不動産投資のきっかけは、社会保障不安から
皆さんこんにちは。
和不動産の仲宗根です。
本日テーマは、【投資物件の耐用年数から考えるマンション経営】です。
マンション投資物件の耐用年数とローンの関係
マンション投資物件を運用するうえで発生する長期ローン。その長い返済期間中に、マンションが寿命を迎えてしまうことはないのでしょうか…。
そのような不安にお応えするために、マンション投資物件の耐用年数について考えながら、投資物件ならではの注意点も含めてご説明したいと思います。
マンションの耐用年数は47年!?
投資物件の運用を始める際、金融機関のローンを利用するのが通常です。昔のローン返済期間は、最長で30年でしたが、現在は金融機関がマンション経営を積極的に支援する傾向にあり、35年の長期ローンも可能になってきました。
これはオーナー様にとっては、有利な状況です。
同時に、オーナー様から次のような不安の声もお聞きします。
「長期の返済を抱えていたら、その間にマンションの寿命がくるのでは? 資産価値がなくなり、ローンだけが残ってしまうのでは」など。
マンシヨンの寿命、耐用年数についてですが、最近は、築年数の長い公団住宅と「無印良品」のコラボレーションに見られるように、建物のリノベーションが流行し、中古のマンション投資物件が注目されるようになりました。
「築30年」を超える中古のマンション投資物件の売れ行きが年々増加し、2012年には、成約件数の2割を超えたと報告されています。
ここで国税庁が定めた法定耐用年数について確認してみましょう。
法定耐用年数というのは、国がさまざまな物に対して耐用する年数を定めたもので、建物だけでなく自動車等にも設けられており、たとえば、普通自動車では4年となっています。
国税庁のホームページサイトから建物について見ていきましょう。
https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34354.php
「鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造」の項目を見ると、用途によって異なっているのがわかります。
・事務所用 50年
・住宅用 47年
・飲食店用延面積のうちに
・占める木造内装部分の面積が30%を超える物 34年
・その他の物 41年
・旅館用・ホテル用 31年
・延面積のうちに占める木造内装部分の面積が30%を超える物 31年
・その他の物 39年
・店舗用・病院用 39年
・車庫用 38年
・公衆浴場用 31年
・工場用・倉庫用(一般用) 38年
以上は一例ですが、これらを見るとマンション等の投資物件の住居用鉄筋コンクリート造の建物は47年が耐用年数であることがわかります。
鉄筋コンクリートの耐用年数は、60年〜100年!?
前述の国税庁が定めている法定耐用年数は、正式には、主な減価償却資産の耐用年数(建物・建物附属設備)と呼ばれ、事業を行う場合、建物や高額な設備等の購入費を、1度に経費計上しないで何年かに分けて減価償却を行う年数のことを指しています。
実のところ、建物の寿命というより、国が定めた経理上の価値を維持できる最低限度の目安と理解するのが良いでしょう。
なぜ、目安とすべきなのかというと「普通自動車では4年」と定められていても、たとえばベンツやBMWといった高級車を4年で廃車にすることは一般的でしょうか?
実際、個人差はありますが、定められた年数の3~4 倍、人によっては20年ほど乗る場合もあるでしょう。長く維持するために欠かせないのが車検でありメンテナンスです。
マンションも車と同じで、法定耐用年数よりも構造的な寿命は長いケースがほとんどです。
日本で最初にマンシヨンが建てられたのは、いつ頃でしょう?
日本の第一次マンションブームは、東京オリンピックがあった1964年前後だと言われています。
当時に建てられたマンシヨンは築50年を超えますが、今でも住居として活用されている建物は多数あります。
マンションの主要構造部である鉄筋コンクリートの耐用年数は、1990年代頃までは60年と言われていました。
しかし、2000年頃から「100年コンクリート」と呼ばれる強度の高いコンクリートが使用され始め、住宅資材のレベルアップや施工技術の進歩などが、住宅の寿命を伸ばしています。
メンテナンス次第でマンションの寿命はのびる
前述のようにマンションは47年以上、メンテナンス次第ではもっと寿命がのびると言えます。
しかし、車と同じで管理体制が大切で、保守管理をしっかりと行っているかどうかで物件そのものの寿命も価値も変わってきます。
日々の管理から定期的なメンテナンス、大がかりな修繕まで、管理プランを綿密に立てることをおすすめします。
水まわりの点検や修繕、外壁、共有部分など…各々何年に1度と周期を決めて、メンテナンスを施す必要があります。
良い状態で維持していけるかどうかは、日々の管理にかかっていると言っても過言ではありません。
ただし、投資物件において注意すべき点があります。
それは、販売会社が家賃を高く設定し、管理コストを低くすることで利回りを良く見せる場合があることです。相場より管理コストが低く設定されている物件には、飛びつかないように気をつけましょう。
新築時は、利回りが高いことでお買い得に感じられますが、長期的に考えると資金不足になり、メンテナンスができなくなる可能性があります。
そうなるとマンション投資物件は劣化してしまい、価値も家賃も下がってしまいます。マンション投資物件の経営は、目先のお買い得感ではなく、先々のことを考え長期的なプランをたてることが重要です。
今回のコラムは、ここまでです。最後までお付き合い頂きましてありがとうございます。次回のコラムもお楽しみに!
和不動産 仲宗根和徳