【人事トラブル】辞めてもらいたい社員がいるときの対応
同一労働同一賃金について、今週13日と15日に最高裁判決がでました。
13日、非正規労働者の退職金とボーナス(賞与)の待遇差を容認
15日、契約社員の年末年始勤務手当や扶養手当などの待遇差は不合理
詳細については、別の機会にお伝えして、基本的な考え方をお伝えします。
「同一労働同一賃金」というので、一般の知識が少ない方から、とても誤解が多いのも事実です。
簡単には「同じ仕事」なら「同じ待遇(賃金)」をというのが基本的な考え方ですが、一見「同じ仕事」のように見えても、細かく見ると違いがある場合には、「同じ仕事ではない」という判断になります。
社員さん側からの電話で相談を受けることもあるのです。
たいていの方は、正社員と同じ仕事をしていると、おっしゃるのですが、すでにお伝えしたように、本人は同じといっていても、実は違う仕事だったりすることがあります。
同じ仕事かどうかは、3つの要素で判断します。
判断します と書きましたが、だれが判断するのか、基本的には会社と社員が話し合って決めるのですが、最終的に解決しない場合には、裁判で決着をつけます。今週の判決はその最終決定となっています。
3つの要素というのは、つぎの3つです。
①職務内容
②職務内容・配置の変更範囲
③その他の事情
この3つのうち、①②が同じであれば、同じ待遇にしなさい。(均等待遇)
そして、①②③を検討して、不合理な待遇差がないようにしなさい。
このように、法律は規定しています。
以上の基本を押さえたうえで、
先日の判決の見てみます。
賞与について、待遇差があってもいい、と裁判所が判断したのは、上の①②③を検討したものと考えると、すっきりします。
つまり、正社員とアルバイトの仕事には、一定の差がある、だから賞与・退職金には差があっても問題がない、ということです。
ところが、扶養手当等の判決では、不合理と出ました。
それは、上の①②を検討して、正社員と契約社員の仕事は一緒である、と判断したと考えています。
詳細については、判決内容を熟読して、お伝えしたいと思います。
今回の報道などで、感じることは、これらの報道をもって、契約社員には「賞与を支払わなくてもいい」とか「〇〇手当を支給しなければならない(もらう権利がある・・)」などというように考えてはいけない、ということです。
裁判での判決というのは、その会社(事件)での、裁判所の決定であり、すぐに皆さんの会社に当てはまるかというと、そうではない、ということです。
しかし、最高裁の判決というのは、一審(地方裁判所)や二審(高等裁判所)の判決にさいして大きな判断材料となります。似たようなケースがあれば、最高裁の判断と似た判決を取ります。
なので、実際には、裁判になってみないと、わからない、ということなのです。
同一労働同一賃金は、2020年4月から法規制され、21年4月からは中小企業にも適用になります。今から準備を行って、トラブルが発生しないよう、取り組む必要があると考えています。
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