話があります。
旭山動物園は「行動展示」で有名です。動物の動きを見えるようにし、
飼育係の人がその説明をします。
当初、人気が出る前の動物園には来園者が少ないので、
説明を誰も聞いていないという状況があったそうです。
それでも園長は必ずやることを求めました。
「雨の中猿に向かって話をした」とうエピソードなども残っています。
その100%実施にどんな価値があったのかは、やった人間にしかわからないでしょう。
しかし、その無駄とも思える努力は、飼育員の自信になったり、
腕を上げたり、見えない効果を発揮しているに違いありません。

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ペネトラ・コンサルティング株式会社
代表取締役 安澤武郎
公式サイト:http://penetra.jp/
お問合せ: info@penetra.jp

著書:『壁をうち破る方法』はこちら
http://www.amazon.co.jp/dp/4799314378/
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安澤武郎
専門家

安澤武郎(経営コンサルタント)

株式会社熱中する組織

どのような組織にも「常識の壁」「アクションの壁」「スキルの壁」「仕事のやり方の壁」「コミュニケーションの壁」「情熱の壁」があり、能力を活かしきれていません。その壁を取り除き、組織を生まれ変わらせます。

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