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外国人芸術家(画家、作曲家、作家、バレエ講師等)は、一般社団法人の設立が可能か?

折本徹

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テーマ:日本の文化/芸術と外国人材

一般社団法人の設立

外国人芸術家(画家、作曲家、作家、バレエ講師等)は、一般社団法人の設立が可能か?

一般社団法人ってそもそも何?ですが、

任意の団体が、法人格をもった団体をいいます。
任意の団体から法人格をもつ団体にする理由として、
・少人数でも、有志で、福祉や芸術、教育や研究、
環境保全をはじめとする活動を今より安定させ、活動を普及させたい
・株式会社と違って、剰余金の分配ができないので、
社会貢献の意味が強いことを世間にアピールしたい
・任意団体の場合だと代表者個人の団体の面が強いので、
法人化して、社会的な信用をより高めたい
・あるいは、ボランティア団体・学会など任意団体で、法人格を取りたい
・公益法人をめざしてNPO法人から転換したい
・ソーシャルビジネスをしたい
になるのではないか、と考えます。
(日本国内では、法人でなくても、任意団体で活動を行うことはできます)

例えば、クラシックバレエの普及のように、外国人芸術家が芸術団体をおこし、
又は、外国人芸術家が中心となって芸術団体をおこし、
仲間と一緒に、慈善活動をして、
世間に、社会貢献活動の一環として普及させたい、こともあります。
あるいは、利益を追求しない目的での、ソーシャルビジネス起業も考えられます。

日本国内で収入を得ている外国人芸術家は、在留資格「芸術」で滞在し、
活動しています。
どのような外国人芸術家と言いますと、
・創作活動を行う、作曲家、作詞家、画家、彫刻家、工芸家、著述家、写真家などの芸術家
・音楽、美術、文学、写真、演劇、舞踏、映画その他芸術上の活動について、指導をする者
です。
おおまかなくくりになっていますが、
実際は更に細かく、具体的にOOO家やOOOの指導者と呼ばれる人に、分類されると思います。
株式会社だと、利益追求というイメージがあるので(ある意味、あたりまえのことです)
社会貢献を強調したほうが、世間的に印象が良いことがあり、
一般社団法人を設立することはあり得ます。

外国人芸術家に来日してもらう、
あるいは、既に滞在している外国人芸術家に中心になってもらい、
新たに日本に拠点を作り、皆で必要なお金を出し合い、
管理・運営をしていく、ことが考えられます。

更に、一般社団法人を設立し、
(代表)理事は、法人内で、芸術上の評価の高い者が就くことが多いらしいので、
(代表)理事に就任してもらうこともあり得ます。
法人格のない団体の場合、
団体の資産が代表者の個人資産になってしまう可能性があることから、
法人化しておけば、法人の資産が明確になります。
尚、外国人芸術家の日本への滞在期間が決まっている場合、
法人化しておけば、終了時における(代表)理事への引継ぎがスムーズです。

一般社団法人は、登記をすることによって、成立します。
尚、一般社団法人を設立しようとするものは,名称や所在地や目的は勿論のこと、
社員は誰か?
設立後の理事は誰か?
などを決めておき、所定の事項を記載した定款を作成します。

一般社団法人を設立する際の手続の流れは,次のとおりです。

•定款を作成し,公証人の認証を受ける。
•設立時理事の選任を行う(設立時監事や設立時会計監査人を置く場合は,これらの者も)。
上記の2つは設立時社員(法人成立後最初の社員となる者2名以上)が行う。
•設立時理事(設立時監事が置かれている場合は,その者も)が,
設立手続の調査を行う。
•法人を代表すべき者(設立時理事又は設立時代表理事)が,法定の期限内に,
主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局に設立の登記の申請を行う。

一般社団法人の定款には,どのようなことを記載するか?ですが
•目的
•名称
•主たる事務所の所在地
•設立時社員の氏名又は名称及び住所
•社員の資格の得喪に関する規定
•公告方法
•事業年度
なお,監事,理事会又は会計監査人を置く場合にも,その旨の定款の定めが必要になります。
設立には、2人以上の社員が必要です。

社員とは?ですが、当然ながら、株式会社の社員とは違います。
一般社団法人の構成員で、社員総会での議決権行使等を通じて、法人運営に参加します。
株式会社設立でいえば、発起人兼株主に近いです。
設立後に社員が1人だけになっても,その一般社団法人は解散しませんが,
社員が欠けた場合(0人となった場合)には,解散することになります。

社員総会は,
法に規定する事項及び一般社団法人の組織,運営,
管理その他一般社団法人に関する一切の事項について決議をすることができることとされています。

(ただし,理事会を設置した一般社団法人の社員総会は,
法に規定する事項及び定款で定めた事項に限り,
決議をすることができることとされています。
理事会は,すべての理事で組織され,法人の業務執行の決定,理事の職務の執行の監督,
代表理事の選定及び解職等を行うこととされています。)

社員総会のほか,業務執行機関としての理事を少なくとも1人は置かなければなりません。
社員総会で意思決定したものを、理事が執行することになります。
理事は対外的な責任者と言えます。

一般社団法人が行うことができる事業に制限ないので、
公益的な事業はもちろん,町内会・同窓会・サークルなどのように,
構成員に共通する利益を図ることを目的とする事業(共益的な事業)を行うこともできます。
また、収益事業を行うこともできるとされており、
その利益を法人の活動経費等に充てることは何ら差し支えないとされています。
ただし,株式会社のように,営利(剰余金の分配)を目的とした法人ではないため,
定款の定めをもってしても,
社員や設立者に剰余金や残余財産の分配を受ける権利を付与することはできないことになっています。
(お給料を得ることは可能です)

在留資格「芸術」を得ている外国人が、
(代表)理事に就任したときに、在留資格「経営・管理」へ変更申請をする必要があるか、どうか、ですが、
一般社団法人の規模や実態によるのではないのかな、と考えます。
新しく一般社団法人を設立する場合は、
まず、在留資格「芸術」を得てから、
または、在留資格「芸術」を得ているほうが、進めやすい、と思います。

在留資格「経営・管理」の許可要件
本邦において、貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動で、
1 申請に係る事業を営むための事業所が本邦に存在すること。
 ただし、当該事業が開始されていない場合にあっては、
当該事業を営むための事業所として使用する施設が本邦に確保されていること

2 申請に係る事業の規模が次のいずれかに該当していること
イ その経営又は管理に従事する者以外に本邦に居住する二人以上の常勤の職員
(法別表第一の上欄の在留資格をもって在留するものを除く)が従事して営まれるものであること
ロ 資本の金額又は出資の総額が500万円以上であること
ハ イ又はロに準ずる規模であると認められるものであること

外国人と会社設立・外国人の起業
外国人社長・役員

画家、作曲家、作家、バレエ講師、舞台監督等の在留資格 芸術(アーチスト)
http://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/1306389

国際交流をしている文化団体や芸術団体の補助金・助成金
http://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/1351108
外国人に日本の文化を伝える事業。文化財保護法の助成金
http://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/1361611

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折本徹
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折本徹(行政書士)

折本 徹 行政書士事務所

日本に住んでいるフィリピン人コミュニティを開拓し、相談を受ける事からスタートしました。その後、中国人、ネパール人、ベトナム人などの外国人、取扱う分野を拡げ、経験を積み、20年以上になります。

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