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折本徹

入国管理局の在留資格申請手続きをサポートする行政書士

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コラム

出生後認知によって、子どもの日本国籍が認められる特別なケース 、メルマガ第219回、 2022.12.1発行

2022年12月6日

テーマ:過去のメルマガ、85号から

コラムカテゴリ:法律関連

出生後認知によって、子どもの日本国籍が認められる特別なケース
メルマガ第219回
2022.12.1発行
<2002年(平成14年)10月創刊>

行政書士の折本徹と申します。
1年納めの大相撲の九州場所が終わり、今年も残り1ヶ月となりました。
早いですね。
年初に計画を立てた人も立てなかった人も、終わり良ければすべて良し、
なので、充実した1ヶ月にしましょう。
コロナ感染者も増加の傾向にあるようですし、
インフルエンザも流行ると予想されているので、
無事にお過ごししてください。

今年も、時期に関係なく(古くても)、新聞・雑誌・書籍に掲載された、
外国人にまつわる内容で、興味深い記事を紹介・簡単なコメントや、
このメルマガは、平成14年(2002年)の10月から発行しているので、
過去と現在は、どのように違ってきているのか、の視点で書きたい、
とも考えています。

{感染拡大防止に伴う情報}

外国人生活支援ポータルサイト
http://www.moj.go.jp/isa/support/portal/index.html

水際対策に係る措置
10月11日以降、入国検査を撤廃。ただし、ワクチン3回の接種証明か、
PCR検査などの事前の陰性証明が必要。
短期滞在免除の入国や個人旅行も再開。
https://www.moj.go.jp/isa/hisho06_00099.html

新型コロナウィルス感染症で困っている人向け
https://www.moj.go.jp/isa/content/001322500.pdf

入国制限について
https://www.moj.go.jp/isa/content/001347329.pdf

水際対策での新規入国者国際的な人の往来再開による新規入国のためのビザ申請
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/fna/page22_003381.html(外務省)

新型コロナウィルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置について(外務省)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/fna/page4_005130.html


{お知らせ}
1  現在、動画配信のテストをしています。
国際結婚の手続きの話。
国際結婚を考えている人、国際結婚をしている人の知的好奇心を満たします。
https://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/5084001

2 無料小冊子を作成しました。
・「小さな会社の外国人の在留資格「技術・人文知識・国際業務」」
https://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/5115967/

・「外国人と一緒にビジネス!!働く在留資格「技術・人文知識・国際業務」」
https://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/5119428/

過去、有料レポートや無料レポートは、30以上作成しましたが、
書籍に近い作りになっている、小冊子を初めて作成しました。

尚、Youtube 動画は無料で見ることができますし、
小冊子については、
会社の経営者
一緒に外国人とビジネスをしたい人
に無料で進呈しています。


さて、本題です。

今回は、出生後認知によって、国籍取得届を経ずに、
子どもの日本国籍が認められる特別なケースを紹介します。
知っている人は知っていると思います。
相談者から「知っていますか?」と聞かれ、慌てて調べた過去があります。
家庭裁判所の関与がありますので、弁護士さんの領域となり、知らなかったのです。

通常、
認知と子どもの日本国籍取得の関係性から知られているのが、
1 胎児認知
2 出生後認知をしての日本国籍取得届
です。
通常、認知が生じるケースは、父母が結婚していない状況での子どもの出生です。
また、渉外認知の場合は、父が日本人で母が外国人のケースが多いようです。
それでは、父が日本人、母が外国人の前提で話しを進めます。

まず、胎児認知の場合は、結婚していない女性の妊娠中の子どもについて、
事実上の父が「私の子である」と法律上認める行為です。
多くのケースでは、外国人女性が独身であることが見受けられます。
そして、胎児認知が成立し、認知している男性が日本人であれば、
父の血統により、生まれてきた子供は日本国籍を取得することになります。
これは、国籍法という法律の2条1項の
「出生のときに父または母が日本国民であるときに日本国民とする」
に該当するからです。

続いて、出生後認知をしての日本国籍取得届ですが、子どもが生まれた後、
事実上の父が「私の子である」と認知をします。
そして、認知が成立すれば、生まれてきた子供は、
国籍法3条の国籍取得届という手続きを経て、日本国籍を取得することになります。
以前は、父母の婚姻が必要でしたが、今は、必要ではありません。

以上のことは、けっこう知られています。

今回紹介するのは、
出生後認知によって、子どもが日本国籍を認められる特別なケースです。
国籍取得届の手続きをしなくて、日本国籍を取得するケースです。
この場合は、
事実上の父が胎児認知をしようと思ってもできなかった状況が必要なようです。

例えば、
外国人女性が結婚していて、
その女性の夫ではない事実上の父(日本国籍)が胎児認知できずに、
子どもが生まれる。
その後、「夫の子ではない」ことが裁判所に認められて、
事実上の日本国籍の父が認知をする。

男性C――外国人女性A------日本人男性B
AとCは結婚している。
外国人女性Aと日本人男性Bとの間に子どもが生まれる。

その後、「夫である男性Cの子ではない」が裁判所に認められる。

日本人男性Bが認知。

そのような特段の事情があるときは、胎児認知届に準じて、
生まれながらに日本国民になることを認めよう、というものです。

最高裁の判決が出たことによって、行政でも容認することにしたようです。
特段の事情として認定されるケースとして、
「子の出生後3ヶ月以内に嫡出推定を排除する裁判が提起され、
その裁判確定後14日以内に認知の届け出があった場合」
としています。
ただ、認められても、自動的に日本人の父の戸籍に入籍されないようです。

外国人女性の状況によって、例えば
・日本人男性と結婚していて、離婚はしていない
・日本国籍男性以外と結婚していて、離婚はしていない
・離婚しないまま子どもが生まれそう
・離婚が成立しそうなので、離婚成立後に子どもが生まれそう
・離婚は成立しているも、事実上の父とは再婚していない
・離婚は成立していて、事実上の父と再婚する予定
などが考えられますので、子どもの日本国籍を得るために進めたいときは、
外国人女性の妊娠中に、
諸々のことを外国人女性の住む市区町村役場に相談したほうが良いです。
進めるためには、実質、市区町村役場での事前の相談が必要なようです。

なお、前回のメルマガで紹介しましたが、
嫡出子推定の改正の法律が成立し施行前の話なので、
法律が成立し施行されたら、どのような影響があるのか?は、
まだ、わからないです。
法律が大きく変わる部分をもう一度紹介しますと、
・離婚後300日以内に生まれた子については、前夫の子と推定しているところ、
 出産時点で再婚していたら、現在の夫の子(→通常は、後夫)になるようです。
 原則300日以内に生まれた子は前夫の子は維持ですが、その例外のようです。
・また、女性の再婚禁止期間で原則100日間の規定の再婚禁止規定はなくなるようです。

ちなみに、
出生後認知の成立後、
国籍法第3条での国籍取得届の際の必要な主な書類
を紹介しておきます。

地方法務局で手続きするとき
(子が国外に住んでいる場合
[→通常は、母と一緒に国籍国に住んでいると思いますが、そのような場合]
在外公館で手続きする時は、そこで指示をうけてください)
・認知者である父の戸謄本/除籍謄本/全部事項証明書
・日本国籍を取得しようとする子どもの出生を証明する書類
・母子手帳のコピー
・認知に至った経緯等などを記載した申述書(父母)
・外国人母が子どもを懐胎した時期の父母の渡航履歴に関する書類
 懐胎時期のパスポートのコピー、日本人出帰国記録、外国人出入国記録
・父の居住歴を証明する書類。住民票や戸籍の附票
・子と母の住居歴を証明する資料。住民票、閉鎖外国人登録原票の写し
(平成24年7月8日以前に、母であれば妊娠した。子どもであれば生まれた場合)
・子ども、母、父の写真
・パスポートのコピー、身分証明書、運転免許証、健康保険証のコピー
・その他指示された書類

参考
国籍取得届と国籍再取得届について書いています
https://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/1321874/

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
来年は2月にお届けする予定です。
ここ数年、1月を除いて毎月1回、届けていますが、
来年は偶数月(2,4,6,8,10,12月)にお届けする予定です。

このメルマガも、平成14年(2002年)の10月から発行していて、
何気に、20年目に入りましたので、今後も引き続きよろしくお願いします。

過去のメルマガが読めます(85号から)
https://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/?jid=1300156

このメルマガは、まぐまぐを利用して発行しています。
解除は 
http://www.mag2.com/m/0000097197.htm
よりできます。

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行政書士 折本徹事務所
https://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column

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