不動産投資のきっかけは、社会保障不安から
本日テーマは、【マンション経営で売却益に目を向ける理由とは?】です。
マンション経営には、売却益というメリットもある!
マンション投資のメリットは、家賃収入が入るというシンプルな収益だけではありません。
マンション経営で大切なのは、最終的な運用実績だということをご存知ない方は多いと考えられます。運用実績は売却時に決まると言われていて、マンション経営には売却益というメリットもあるのです。
では運用実績とは、いったいどういう計算で生まれるか、また売却益を増やす方法について解説しましょう。
キャッシュフローと売却益の関係は?
マンション経営で大切なのは、キャッシュフローだと思われています。確かに毎月のキャッシュフローは大切です。
しかしながら、マンション経営で最終的な運用実績は、キャッシュフローだけではなく売却時に確定するのです。
キャッシュフロー+内部収益=運用実績という計算になります。
キャッシュフローは資金の流れで、簿記上では
売上-経費+(非現金支出-非現金収入)=キャッシュフロー
と計算されます。
どんなに黒字経営をしていてもキャッシュフローがマイナスであれば、最終的には資金が底をついて黒字倒産となってしまいます。
また、キャッシュフローがプラスであれば帳簿上では赤字経営であっても経営が可能なのだという考え方があるようですが、果たしてそうでしょうか?
いくら毎月のキャッシュフローがプラスでも、内部収益を差し引いてマイナスならば、その投資は失敗であると言えます。
そもそも内部収益とは、ローンの残債から売却価格を差し引いたものです。
売却価格−ローン残債=減った元金×売却価格の変動率
という計算になります。
では、最終的に運用実績を最大に増やすには、どうすればいいのでしょうか?
それは、残債を少しでも早く減らすことです。
売却益をアップさせる方法
運用実績を増やし、残債を少しでも早く減らすには、どうすべきか?
順を追って確認していきましょう。
まず、マンション経営では毎月のキャッシュフローだけでなく、物件購入から売却までの一連の流れをよく考えプランニングすることが大切です。
マンションをいつか売却することを想定し、その時の売却益に有利になるような計画を立てます。
マンション投資を始めるには、一般的に投資用ローンを活用して物件を購入します。
毎月の賃料収入をローンの返済に充てて、ローンの残債が減っていくような投資になります。
ローンの残債は金利によって減り方は変化しますが、1億円のローンを金利1.6%で借りた場合、10年後2000万円ほどの残債が減ります。
マンションを売却すれば、収益としてお金が入ります。ただ残債が残っている場合、残債よりも高い値段で売却できなければ家賃収入も売却益も得られないまま終わってしまいますので注意が必要です。
一般的な元利均等返済の場合、残債(元金)は減っていきます。
返済開始当初は、利息と残債の割合は、だいたい5対5となりますが、返済していくうちに、返済額に含まれる元金の割合が増えていきます。
以上のような仕組みとなっているので、借入期間をどれくらいにするかについて検討してから融資を受ける必要があります。
借入期間は、短いほどキャッシュフローは、悪くなりますが、内部収益は高くなります。期間が短いと完済までが早くなり、完済後のキャッシュフローがよくなります。
したがって、初期段階のキャッシュフローだけではなく、トータルに判断することが運用実績を増やすことにつながるわけです。
借入期間は長過ぎず、できるだけ短くすることをおすすめします。
借入の途中で、まとまった金額を返済することで、借入年数を減らすことも可能です。
中古の収益物件は、賃料収入によってどのくらいの収益性を行えるかで融資評価が変化します。
つまりマンションの家賃で不動産会社の買取査定額も変化します。
都心の人気エリアで、相場賃料よりも低い物件を購入し賃料を上昇することは、マンションの売却を考える
マンション経営において、売却のタイミングに注意点とは
マンション経営では、借入期間を長くし過ぎず、トータルなプランを検討する事が大切です。
一方、マンションを購入後、すぐに売却してしまうことはNGです。
それは、前述したように、残債が残っているのに、残債よりも高い値段で売却できなければ、家賃の収益も売却益もなくってしまうことが大きな理由ですが、それだけではありません。
この税率が問題となります。なぜなら、所有期間が5年を超えると約20%(所得税15%+住民税5%)ですが、所有期間が5年以下の場合は、約39%(所得税30%+住民税9%)と割高だからです(2015年12月時点)。
これは、バブル期に行われていたような、買ってすぐに売る投機的な売買を抑制する意味を込めた措置だと言えます。
さらに、不動産を売却したときの税金は売却益に対してかかるわけではないということも確認しておく必要があります。マンションを購入価格プラス諸経費よりも高い値段で売った場合、その収益に対して所得税と住民税の税金がかかります。
課税となる所得は、譲渡価格から取得費と譲渡費用を差し引いたものになります。その中で取得費は単純に購入した価格ではありません。
不動産は購入から時間が経ってから売却するため、その分資産価値が下がります。
その分も考慮して売却を行う必要があり、それを減価償却と言います。減価償却により購入時から時間が経つほど取得が小さくなるのです。マンションは土地と建物に区別され、減価償却は建物部分のみ経費として計上できます。
そのため、世間のニュースなどに流されて、購入後すぐに売却するバブル期の投機的な運用は減価償却を有効活用し節税を行う事が出来なくなってしまいます。
以上のような理由から、たとえ、「今なら購入したマンションが購入価格よりも高く売れる」というニュースが耳に入り、不動産業者に甘い話と共に、売ることをすすめられるようなことがあっても留まってください。
不動産物件を所有していると、色々な声がかかり情報も錯綜します。しかし、おいしい話には簡単に乗らず、冷静な態度で見極めていかなければいけません。
マンション経営は、多方向から総合的に考えることが成功の秘訣です。衝動的な判断はしないよう気をつけてください。
知識とコツを身に着け利益を最大化できるようなマンション経営を行いましょう。
今回のコラムは、ここまでです。最後までお付き合い頂きましてありがとうございます。次回のコラムもお楽しみに!
和不動産 仲宗根和徳