海外から外国人実習生を招へい。団体監理型の技能実習
団体監理型技能実習の外部監査
団体監理型の技能実習を行う場合、
監理事業を適切に運営するために、外部役員を確保していることや、外部監査を行うことになっています。
外部監査は、
団体監理型実習実施者に対する監査その他の申請者の業務が適正に実施されているかどうかについて
1 責任役員及び監理責任者から報告を受けること
2 申請者の事業所においてその設備を確認し、及び帳簿書類その他の物件を閲覧すること
の方法により、監理事業を行う各事業所につき三月に一回以上の頻度で確認し、
その結果を記載した書類を申請者に提出することになっています。
又、団体監理型実習実施者に対する監査が適正に実施されているかどうかについて、
申請者が行う第52条第1項の規定による監査に監理事業を行う各事業所につき、一年に一回以上同行することにより確認し、
その結果を記載した書類を申請者に提出することになっています。
そして、監査責任者の監査状況を確認することになります。
監理事業とは何か?ですが、「監理団体の許可基準」を読めば、
どのようなことを行うのか理解でき、どのような事柄を監査するのかも理解できますし、広範囲であることも理解できます。
「監理団体の許可基準」
監理事業を行おうとする者は、主務大臣の許可をうけなければならないとされています。
1から8に該当すること。
1 営利を目的としない法人であること
例 中小企業団体、農業協同組合、漁業協同組合など
2 監理団体の業務の実施の基準に従って事業を適正に行うに足りる
能力を有すること
A 実習実施者に対する定期監査
(3ヶ月に1回以上。監査は、以下のアからオの方法によることが必要)
ア 技能実習の実施状況の実施確認
イ 技能実習責任者及び技能実習指導員から報告を受けること
ウ 在籍技能実習生の4分の1以上との面談
エ 実習実施者の事業所における設備の確認及び
帳簿閲覧等の確認
オ 技能実習生の宿泊施設等生活環境の確認
B 第1号の技能実習生に対する入国後講習の実施
(適切な者に対しては委託可能であることの明確化)
C 技能実習計画の作成指導
ア 指導に当たり、技能実習を実施する事業所及び技能実習生の
宿泊施設を確認
イ 適切かつ効果的に実習生に技能等を習得させる観点からの
指導は、技能等に一定の経験等を有する者が担当
D 技能実習生からの相談対応
(技能実習生からの相談に適切に応じ、助言・指導その他の必要な
措置を実施)
3監理事業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有すること
4個人情報の適正な管理のため必要な措置を講じていること
5外部役員又は外部監査の措置を実施していること
6基準を満たす外国の送出機関と、技能実習生の取次に係る契約をしていること
7優良要件への適合(第3号技能実習の実習監理を行う場合)
8上記1から7のほか、監理事業を適正に遂行する能力を保持していること。
下記を満たさない場合は、監理事業を適正に遂行する能力があると判断されない。
ア 監理費は、適正な種類及び額の監理費をあらかじめ用途
及び金額を明示したうえで徴収
イ 自己の名義をもって、他人に監理事業を行わせてはならない
ウ 適切な監理責任者が事業所ごとに専任されていること
監理責任者は事業所に所属し、監理責任者の業務を適正に
遂行する能力を有する常勤の者でなければならない。
また、過去3年以内に監理責任者に対する講習を修了した者
でなければならない(経過措置有り)
「優良な実習実施者及び監理団体(一般監理事業)の要件」
・一般監理事業に係る場合は、
申請者が団体監理型技能実習状況の監査その他の業務を遂行する能力につき高い水準を持たすものとして、
主務省令で定める基準ら適合していることが必要。
特定監理事業 技能実習1号、技能実習2号
一般監理事業 技能実習1号、技能実習2号、技能実習3号
・監理団体については、
技能実習の実施状況の監査その他の業務を遂行する能力につき高い水準を満たすものとして主務省令で定める基準に適合していること。
得点制度を採用し、いずれも得点が、満点の6割以上であれば、基準に適合することとなる。
下記は、優良な監理団体の要件(満点120点)
1)実習の実施状況の監査その他の業務を行う体制(50点)
監理業務に関与する常勤の役職員と実習監理を行う実習実施者の比率
監理責任者以外の監査に関与する職員の講習歴 等
2)技能等の修得等に係る実績(40点)
直近過去3年間の基礎給、3級、2級程度の技能検定等の合格 等
3)法令違反・問題の発生状況(5点。違反などがあれば、大幅に減点)
直近過去3年以内の改善命令の実績、失踪の割合
4)相談・支援体制(15点)
他の機関で実習継続が困難となって実習生の受入に協力する旨の登録を行っていること
他の機関で実習継続が困難となった実習生の受入実績 等
5)地域社会との共生(10点)
実習生に対する日本語学習の支援
実習実施者が行う地域社会との交流を行う機会
日本文化を学ぶ機会の提供への支援
更に、監査の内容を理解するために
「施行規則52条の監理団体の業務の実施に関する基準」
を知っておく必要があります。
1
イ 団体監理型実習実施の実施状況について実施による確認を
行うこと
ロ 技能実習責任者及び技能実習指導員から報告を受けること
ハ 団体監理型実習実施者が団体監理型技能実習を行わせている
団体監理型技能実習生の4分の1以上と面談すること
ニ 団体監理型実習実施者の事業所においてその設備を確認し、
及び帳簿書類その他の物件を閲覧すること
ホ 団体監理型実習実施者が団体監理型技能実習を行わせている
団体監理型技能実習生の宿泊施設その他の生活環境を
確認すること
2 団体監理型実習実施者が法16条1項各号(認定の取消し等)
のいずれかに該当する疑いがあると認めたときは、
監理責任者の指揮の下に、直ちに前号に規定する監査を適切に
行うこと
3 第1号団体監理型技能実習にあっては、監理責任者の指揮の下に、
1月に1回の頻度で、
団体監理型実習実施者が認定計画に従って団体監理型技能実習を行わせているかについて実施による確認を行うとともに、
団体間型技能実習実施者に対し必要な指導を行うこと
4 技能実習を労働力の需給の調整の手段と誤認させるような方法で、
団体監理型実習実施者等の勧誘又は監理事業の紹介をしないこと
5 外国の送出機関との間で団体監理型技能実習の申込みの取次ぎに係る契約を締結するときは、
当該送出機関が、団体監理型技能実習生等の本邦への送出に関連して、
団体監理型技能実習生等又はその配偶者、
直系若しくは同居の親族その他団体監理型技能実習生等と社会生活において密接な関係を有する者の金銭その他の財産を管理せず、
かつ、
団体監理型技能実習に係る契約の不履行について
違約金を定める契約その他不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約を確認し、その旨を契約書に記載すること
6 団体監理型技能実習の申込みの取次ぎを受ける場合にあっては、
当該取次ぎが外国の送出機関からのものであること
7 第1号団体監理型技能実習にあっては、認定計画に従って入国後講習を実施し、
かつ、入国後講習の期間中は、団体監理型技能実習生を業務に従事させないこと
8 法第8条第4項に規定する指導に当たっては(認定計画)、
団体監理型技能実習を行わせる事業所及び団体監理型技能実習生の宿泊施設を実施に確認するほか、
次に掲げる観点から指導を行うこと。
この場合ロに掲げる観点からの指導については、
修得等をさせようとする技能等について一定の経験又は知識を有する役員又は職員に担当させること
イ 技能実習計画を法第9条各号に掲げる基準
(実習計画の認定の基準)
及び出入国 又は労働に関する法令に適合するものとする観点
ロ 適切かつ効果的に技能等の修得等をさせる観点
ハ 技能実習を行わせる環境を適切に整備する観点
9 その実習監理に係る団体監理型技能実習生の団体監理型技能実習の終了後の帰国に関する旅費を負担するとともに、団体監理型技能実習終了後の帰国が円滑になされるよう必要な指導を講ずること
10 その実習監理に係る団体監理型技能実習生の人権を著しく侵害する行為を行わないこと
11 技能実習を行わせるものに不正に法第8条第1項(実習計画が適当である旨の認定を受けることができる)若しくは第11条第1項(実習計画変更の認定)の認定を受けさせる目的、不正に法第23条第1項(監理事業の許可)若しくは第32条第1項(監理事業の区分変更)の許可若しくは法第31条第2項(監理事業の有効期間の更新)の更新を受ける目的、
出入国若しくは労働に関する法令の規定に違反する事実を隠蔽する目的又はその事業活動に関し不正に入管法第三章第一節若しくは第二節の規定に関する証明書の交付、上陸許可の証印若しくは許可、同章第四節の規定による上陸の許可若しくは入管法第四章第一節若しくは第二節若しくは第五章第三節の規定による許可を受けさせる目的で、偽造若しくは変造された文書若しくは図画又は文章若しくは図面を行使し、又は提供する行為をおこなわないこと
12 団体監理型技能実習生との間で認定計画と反する内容の
取決めをしないこと
13 法第37条第1項各号(許可の取消し等)のいずれかに該当するに
至ったときは、直ちに、機構に当該事実を報告すること
14 その実習監理に係る団体監理型技能実習生からの相談に
適切に応じるとともに、
団体監理型技能実習実施者及び団体監理型技能実習生への助言、
指導その他必要な措置を講ずること
15 事業所内の一般の閲覧の便利な場所に、
監理団体の業務の運営(監理費の徴収を含む)に係る規定を
掲示すること
16 前各号に掲げるもののほか、
法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める特定の職種及び
詐欺用の 係る団体監理型機能実習の実習監理を行うものにあっては、
当該特定の職種及び作業にかかる事業所所管大臣が、
法務大臣及び厚生労働大臣と協議の上、
当該職種及び作業に特有の事情を鑑みて告示の定める基準に
適合すること
厚生労働省関連部分(労働関係法令の遵守)に関しての
監理団体による監理のためのチェクリストが公開されているので、
主な項目を記載します。
下記の項目を監査することになります。
まず、前回の監査の指摘に対応する改善状況を確認する
1 労働条件の明示
技能実習生を雇い入れた時や雇用契約の更新を行うときは、決められた事項を示した
労働条件通知書を交付するなど、労働条件を明示していますか。
2 賃金台帳の作成
賃金台帳を事業所ごとに作成し、3年間保管していますか。
3 労働時間管理の適正化
・実習生の出勤日ごとの始業・終業時刻を原則として、使用者が自ら現認、または、
タイムカードなどの客観的な記録を基礎として確認し、記録していますか。
・賃金台帳における労働時間に関する記載は、適切ですか。
4 賃金支払
・賃金については、通貨で、受け入れ企業から直接技能実習生に、
その全額を、毎月1回以上、一定期日に支払っていますか。
・労働契約に基づく賃金が適切に支払われていますか。
・賃金の控除については、法令で定められているもの(税金、社会保険料など)、労使協
定で定めたもの(寮費や食費)に限定していますか。
5 強制貯金の禁止
技能実習生に対して、労働契約に付随して貯蓄金を管理する契約(技能実習生名簿の口座の通帳、
印鑑を使用者が保管することを含む。)をしていませんか。
6 時間外・休日・深夜割増賃金支払
・法定の労働時間を超えて労働させる場合、法定の率で計算した割増賃金を支払っていますか。
・労働契約に基づく割増賃金を適切に支払っていますか。
7 最低賃金
賃金は、最低賃金額以上の額を支払っていますか。
8 労働時間
・所定労働時間は、週40時間、1日8時間以内ですか。
・労働時間に基づく労働時間とされていますか
・労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも60分の休憩を与えていますか
・少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えていますか。
・労働契約に基づき年次有給休暇は適切に付与していますか。
・法定労働時間を超えて、または法定休日に労働させる場合には、
「時間外・休日労働に関する協定」(36協定)を締結し、労働基準監督署に届け出ていますか。
・36協定は、時間外労働の限度に関する基準に適合していますか。
9 寄宿舎
・寄宿舎規則を作成したときや、変更したときは、労働基準監督署に届け出でいますか。
・技能実習生を含め労働者を10人以上使用している場合は、寄宿舎設置届を届け出ていますか。
・実習実施機関は、寄宿舎の設備などについて、寄宿舎に居住する労働者の安全、衛生、風紀等を守るため、下記の措置を講じていますか。
ア 警報装置
イ 消火設備を設置すること
ウ 寝室を2階以上に設ける場合は避難段階等を設けるため
エ 寝室に居住する者の氏名等を掲示すること など
10 安全衛生教育
・技能実習生を雇い入れたときや技能実習生の作業内容を変更した
ときには、
ア 作業内容
イ 機械や原材料などの取り扱い方法
ウ 安全装置や保護員等の取り扱い方法など
技能実習生の安全衛生の確保に必要な事項について、
実習生が理解できる方法で雇い入れ等の安全衛生教育を実施していますか。
・危険有害業務に技能実習生を従事させる場合には、
実習生が理解できる特別教育等を実施していますか。
11 就業制限
就業制限業務に技能実習生を従事させる場合には、免許の取得、
技能講習の修了などの所要の措置を取らせていますか。
12 健康診断の実施
・実習実施機関は、技能実習生を雇い入れたとき、雇入れ時健康診断を実施していますか。
・実習実施機関は、1年に1回(常時深夜業等に従事する者について、6月に1回)、定期健康診断を実施していますか。
・実施機関は、技能実習生に有害業務を行わせる場合には、有害業務に修業開始したときと、その後、一定期間ごとに、特殊健康診断を実施していますか。
13 労働保険・社会保険
・労災保険の加入手続はされていますか。
・雇用保険の加入手続きはされていますか。
・健康保険、国民健康保険の加入手続はされていますか。
・厚生年金、国民年金の加入手続はされていますか。
・実習実施機関は、外国人雇用状況(外国人[技能実習生]の雇い入れ、
離職の際の氏名、在留資格)などを期限内にハローワークに届け出ていますか。
14 技能実習生が安心して実習を行うことができる環境づくり
・技能実習計画について、申請の際に行うとした作業とは別の作業にさせた場合や技能実習計画上の複数の作業項目のうち、大半の項目を実施しなかった場合はないか。
・「技能実習2号イ」又は「技能実習2号ロ」の技能実習生に対して、技能実習成果の評価において受験し合格した技能実習移行対象職種と異なる職種に従事させたことはないか。
・技能実習計画において設定された到達目標について、所定の期間までに、所定の確認方法により、到達目標が達成されていることを確認していますか。
[そもそも、チェックしておきたいこと]を記載します。
JITCOを参考に記載しています。
1 現在、受け入れている技能実習生の数
2 在留資格ごと(技能実習1号、技能実習2号)の人数。在留期間満了日
3 監査対象機関の名前、所在地、業種、常勤職員数、技能実習指導員の氏名、生活指導員の氏名(聞き取りの対象者は、技能実習生、技能実習指導員、生活指導員。技能実習生からの聞き取りのときは、通訳者の同行の有無
4 書類等の確認の有無 実習日誌、賃金台帳、タイムカード、
その他給与の支払いに関する書類 その他
5 監理団体による講習の実施状況 期間、場所、業務への従事の有無
6 技能実習計画
(1)計画の変更の有・無
ある場合は、変更内容と届け出の有無
(2)労働時間の計画との齟齬の有・無
(3)実施状況の確認 実習日誌・作業現場立ち入り・その他
(4)指導員による適切な指導の確認
7労働関係法令以外
(1)文書の保管 旅券・在留カード・預金通帳・印鑑
(2)実習生の管理 携帯電話の所持禁止・外出制限・来客面会禁止・罰金の徴収
(3)不法就労者の雇用の有・無
(4)労働基準監督機関からの是正勧告等の有・無
(5)賃金の不払いの有・無
(6)生活環境の不備の有・無
(7)実習上のトラブルの有・無 会社の規律違反、怠業など
(8)生活上のトラブルの有・無 喧嘩、近隣住民との紛争など
(9)事件や事故の有・無 実習中の事件、事故、警察沙汰、交通事故など
(10)送り出し機関による保証金の徴収等 聞き取りしたうえで、有・無
(11)技能実習生全員の在籍 有・無
(12)技能実習生の実習態度 良い・普通・悪い
(13)技能実習生の生活態度 良い・普通・悪い
(14)技能実習生の健康状態 良い・普通・悪い
(15)技能実習生の不満、要望を聞き取り
(16)技能実習生の中途帰国者の有・無
(17)技能実習生の行方不明者の有・無
団体監理型技能実習
団体監理型技能実習の入国後講習、日本語講習
海外工場からの外国人従業員の受入