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外国人の起業「在留資格 経営・管理」

折本徹

折本徹

テーマ:外国人の起業

外国人の起業・「在留資格 経営・管理


外国人の起業又は外国人と一緒にビジネスをする 、
をテーマにしています。

会社設立方法
在留資格 経営・管理
資金調達・融資

外国人社長の在留資格「経営・管理」
の説明となります。


下記のQ&A は、株式を公開していない会社(非上場企業)を前提にしています。

Q1 日本に住む、外国人は会社の設立は可能か?

A 可能です。出入国管理法と会社を設立する法律は違うから。
 尚、会社を設立しても、自動的に、経営者の在留資格「経営・管理」 を得られるわけではないことに注意。


Q2 外国に住む、外国人は会社の設立は可能か?

A 可能です。
 尚、日本に入国しない場合は、日本人の協力者がいないと、
  実際には設立はできません。
  日本に入国できれば、なんとか会社設立まではできます。
  ただし、会社を設立しても、自動的に、経営者の在留資格「経営・ 管理」を得られるわけではありません。


Q3 日本に住む、外国人は、取締役になれるのか?

A 可能です。ただし、在留資格において
「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」以外は、
注意が必要。
尚、手続きに際し、印鑑証明書も用意しておくのが良いです。
通常、取締役会の非設置会社は、取締役の印鑑証明書が必要で、
取締役については、基本的に、住所を証明する書類が必要だからです。
就任承諾については、
新規の会社設立については、定款に記載
既存の会社については、株主総会議事録で援用ができることがあります。
  

Q4 海外に住む、外国人は、取締役になれるのか?

A 可能です。ただし、取締役に就任しても、自動的に、 在留資格を得られるわけではありません(通常は、非常勤の取締役なので)。
本国官憲のサイン証明が必要になることがあります。
就任承諾については、就任承諾書が必要になる可能性があります。
取締役については、基本的に、住所を証明する書類が必要なので、
日本に住民登録をしていない外国人取締役の必要書類は、事前に登記所にお尋ねください。


Q5 役職と在留資格の関係は?

A 在留資格「経営・管理」の
1)「経営」は、業務に関しての重要事項の決定、業務執行、監査などを行う。
 通常、代表取締役・社長が該当します。
 大企業の取締役や監査役は該当するかもしれません。
 しかし、実態で判断されるでしょうが、取締役でも、
 中規模では微妙、小規模や零細規模では難しいと思います。

2) 「管理」は、業務の管理を行う。
イメージとして大企業の部長、工場長、支店長など。
実態で判断されるでしょうが、
部長でも、中規模では微妙、小規模や零細規模では難しいと思います。 

3) それ以外の役職は、
働く在留資格「技術・人文知識・国際業務」に代表される就労の在留資格の可能性が高いですが、
これらの在留資格は、仕事の内容(活動)で決定されます。


「まとめ」

経営者のビザである在留資格「経営・管理」の審査の要点

外国人が、相当額の出資をし(外資系です)、
自らが経営者になる場合は、
「経営・管理」という在留資格になります。
許可の基準として
・事務所を確保していること
・常勤の従業員二人以上いること
常勤の従業員については、日本人又は
「日本人の配偶者等」「永住者」「永住者の配偶者等」「定住者」の在留資格を得ている外国人となっています。
常勤の従業員が二人未満の場合、
資本の金額又は出資の総額で500万円以上が必要です。
要するに、
仮に、従業員二人雇えても、年間で500万円以上はかかるだろうから、売上げこが予想より少なくても、事業が遂行できるよう、
当初から、このくらいのお金は用意せよ、
というとだと推測いたします。
・事業の継続性・安定性
新規の事業なので、事業計画書の作成が必要となります。
が、求められています。

「経営・管理」の資格の該当性と基準省令
別表第一の二 「活動」 
本邦において貿易その他の事業の経営を行い
又は当該事業の管理に従事する活動
(この表の法律・会計業務の項の下欄に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている
事業の経営又は管理に従事する活動を除く。)

基準を定める省令 法別表第一の二の経営・管理の項の下欄に掲げる活動
基準
申請人は次のいずれにも該当していること
1 申請に係る事業を営むための事業所が本邦に存在すること。
ただし、当該事業が開始されていない場合にあっては、
当該事業を営むための事業所として使用する施設が本邦に確保されていること

2 申請に係る事業の規模が次のいずれかに該当していること
イ その経営又は管理に従事する者以外に本邦に居住する二人以上の常勤の職員
(法別表第一の上欄の在留資格をもって在留するものを除く)
が従事して営まれるものであること
ロ 資本の金額又は出資の総額が500万円以上であること
ハ イ又はロに準ずる規模であると認められるものであること

3 申請人が事業の管理に従事しようとする場合は、
事業の経営又は管理について3年以上の経験
(大学院において経営又は管理に係る科目を専攻した期間を含む)
を有し、
かつ、
日本人が従事する場合に受ける報酬と同等以上の報酬を受けること

別表第三(第6条、第6条の2、第20条、第21条の3、第24条関係)
法別表第一の二の経営・管理の項の下欄に掲げる活動
資料
1 次のイからハまでに掲げる資料
イ 事業計画書の写し
ロ 当該事業を法人で行う場合には、当該法人の登記事項証明書の写し
(法人の登記が完了していないときは、定款その他法人において当該事業を開始しようとしていることを明らかにする書類の写し)
ハ 損益計算書その他これに準ずる書類の写し
  (事業を開始しようとする場合においては、この限りではない)

2 次のいずれかに掲げる資料
イ 当該外国人を除く常勤の職員の総数を明らかにする資料
並びにその数が2人である場合には、
当該2人の職員に係る賃金支払い関する文書及び住民票、在留カード
又は特別永住者証明書の写し
ロ 資本金の額又は出資の総額を明らかにする資料
ハ その他事業の規模を明らかにする資料

3 事業所の概要を明らかにする資料

4 活動の内容、期間、地位及び報酬を証する資料

5 事業の管理に従事しようとする場合は、
職歴を証する文書及び大学院において経営又は管理を専攻した期間に係る証明


「申請のポイント」
①日本国内において事業の経営又は管理に従事すること

②会社を設立するための準備期間も在留資格「経営・管理」が付与される可能性は有ります。
独立した事務所と二人以上の常勤の職員が従事
(法別表第一の上欄の在留資格をもって在留するものを除く)
又は資本の金額又は出資の総額が500万円以上であることが必要です

③会社設立準備期間は4ヶ月間で、その期間内に会社を設立すること。
設立ができなければ、滞在の延長は難しい。

④500万円について
設立して、申請するときは、500万円以上からスタートするほうが望ましい。
・調達手段については、申請するときは裏づけが必要。
・自己資金が望ましいが、親族からの贈与や借り入れも可能。
又、親しい友人からの借り入れも可能。
ただし、金銭消費貸借契約書を交わし(印紙の貼付が必要)、人間関係をキチンと説明すること。
長い付き合いのある人達からの個人的な関係からの借り入れではなく、
(昨日、今日知り合い、事業に意気投合するような)ビジネスベースの借り入れだと難しい。
・海外送金等は送付書が必要
・海外から現金を持ち込むときは、税関の証明書等が必要
・現物出資も可能だが、金銭出資との割合に注意
・会社が銀行から借り入れることも可だが、個人保証をすること
・会社を設立しないで、個人事業も可だが、相当額を出資し、事業として支出したことを証明する

⑤共同出資の場合
それぞれの行う仕事内容から、経営業務や管理業務を判断する
在留資格「経営・管理」は、管理に従事する場合にも付与されるが、
管理業務の場合、それに見合った規模や従業員がいるので、それにて判断。
同じポジションの管理職と同等の職務権限があるか、どうかも、判断材料。

⑥現業活動
現場での単純労働での活動だが、従たる活動の場合に限り(主たる活動に含まれるので)、可になることもある

⑦事務所や店舗の確保
・看板やポストがキチンとあること
・事務所の場合、住まいと一緒のときは、区分をキチンとし、事務所として相応のスペースが有り
(基本的には、従業員二人以上を雇うことが前提なので)、
事務所設備が備えてあること
・家主との賃貸借契約書で「事務所使用」が容認されていること。
無い場合は、転貸になるので、家主からの同意書が必要

⑧事業計画書
決算報告書に相当する内容が望ましい。自分自身の報酬金額は記載すること

⑨地方公共団体が起業支援を行う場合における在留資格「経営・管理」の取扱いの内容

(a)地方公共団体が実施する起業支援対象者として認定され,
地方公共団体が所有又は指定するインキュベーション施設に入居する場合において,
当該地方公共団体が事業所に係る経費
(申請人の専有スペースの賃料のほか,共有スペースの利用料も含む。)
を申請人に代わり負担していると認められるとき、
その他に当該地方公共団体から受ける起業支援に係る経費を含めて
(当該施設に駐在するコンサルタント等から起業に係る指導等を受ける場合におけるコンサルタント利用料等であって,
地方公共団体が申請人に代わり負担していると認められる場合に限る。)、
地方公共団体が申請人に代わり負担していると認められる金額を最大で年間200万円まで考慮します。
申請人が投下している金額と合わせて500万円以上となる場合は,
「経営・管理」に係る上陸基準省令の第2号ハを満たすものとして取り扱うことになりました。
なお,在留資格認定証明書が交付される場合
又は在留資格変更許可申請等が許可される場合において決定される在留期間は「1年」となります。

(b)「当該地方公共団体が事業所に係る経費
(申請人の専有スペースの賃料のほか,共有スペースの利用料も含む。)
を申請人に代わり負担していると認められるとき」
及び
「その他に当該地方公共団体から受ける起業支援に係る経費
(当該施設に駐在するコンサルタント等から起業に係る指導等を受ける場合におけるコンサルタント利用料等であって,
地方公共団体が申請人に代わり負担していると認められる場合に限る。)」とは,
地方公共団体による支援と同等の民間施設やコンサルタントを利用した場合の金額に比べて,
申請人がインキュベーション施設やコンサルタントの利用について安価に使用できる場合を言い,
その差額分については地方公共団体が申請人に代わり負担していると認めるものです。

(例)地方公共団体が指定するインキュベーション施設と同等の民間施設の賃料は月額8万円のところ,
対象者は月額1万円の負担でインキュベーション施設を利用できる場合,
月額7万円(年間84万円)は地方公共団体が対象者に代わって事業所の代金を負担していると認められることから,
資本金の額又は出資の総額が416万円以上である場合には,
「経営・管理」に係る上陸基準省令の第2号ハを満たすものとして取り扱います。

(c)この取扱いは,地方公共団体が起業支援を行う場合に限られますので,
起業支援が終了した場合,それ以降の「経営・管理」に係る在留期間更新許可申請においては,
改めて,「経営・管理」に係る上陸基準省令に適合することが求められます。

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[日本にいなくても会社作れるの?]
Q
私は、技術・人文知識・国際業務の在留資格で、日本で約3年働いています。
今度、私の友人が日中貿易会社を設立する予定があります。
私の友人は中国にいます。
会社の内容は、中国と日本の間に輸出入・販売という事業です。
会社は私の友人が経営しますが、どのように会社を設立したら良いのでしょうか?
私も、出来る限り手伝いをしたい、と考えています。

質問1
「会社の住所:私が現在借りている部屋でも大丈夫ですか。」

会社の設立申請では問題無いと思います。
しかしながら、在留資格「経営・管理」の必要な条件は
・事務所をキチンと確保しておくこと(原則、自宅兼用ではないこと、他の会社と共用ではないこと)
・正社員を2人以上、雇うこと、又は、資本の金額が500万円以上あること
・事業の継続性と安定性があること
です。
事務所については、ちょっと厳しいかな、と思います。
又、大家さんが、将来的に転貸することを同意するか、どうかです。
尚、本来は正社員を2人以上雇用なので、少なくとも、
それくらいのスペースと事務所の設備が必要になることも、
ご理解してください。
 
質問2
「 銀行口座:
私の銀行口座を会社の設立申請に使用することはできますか。
友人は、日本の銀行口座を持っていません。」

これにつきましては、あなたが、発起人と非常勤取締役を兼ねられれば、問題は無いでしょう。
資本金につきましては、会社設立登記前に、用意することになります。
それで、発起人の口座に、登記申請前に、資本金を振り込むことになります。
発起人の通帳には、振り込んだ人の名前が記載されます(銀行の事務手続き上、そうなります)。
それをコピーして、登記申請書類に添付します。
これ専用の口座を作ったほうが良いです(例えば、三井住友銀行に口座があれば、三井住友銀行でもう一つ作るか、又は、東京三菱UFJ銀行等々に口座を作る)

質問3
「私が発起人になることはできます。
資本金のほとんどを友人が出す場合は、私の銀行口座に振込みした時、何か証明の書類が必要ですか。」

送金したことの証明書を、中国の銀行で発行してもらってください。
あなたの通帳には、振込み人として、友人の名前が記載されないかもしれませんから
(こういう場合は、事前に、登記所に確認した方が良いです)。

質問4
「 友人は印鑑が必要でしょうか。」

あなたの友人も発起人になる場合、
公証人への定款認証のとき、本国官憲のサイン証明か、
印鑑登録制度があれば、
印鑑証明書が必要になるかもしれないです。
これは、実際に進める前に、公証人に確認した方が良いでしょう。

質問5
「会社の設立手続きは何とかなる感じがしました。友人を招へいできますか。」

このケースは、条件がつきますが、可能かと考えます。
現在は、代表取締役の日本の住所地の要件がなくなりましたので、
会社設立したら、「経営・管理」の在留資格認定証明書交付申請をすることになります。
あなたが招へい人になったら良いでしょう。

・事務所をキチンと確保しておくこと
・正社員を2人以上、雇うこと 又は資本の総額が500万円以上あること
・事業の継続性と安定性があること

ちなみに、会社設立準備のためにも、在留期間4ケ月の在留資格「経営・管理」が認められるようになりました。
事務所の確保と正社員2人以上の雇用か又は資本の総額が500万円以上であることが必要です。
他に、会社設立時に予定されている定款、事業計画書も申請に必要です。
在留資格「経営・管理」在留期間4ヶ月、にて入国でしたとします。
4ヶ月以内に会社設立できないときは、滞在の延長は認めないようです。
あなたと友人が、会社の発起人と設立時の取締役になる、という前提で、
あなたが招へい人となり、友人の「経営・管理」の在留資格認定証明書交付申請が可能になります。

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専門家

折本徹(行政書士)

折本 徹 行政書士事務所

日本に住んでいるフィリピン人コミュニティを開拓し、相談を受ける事からスタートしました。その後、中国人、ネパール人、ベトナム人などの外国人、取扱う分野を拡げ、経験を積み、20年以上になります。

折本徹プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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