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寺田淳プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

決断のタイミングの難しさ

寺田淳

寺田淳

テーマ:新橋事務所日記


【はじめに】

 ここが運命の分かれ道、とまではいかないまでも
公私にわたってここで選択をしなくては次へ進めない。
こういった場面に遭遇しない方はいないでしょう。

 おかしなもので、傍から見ればすぐ決断出来そうなことに
当の本人はなぜか決断が出来ないまま足踏み状態というのはよくあることですね。

 ですが、問題なのは「決断しない=選択をしない」という選択をすることです。

 今回はこの話題を採り上げてみたいと思います。

1)回転すしの場合

 最初はウォーミングアップを兼ねて軽い事例から紹介します。

 これは私の友人の実際の事例でした。
とにかく最初の一皿目は○○のネタが食べたい、今日はそう決めてきた!
と、他の皿には目もくれないでお目当ての皿が出てくるのをひたすら待つのです。
(ただ、この話はもう40年近く前の話で、今とは違って当時は
独自に好きなネタをオーダー出来るシステムではありませんでした。)

 ひたすら待った挙句、ようやくお目当てのネタが出たと思ったら
上流の客に全て刈り取られてしまった。

 次に、お目当ての皿がついに目の前まで届いたにもかかわらず、
一目見て「さっきの方が新鮮ぽかった。」と言ってスルーするのです。

 「次こそはいいネタが出てくる(はず?)」
 「今度は出てきたら必ず取る!」
と口には出すのですが、そういう時に限って「その次」が来ない。
ひたすら待ち続けたあげくに、他のメンバーはたらふく食べて満腹になり、
席待ちに並んでいる他のお客の為にさっさと退席しました。

 結果的に彼は
お目当ての鮨を食べることも、友人との会話を楽しむこともなく店を出たのです。

2)早期退職と割増退職金

 これは進路相談に来られた相談者の告白です。
あるIT系企業に勤める50代の方で経営不振の中、ついに退職勧奨が始まり、
通常の規定のほぼ2倍の割増退職金が提示され、どうするか迷っているという
相談でした。

 まだまだ若く大きな借金もない、人当たりもよさそうな人物でした。
いすれは自分でWeb関連のビジネスをしたいようなニュアンスもあったので、
転職、起業も有力な選択肢という話も伝えました。

 詳細は省きますが、数回の面談の結果、彼は残留を選択します。
その後数か月して組織再編を目指す会社の方針で彼は異動となり、
通勤時間が2,5倍の遠距離通勤を強いられることになったのです。

 いきなりの通勤地獄に加え、
新しい部署にもなじめかなったようで半年後には体調を崩し
結局通常の規定での「自己都合退職」で会社を去ったのです。
 
 後になって聞いた話では、最後の最後まで結論を出せず、
結局時間切れで募集が締め切られたというのが事実で、
自分で決断した結果ではなかったのでした。

3)経営者の健康問題

 私が休むと会社が回らなくなる、
といって日帰りの検査すらなかなか応じなかった経営者の事例です。

 右肩上がりの新興企業で、
常に陣頭指揮、率先垂範の「昭和のモーレツ型」の社長でした。

 長年の体調不良を自覚しながらも、
万一検査入院してそのまま長期入院となったら従業員に大迷惑をかけてしまう!
その場しのぎの投薬や一時的な休養を重ねてきた結果、病状が急変したのです。

 当然のことながら、長期の入院治療が必要となってしまい、
結果的には10か月の長期にわたって療養生活を送ることとなったのです。

 残念なことに、社長の予言通りに
会社は社長不在の中、機能不全に陥り一気に赤字に転落、
最終的には不本意なリストラを断行するまでに至ったのです。

 この方は、結果的に選択を間違えたことで
最大級の迷惑を従業員とその家族にかけることになったのです。

4)転職の案件で2件のオファーを受けた中間管理職

 40代半ばのバリバリの現役中堅管理職の方でした。

 特に今の会社は経営に問題はなく、居心地も悪くはなかったようです。
そんな中、軽い気持ちで受けた転職相談で、予想外の評価を受け、
2社からかなり強めのオファーを受けたのでした。

 全ての希望を満たす訳ではなかったのですが、
それぞれ役職、年収、業務内容等大いに関心を引く提示だったようです。

 少なくとも今の環境よりは良くなるのは明白で、
あとはどちらを選ぶか、自身の判断ひとつ迄となったものの、
結局ただ単に悩み、数か月も先送りを続けた結果、
先方から時間切れでのオファー打ち切りの連絡を貰う羽目になったのです。
それも2社同時に。

 さらに追い打ちをかけるように
残留することになった会社から望まない部署への異動を命じられたのです。

【終わりに】

 最初の回転すしの事例はともかくとして、
この様な場面に遭遇したこと、貴方はありませんか?

 仕事上で、プライベートで、多くの場合、悩みに悩み、
その結果として、現状維持、行動に出ない。
そして後悔の日々を送るというケース。

 けっこう多くの相談者から聞かされています。

 2)のケースはコロナ前からも多く相談を受けた話ですが、
厳しい言い方になりますが、自分に甘い方が多かったです。

 残留を決めた方の多くは「自分は会社にとって必要な存在」という
認識が強く、それを決断の決め手に(強引に)していたのです。

 ですが人事異動の時にその思いは打ち砕かれ、
あの時別の選択をしていればと、後悔の日々を送る…

 確かに当てもなく辞めることは絶対に避けるべきです。
今は目の前の多額の退職金があっても次の仕事の当てがなければ
あっという間に飛散してしまうのが退職金です。

 残留すれば日々の安定は確保出来ますが、
今の仕事や業務環境での安定は会社は保証していません。

 
 3)の健康問題は特にひとり起業やワンマン経営の方にありがちです。
身体が資本というのは特にひとり起業の場合は最優先の案件です。

 健康であっても定期的な健康診断を受けるくらいの構えでなければ
下手をすれば体調管理も出来ないのかといった負のイメージになり、
仕事上で取引先の信用を失うこととなり、自身の仕事の存続にも関わります。


 4)のケースは、まさに優柔不断の典型的な悪例でしょう。
誰を恨むことも出来ず、自分自身を責めるしかないのは特に辛いことです。
最初の事例の回転すしではないですが、「次のチャンスこそ逃さない!」
という方に限って、二度と同じ内容のオファーは来ないようです。
ただひたすら待ちぼうけを続けるだけでは何ら得るものはありませんね。
 

 私の相談者の中にも同様の悩みを口にする方が少なくありません。
ほぼ100%、私が一つの提案やアドバイスを口にすると
「それはわかっていますが…」
「確かにそうなんですが…」
「次回には行動を起こしたいと思っています。」
といった語尾を濁すケースに出くわします。

 かと言って、
自分の考えはこうだといった一つの柱を持っている訳でもなく
ただ悩んでいる自分を見て欲しい、理解して欲しいとしか見えない。

 決断の後押しをして欲しいのか、
 悩んでいる自分に共感して欲しいのか
 ただの愚痴を聞いてくれる相手でいればいいのか?

 よくわからなくなることが多々あります。

 こういう方の決めパターンとしては
相談の最後は「ありがとうございました、最後は自分で決めます!」
と言いますが、多くの結果はやはり現状維持というケースに落ち着くのです。

 公私にわたって
このような2者択一や3者択一と言った場面に遭遇することは
珍しくありません、ましてシニア世代になればより猶予時間は限られてきます。

 時間という期限が加われば、より決断と行動が重要になってきます。
「あの時無理にでも決断していたら」
「もう二度とあんないい話はこないでしょうねえ」
といった愚痴を言いに来るだけの相談者もいますが、
この様な場合にはこちらからかける言葉は何もありません。

 どんな決断でも下したのは貴方自身です。 
決断後に出来ることはその結果から招いた現実の中で
いかに最適な行動をするかだけです。

 どうか、皆さんはこんな弱音を吐かないよう、
決断と見極めを考えて欲しいものです。

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寺田淳
専門家

寺田淳(行政書士)

寺田淳行政書士事務所

 起業・独立や転職、再就職を考えるシニア世代に対して、現時点での再就職市場の動向や起業する際の最低限の心構えを始め、私自身が体験した早期退職から資格起業に至るまでの経験やノウハウを紹介します。

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