バイク乗りは老化防止になる?社労士が考える“働き続ける力”の作り方

桐生英美

桐生英美

テーマ:労務管理

GW真っ最中ですね。

もう10年以上前だったと思います。

どこで読んだのか、細かいところまでは覚えていないのですが、
「バイクに乗ることは、脳に良い刺激になる」
という記事を見た記憶があります。

たしか、ヤマハ発動機と大学との共同研究だったような気がします。

当時、私はその記事を読んで、妙に納得しました。

というのも、バイクに乗ると、本当にいろいろな感覚を使うからです。

風の強さ。
路面の荒れ具合。
前の車の微妙な動き。
交差点の雰囲気。
空気の冷たさや湿り気。

車の運転とも違って、バイクは身体が外に出ています。
良くも悪くも、周囲の環境を全身で受け止める感じがあります。

もちろん、ただ気持ちよく走っているだけではありません。

前の車は急に止まらないか。
横道から車が出てこないか。
路面は濡れていないか。
風は強くないか。
自分の疲れは出ていないか。

走りながら、そんなことを自然に考えています。

そう考えると、バイクは単なる移動手段ではないのかもしれません。
私にとっては、感覚と判断力を自然に使う時間でもあります。

あらためて調べてみると、私が昔読んだ記憶に近い研究がありました。

ヤマハ発動機と東北大学加齢医学研究所の川島隆太先生らが、二輪車乗車と脳の活性化に関する研究を行っていたようです。

その後の研究でも、バイク乗車が認知機能や注意力に関係する可能性が示されています。
たとえば、しばらくバイクに乗っていなかった人が、一定期間バイクに乗ることで、視空間認知に変化が見られたという研究もあります。

もちろん、これだけで
「バイクに乗れば老化防止になる」
とまでは言えません。

医学的な効果として断定するには、研究対象や条件なども確認が必要です。

ただ、バイクに乗ることが、脳や心身に何らかの刺激を与えている可能性はありそうです。

私は、この点にとても納得しています。

年齢を重ねると、放っておけば行動範囲はだんだん狭くなります。

仕事場と自宅の往復。
いつもの道。
いつもの予定。
いつもの人。
いつもの考え方。

それはそれで楽です。
安心感もあります。

でも、刺激は少なくなります。

知らない道を走る。
初めての場所に行く。
天気を読む。
途中で予定を変える。
少し緊張しながら遠くへ行く。

こうした時間は、心にも身体にも刺激を与えてくれます。

私自身、バイクに乗ることで、仕事とは違う頭の使い方をしているように感じます。

仕事では、どうしても考えることが偏ります。

労務の相談。
給与計算。
就業規則。
助成金。
労基署対応。
人の問題。

もちろん、どれも大切な仕事です。

ただ、仕事のことだけを考えていると、頭も気持ちも固まりやすくなります。

そんなとき、バイクに乗ると、少し違う感覚になります。

目の前の道に集中する。
風を感じる。
景色を見る。
安全に走ることだけを考える。

その時間は、仕事から逃げているというより、
一度頭を切り替えている感覚に近いです。

社労士として、健康経営やメンタルヘルスの話をすることがあります。

健康経営というと、健診や数値の話になりがちです。
もちろん、それも大切です。

でも実際には、
「外に出ようと思えること」
「新しい景色を見て、少し気持ちが動くこと」
「自分の身体の状態を気にすること」
こういうことも、働き続ける力に関係しているのではないかと思います。

中小企業の経営者や管理職の方とお話ししていると、年齢を重ねるほど、仕事上の責任は重くなっていきます。

判断することが増える。
人の問題に向き合う。
お金のことを考える。
将来の不安もある。
自分の健康も気になる。

だからこそ、仕事だけで頭を使うのではなく、
仕事以外の場面で、心身に良い刺激を入れることも大切ではないでしょうか。

それは、バイクでなくてもよいと思います。

散歩でも、旅行でも、美術館巡りでも、何でもいい。
大切なのは、仕事以外の場所で、自分の感覚を動かす時間を持つことです。

ただ、私にとっては、それがバイクでした。

バイクに乗ると、自然と体調を意識します。

今日は疲れていないか。
無理な距離ではないか。
天気は大丈夫か。
装備は問題ないか。
集中力は保てそうか。

若い頃のように、勢いだけで走るわけにはいきません。

年齢を重ねたからこそ、
安全に、
丁寧に、
無理をせず、
長く楽しむ。

これも、一つの大人の健康管理なのかもしれません。

ですから、
「バイク乗りは老化防止になる」
と断定するつもりはありません。

でも、バイクに乗ることで、五感を使い、判断力を使い、外の世界とつながり続ける。
その意味では、年齢を重ねる人にとって、心身に良い刺激を与える習慣の一つにはなり得るのではないかと思います。

仕事を続ける力は、机に向かっている時間だけで作られるものではない気がします。

外に出る。
風を感じる。
いつもと違う道を走る。

そういう時間があるから、また仕事に戻れる。
私にとって、バイクはそんな存在です。

もちろん、バイクは安全が大前提です。

体調が悪い日は乗らない。
無理な距離を走らない。
装備を整える。
危険な走り方をしない。
年齢や体力に合わせて楽しむ。

安全に楽しめてこそ、長く続けられる趣味になります。

バイクは、単なる趣味かもしれません。

でも私にとっては、心身を整える時間であり、働き続けるための大切な習慣でもあります。

無理をせず、
安全に、
長く楽しむ。

これからも、そんなバイクとの付き合い方をしていきたいと思います。

皆さんにとっての、
「働き続ける力を支える習慣」
は何でしょうか。

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桐生英美
専門家

桐生英美(社会保険労務士)

日本経営サポート株式会社

民間企業での人事経験25年、社労士登録30年。労基署対応、労務トラブル対応など、現場実務を中心に支援してきました。経営と法令のバランスを考え、実務としてどう整えるかを経営者と伴走する社労士です。

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