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外国人配偶者が上陸を特別に許可になった例、ならない例、メルマガ第196回、2020.12.1発行

折本徹

折本徹

テーマ:過去のメルマガ、85号から

外国人配偶者が上陸を特別に許可になった例、ならない例
第196回、2020.12.1発行
<2002年(平成14年)10月創刊>

行政書士の折本徹と申します。
今年も、一年納めの11月場所が終わり、12月になってしまいました。
今年は、新型コロナウィルス感染症で終わってしまう感があります。
年初に計画を立てた人も、立てなかった人も、思うようにいかなかったと思います。
終わり良ければすべて良し。最後は、良い月にしたいですね。


外国人生活支援ポータルサイト
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri10_00055.html
外国人在留申請・生活支援
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri01_00154.html

挨拶動画のテスト配信です
https://youtu.be/qqilT854c5E


さて、本題です。

法務省においては、
「上陸を特別に許可された事例及び上陸を特別に許可されなかった事例について」
を、公表しています。
これは、今年ではなく、昨年の分です。
昨年は、まだ、新型コロナウィルス感染症が、あまり知られていなかった時期ですし、
大勢の外国人観光客が、日本に入国していた時期でもあります。

発表された資料では、まず、
上陸特別許可と上陸拒否の特例について触れています。
1 出入国管理及び難民認定法第12条に規定する上陸特別許可は、
法務大臣の裁量的な処分で、その拒否の判断に当たっては、個々の事案ごとに
A 上陸を希望する理由(入国目的)
B 該当する上陸拒否の内容(退去強制事由の内容も含む)
C 上陸拒否事由が発生してから経過した期間
D 日本に居住する家族の状況やその生活状況
E 内外の諸情勢その他諸般の事情
F その外国人に対する人道的配慮の必要性
と他の入管法第7条第1項(⇒入国審査官の審査)に定める上陸のための条件に
適合しない者に及ぼす影響とを含めて、
総合的に判断している、としています。

早い話、上陸ための条件に適合しないという認定に誤りが無くても、
法務大臣は、その裁量により外国人の上陸を特別に許可することができる、
というものです。

2出入国管理及び難民認定法第5条の2に定める上陸拒否の特例
A 一定の類型の上陸拒否の対象者であっても
B 法務大臣が、法務省令に該当する場合で、かつ、相当と認めたときには
通知書が交付され、同通知書に記載された上陸拒否事由に該当することのみ
によって上陸拒否されることなく、
C また、入国審査官→特別審理官→法務大臣と三段階を経る上陸特別許可を改めて受ける必要もない、
というものです。

知られている話として、
退去強制後一定期間が経過していない外国人が、
日本人と結婚し、
その結婚を理由として、在留資格認定証明書交付申請をし、
審査の結果、同証明書が交付され、
更に在外公館において有効なビザを取得し、
日本の空港等で上陸申請を行い、一定の要件に適合したときは、
入国審査官は上陸特別許可によらずに上陸許可をすることができる、
ケースです。

公表されている事例は、
上陸のための条件である入管法第7条第1項第4号に適合していない
(⇒同法の第5条各号のいずれかの上陸拒否事由に該当している)
外国人であって、配偶者が日本人の場合又は配偶者が正規に在留する外国人です。

主な類型等
(1)主な類型:配偶者が日本人の場合,配偶者が正規に在留する外国人の場合
(2)主な項目:上陸拒否事由,退去強制等からの経過年月,婚姻期間,夫婦間の子の有無,刑事処分等の有無,許可内容など

本メルマガでは、外国人と日本人の夫婦について紹介します。

配偶者が日本人で、上陸を特別に許可された事例
1上陸拒否事由は不法残留での退去強制 5年拒否 婚姻期間は約5年7月 
子は無い 退去強制からの経過年月は約11月

2 上陸拒否事由は資格外活動の退去強制 5年拒否 婚姻期間は約3年10月 
子は無い 退去強制からの経過年月は約1年2月

3 上陸拒否事由は懲役刑等 長期拒否 婚姻期間は約5年3月 
子は1人 退去強制からの経過年月は約3年3月 
大麻取締役法違反により執行猶予3年の懲役8月

4 上陸拒否事由は不法残留の複数回の退去強制 10年拒否 婚姻期間は約3年4月 
子は無い 退去強制からの経過年月は約3年5月

5 上陸拒否事由は退去強制(在留資格取消) 5年拒否 婚姻期間は約3年4月
子は1人 退去強制からの経過年月は約4年1月 
子については、退去強制後に日本人と婚姻し出生したもの


配偶者が日本人で、上陸を特別に許可されなかった事例
1 上陸拒否事由は不法残留の退去強制 5年拒否 婚姻期間は約1年4月
子は無い 退去強制からの経過年月は約1年3月

2 上陸拒否事由は不法就労助長の退去強制 5年拒否 婚姻期間は約4年9月
子は無い 退去強制からの経過年月は約1年6月

3 上陸拒否事由は懲役刑等 長期拒否 婚姻期間は約9年6月 
子は2人 退去強制からの経過年は約2年4月 強盗罪で懲役4年6月の実刑

4 上陸拒否事由は懲役刑等 長期拒否 婚姻期間は約1年4月 
子は1人 退去強制からの経過年月は約1年4月 
偽装結婚による電磁的公正証書原本不実記録と同併用罪で
執行猶予3年の懲役1年2月

5 上陸拒否事由は複数回の退去強制 10年拒否 婚姻期間は約7年 
子は無し 退去強制からの経過年月は約3年2月
過去4回にわたり不法残留又は不法入国により退去強制処分を受けたもの

注意 
婚姻期間とは---婚姻した日から、
在留資格認定証明書交付申請等に係る判断を行ったときまでの期間です。
     
退去強制からの経過年月とは---退去強制による送還日から、
在留資格認定証明書交付申請等に係る判断を行ったときまでの期間です。


法則性みたいなものはあるか?ですが、
配偶者が日本人で上陸を特別に許可された事例では、
婚姻期間3年以上が共通しているのかな、と考えられますが、
たまたま、なのかもしれません。
併せて、配偶者が日本人で、上陸を特別に許可されなかつた事例も見ると
上陸拒否期間が10年や長期では、退去強制からの経過年月が3年以下だと、
上陸は認められない、と考えられます。

また、
配偶者が日本人で、上陸を特別に許可された事例の「4」の、

上陸拒否事由は不法残留の複数回の退去強制 10年拒否 子は無い
婚姻期間は約3年4月 退去強制からの経過年月は約3年5月

ケースですが、
「婚姻期間」と「退去強制からの経過年月」を比べると興味深いのですが、
時期が近いので、退去強制後に結婚したのかな、
許可が認められているので、
内縁関係が長かったのかな、と感じます。
1,2,3については、婚姻期間の方が長いですからね。
個人的には、
子が無く、10年拒否のケースは、退去強制からの年月は5年以上経しないと、
難しいのではないかな、と思っていました。

いずれにしても、実際の在留資格認定証明書交付申請は、
公表しているケースより多い、と推測されます。

退去強制になる場合ですが、
少なくとも入管法違反はしています(刑法違反もあります)。
そして、退去強制後には上陸拒否期間が発生します。
国際結婚しているご夫婦が、当事者になってしまった場合、
その上陸拒否期間を短縮する希望を持ちますが、
個々のご夫婦の事情も斟酌されると思いますが、
どこまで緩和させ、どこまで厳しくなってしまうのか、になります。
さてさて、読者の皆さんは、どう考えますか。


新型コロナウィルス感染症に関して

2020年12月の年の瀬に、原則として、外国人の新規入国はできなくなりました。
ただし、ビジネス目的の往来であるビジネストラックなどの枠組みで入国する外国人など、
例外もあります(対象国で、新異種の新型コロナウィルスに感染している人が見つかった場合、
停止措置が講じられる可能性もあります)。

第3波、感染拡大防止に伴う情報

新型コロナウィルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置について
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/fna/page4_005130.html

新型コロナウィルス感染拡大防止に係る上陸拒否などについて
http://www.moj.go.jp/isa/hisho06_00099.html


ここより、下記の情報は古い情報になりましたが、参考までに掲載を続けています。
最新の情報は、上記のURL(外務省と法務省・出入国在留管理庁)にアクセスしてください。


新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置について
1 上陸拒否
10月30日、日本国政府は、以下の国・地域について、
入管法第5条1項14号に基づく上陸拒否対象指定の解除、及び、追加指定を決定しました。
日本時間11月1日午前0時以降、
日本上陸前14日以内に追加指定をされた国に滞在後に日本へ到着した外国人は上陸拒否の対象となります。

上陸拒否対象指定の解除
オーストラリア、シンガポール、タイ、韓国、中国(香港及びマカオを含む)、
ニュージーランド、ブルネイ、ベトナム、台湾

上陸拒否対象への追加指定
ミャンマー、ヨルダン

 また、上陸拒否対象指定の解除と同時に、
オーストラリア、ニュージーランド、台湾については、査証免除措置が一時的に停止されます。

2 検疫の強化
(1)14日以内に上陸拒否対象国に滞在歴のある入国者は、当分の間、PCR等検査の実施対象となります。
(2)全ての地域からの入国者に対し、当分の間、検疫所長の指定する場所で14日間待機し、国内において公共交通機関を使用しないよう要請しています。

3 既に発給された査証の効力停止
以下に該当する査証は現在使用できません。
この措置は当分の間実施されます。
(1)中国(香港及びマカオを含む)及び韓国に所在する日本国大使館又は総領事館で、
2020年3月8日までに発給された一次・数次査証
(2)以下の国に所在する日本国大使館又は総領事館で2020年3月20日までに発給された一次・数次査証
「以下の国」の詳細は、下記のURLにアクセスしてください。
「新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置について」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/fna/page4_005130.html

4 査証免除措置の停止
以下の国・地域に対する査証免除措置が一時的に停止され、該当する方は、
日本への渡航を希望する場合、新たに査証の申請を行う必要があります。
この措置は当分の間実施されます。
(1)査証免除措置が停止された国及び地域
「国及び地域」の詳細は、下記のURLにアクセスしてください。
「新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置について」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/fna/page4_005130.html

5 航空機の到着空港の限定等
この措置は当分の間実施されます。
(1)中国又は韓国からの航空旅客機便到着空港を成田国際空港と関西国際空港に限定することを要請しています。
ただし、この限定の措置については、
各空港における入国時の検査能力の確保等の状況を踏まえ順次緩和を検討することとされており、
当該緩和は、検査能力の確保等の条件が整った空港から実施することとされています。

(2)中国又は韓国からの船舶による旅客運送を停止するよう要請しています。

(3)検疫の適切な実施を確保するため、
外国との間の航空旅客便について、減便等により到着旅客数を抑制することを要請。
ただし、帰国を希望する在外邦人や海外渡航者の円滑な帰国のため、
情報提供や注意喚起を含め、適切に配慮。

6 「特段の事情」による入国について

「特段の事情」があるとの理由により、入国が認められ、
9月1日以降、感染拡大防止等の観点から、査証を取得した上で、
入国拒否対象国・地域から日本へ入国される場合には、
「出国前検査証明(出国前72時間以内に実施した検査による新型コロナウイルスに「陰性」であることの検査証明)」の取得が必要となりますのでご注意願います。
「特段の事情」があるものとして入国が認められることのある具体的な事例については、
下記をご覧ください。
「新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る上陸拒否等について」
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho06_00099.html


最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
今年、1年間、お付き合いくださいまして、どうもありがとうございます。
次回は、来年の2月となります。
少し早いですが、良いお年をお迎えください。

 [[国際結婚手続http://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/?jid=1304737]]
[[「入国管理局の手続きと国際結婚」のテーマの記事の一覧
http://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/?jid=1300153]]

「国際結婚の夫婦、外国人夫婦の夫婦財産制の勉強をしています」
http://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/1359639

以下は、新型コロナウィルス感染症対策のURL です。

外国人の在留支援・生活支援/新型コロナウイルス感染症に関する在留諸申請における
取扱い等
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho06_00100.html
入国制限措置解除日に係る国・地域一覧表
http://www.moj.go.jp/content/001323012.pdf


国際的な人の往来再開に向けた段階的措置
(外国人の方が利用される際の査証・再入国関連書類提出確認書の申請について)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/fna/page22_003381.html

国際的な人の往来再開に向けた段階的措置について(8/24)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/cp/page22_003380.html

新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置について(8/13)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/fna/page4_005130.html
新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る上陸拒否等について
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho06_00099.html



このメルマガも、平成14年(2002年)の10月から発行していて、
何気に、18年目に入りましたので、今後も引き続きよろしくお願いします。

過去のメルマガが読めます(85号から)
http://mbp-japan.com
http://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/?jid=1300156

このメルマガは、まぐまぐを利用して発行しています。
解除は 
http://www.mag2.com/m/0000097197.html
よりできます。

VISA・在留資格研究会
行政書士 折本徹事務所
http://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column
https://www.toruoriboo.com

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折本徹(行政書士)

折本 徹 行政書士事務所

日本に住んでいるフィリピン人コミュニティを開拓し、相談を受ける事からスタートしました。その後、中国人、ネパール人、ベトナム人などの外国人、取扱う分野を拡げ、経験を積み、20年以上になります。

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