プレゼンにラポール(架け橋)をかけて、観客と一体感を持とう♪
僕がどうしても太陽について語りたい原体験とは?
先週、御自身の課題に関して二つの理由を明確に挙げてくださいました。
今週は、その理由を裏付ける具体的エピソードを最低1つ、できれば2つ英語で紹介することが宿題です。
先週のクラスでは、課題への二つの理由を英語でシェアリングした後、それに至った具体的体験やエピソードを日本語でシェアしたので、各自概ね把握していると思います。
先週のクラスから、わかり安い事例を挙げましょう。
水曜クラスのA君(小4)は、とにかく太陽について語りたいそうです。
理由の一つは、太陽が地球に比べていかに大きいかを皆に伝えたい。
二つ目は、太陽の大きさをどのように計測したかをリサーチして皆とシェアしたい。
と述べてくれました。
一体なぜ、A君がここまで太陽にこだわるのか、以下のエピソードで皆、納得できました。
「幼稚園の頃、僕は、太陽と地球は同じぐらいの大きさだと思い込んでいた。しかし、小2の時、たまたま図書館の図鑑で、太陽と地球をイラスト化した図を見て、太陽が地球よりとてつもなく大きいのを初めて知って衝撃を受けた。」
これが、A君が太陽について強い関心を抱いた原体験だったわけです。
実は、哲学で「体験価値」と呼ばれるものがあり、一瞬であるかもしれないけれど、人生における、感動や驚き、喜びを指し、私の尊敬するヴィクトール・フランクルというドイツの哲学者(戦時中ナチによる収容所から生還したユダヤ人哲学者で、その体験を描いた「夜と霧」は永遠のベストセラーと呼ばれています。)は、人間はその一瞬の感動だけでも生きる価値がある、と述べています。
A君の図鑑での衝撃は、まさにその「体験価値」に相当するものでしょう。
もう一つA君が具体的エピソードを加えるとしたら、実際の生活での太陽と自分とのかかわり、例えば、太陽あっての日々の有難さだったり、太陽と関連する具体的体験をふりかえってみることでしょう。
他に事例を挙げると、やはり水曜クラスのS君(小4)は、「成瀬は天下を取りに行く」という本についてプレゼンしたい理由を詳しく2点挙げてくれて、英語で10文以上に達しましたので、評価Aとなりました。
たとえば、失敗を恐れないで何でも挑戦する主人公、成瀬の性格に魅せられたという第一理由に関し、成瀬が「元旦に丸刈りにして、1年後、髪がどれぐらい伸びたか実験をした。」というストーリー上の特異な事例を挙げてくれました。
よって、次回の課題としての具体的エピソードは、S君自身が「成瀬~を、読んで自身の内面や日々の行動にどんな変化が起きたか。」
ということになります。
「読書」というと受け身に聞こえますが、極めて能動的な知的体験です。
私も、件のフランクルの著書で人生観が劇的に変化しました。
具体的エピソードとは、何等かの具体的体験を通して、自身の内面に起きた変化や感動です。つまり、ネットでリサーチすれば出て来る知識でなく、自分にしかない唯一無二の体験と心の動きです。
これがないと、impressive(心に残る)プレゼンを作るための、重要な要素、originality(独創性)とspecificity(具体性)に欠けてしまいます。
長くなりましたが、これまで私は何百人とプレゼン指導をしてきましたが、「こんなちっぽけな体験」
と本人が思い込んでいる事が、クラスでシェアをしてみると、他の人にとっては、「非常に興味深いお宝トピックだった!」ということが多々ありました。
とにかく自分の内にあるものを、発信、シェアしてみることですね。
次回エピソード、できる範囲で良いので、英文にしてきてください。
楽しみにしています。
Global kids英語会代表
トランジッション・クラス担当
豊田朋子