部下を持ったら考えましょう! 人を動かす、人を育てる とは?
【はじめに】
今年最後のコラムは整理整頓についてです。
ちょうど時期的にも今週末あたりから室内の大掃除や
愛車の車内外の掃除等がピークではないでしょうか?
整理整頓をすること、書いてみれば当たり前すぎる話です。
ですが、私生活でも仕事上でもなかなか持続して出来ている方は少ないようです。
とはいえ、これを疎かにしていると実に痛い目に遭います。
場合によっては、第三者にまで迷惑を及ぼすことにも。
今回は整理整頓をテーマに、 まずは私が経験した事例を2つ、紹介したいと思います。
【仕事面で】
最初の事例は仕事面での事例です。
〇 ひとり事業主の場合
私と同じ様に士業従事者で個人事務所を営んでいました。
いわゆる「感覚で仕事を進めるタイプ」でその閃きや発想の奇抜さは
とても真似できない天才肌でした。
ですがこの方、致命的に整理整頓が出来ないタイプでした。
もうお分かりでしょうが、この方がぎっくり腰で入院となったのです。
複数の案件を抱えた身、こういう事態をある程度は考えていたようで
提携先の士業従事者に案件の引継ぎを依頼し、快諾されたのですが…
どの案件のどの資料がどこにあるのか?
これが自分自身でも把握出来ていなかったのです。
それまで大病もケガもしてこなかったことで危機意識、危機管理に
あまり注意を払っていなかったことが裏目に出たのです。
書棚はあるものの、時系列も年代もバラバラに「陳列され」
その都度自分なりの整理を していたようです。
ですが自分でも実際に自分の目で確認しつつ探し出すといった作業で
他人に正確に保管箇所を説明出来るものではなかったのです。
幸いこの方は家族と同居しており、頼めば事務所に行って
当該書類等を持ち出してくることは可能だったのですが、
上記の理由で家族でさえも資料を回収出来なかったのです。
結局依頼先には病室からの電話で平謝りに謝って
可能な限りの延期をしてもらったそうです。
一人事業者の場合、
我が身に何かあった時は士業に限らず業務は停止状態になります。
そうならないように、健康管理等には細心の注意を払うのはもちろんですが、
万が一アクシデントに遭遇した時にはどういう対策、備えを考えているか、
または実践しているか? どこまで考えてるでしょうか?
特に、私のように「おひとり様の一人事業主」は事前対策を考えないで
業務に従事することは依頼者に対しての責任感を疑われても仕方ないと思います。
せめて今どういう仕事を受けていて、その関係資料は分かりやすく一か所に保管し、
進捗度合いについてもわかるような備忘録を用意しておくこと。
せいぜいこのくらいしかすぐ出来る手立ては考えつきませんが、
やらないよりは数段マシではないでしょうか?
【日常生活面で】
こちらのケースは、ある意味終活にも通じる話です。
〇 ひとり暮らしの高齢者の場合
ひとり暮らしをしていた老父が体調を崩して入院、
その後の検査の結果、長期入院から介護施設への転居を余儀なくされました。
このケースでは隣県で暮らしている息子さんが入院時の手配や施設への入所手続き、
市役所への各種の申請や届け出、郵便物の転送の手配などでかなりの時間を要しました。
その際に一番苦労したのは、
必要な資料の在り処を父親が全く覚えてなかったことだったそうです。
もともとが野放図な性格だったようで、日ごろ使っているメガネですら
今日は書斎に、昨日は寝床に置いておくなど適当過ぎる生活だったのです。
「後期高齢者の保険証は?」
「念のため通帳と印鑑は?」
「契約している通販のリストは?」
等など、尋ねるものすべてに
「どこそこに置いた」
「最近使ってないからな~?」といった
あやふやな回答しか返ってこず、
置いたと言っていた場所には何も無いことばかりだったそうです。
最後にはこの息子さんもキレてしまい、
「あれだけ重要な品だけでいいので保管場所を
メモしておいてくれといったのに、なんでやっていなかった!」
思わず父親を叱責したのです。
口では何年も前からもう着なくなった衣類や多すぎる食器類、
不要になった家具類の処分を今年こそやる、今月には手を付けると言いながら、
これも全くの手付かずだったのです。
最後の最後には父親も逆ギレ気味に
「もうすべてお前に任せる、あとは宜しく」と丸投げしてしまい
その言葉を受けて息子さんはその後父親に何の相談もせずに
不用品と判断したものを一気に処分し、書斎の中を総ざらいして
必要書類や資料を発掘したそうです。
双方こんな結果を期待したわけではないはずでしたが、
かなりの亀裂は生じたようです。
~せめて3年前から少しづつ片付けを始めてくれてたら、始めていれば~
お互いがそう思ったことは後になって息子さんから聞かされました。
人生の最終コースで親子間にわだかまりを残すことは双方にとって不幸でしかありません。
【終わりに】
如何だったでしょうか? どちらの場合も
その時になって反省や公開しても全く意味がありません。
仕事面では下手をすれば信用を失いますし、
管理能力、危機管理の面からも業務継続が難しくなるケースもあります。
私生活では家族への迷惑もそうですが、
ここに挙げた例のように入院や入所の際の手続きが
スムースに出来なくなることにも直結します。
さらには、相続の場合においては
当人は既に亡くなり関係は無くなりますが
遺された家族には負担を丸投げすることになります。
こう言っている私自身、
確定申告用の資料の保管はいつも年末の総ざらいで片付ける有様で
他人のことをとやかく言える立場ではありませんが…
日付の失念や記載漏れなども毎年何かしら発生しており、
その都度「毎月、必ず記録することを誓う」のですが、
結果としては毎年反省、毎年同じような決意表明をするばかりです。
今から起業する個人事業者の方、
既に開業し業務に就いている方、
毎日少しの注意で整理整頓は出来るものです。
今日からでも、整理整頓を習慣にすることを考えてみては如何でしょう?