ステップファミリーが抱える悩み/思春期の子どもの気持ち
「夏休みが憂うつです。」
これは毎年、この時期になると継親の方から寄せられるご相談の一つです。
「子どもがずっと家にいるので気を遣います。」
「夫(妻)と子どもだけが盛り上がっていて、自分だけが蚊帳の外に感じます。」
「家族旅行なのに、私は付き添いのような気持ちになります。」
夏休みは家族で過ごす時間が増える季節です。
でも、ステップファミリーでは、その時間が増えるほど、継親が孤立感を抱きやすくなることがあります。
もしあなたがそんな気持ちになっているなら、それは決しておかしなことではありません。
「家族なのに家族じゃない」と感じる瞬間
ステップファミリーでは、実親と子どもの間には、それまで積み重ねてきた長い歴史があります。
小さい頃の思い出。
家族だけが分かる話。
何気ない合図や空気感。
そこへ継親が加わると、「知らない話ばかり」「自分だけ分からない」と感じることがあります。
旅行中も、
「昔ここに来たよね。」
そんな会話が始まると、自分だけ取り残されたような気持ちになることもあるでしょう。
でも、それはあなたが家族ではないからではありません。
家族になる途中だからこそ感じる自然な感情なのです。
「仲良くしなければ」と頑張りすぎない
継親の多くは、とても頑張っています。
子どもに嫌われたくない。
楽しい思い出を作ってあげたい。
本当の親のようになりたい。
その気持ちは、とても素敵です。
でも、頑張りすぎるほど疲れてしまいます。
子どもも、「仲良くしなければ」という空気を感じ取ります。
大切なのは、「親らしく振る舞うこと」ではありません。
自然体でいられる時間を少しずつ増やしていくことです。
一人になる時間を作ることは悪いことではない
夏休みは四六時中一緒にいるからこそ、疲れます。
継親だからではありません。
実親だって疲れるのです。
だから、
「少し散歩に行ってきます。」
「カフェで本を読んできます。」
そんな時間を持つことは、決してわがままではありません。
自分の心に余裕があるからこそ、家族にも優しくなれます。
実親に伝えてほしいこと
実親の皆さんに、ぜひお願いしたいことがあります。
それは、継親が孤立していないか気にかけてほしいということです。
子どもとの時間ももちろん大切です。
でも、その隣には、新しい家族として歩もうと努力しているパートナーがいます。
「今日はありがとう。」
「助かったよ。」
「疲れてない?」
そんな一言があるだけで、継親は「この家族の一員なんだ」と感じることができます。
子どもにも「自分のペース」がある
継親が「もっと仲良くなりたい」と思っていても、子どもには子どものペースがあります。
急に「お父さん」「お母さん」と呼べるようになるわけではありません。
手をつなぐことも、旅行で笑顔になることも、その子のタイミングがあります。
焦らなくて大丈夫です。
「今日は少し話せた。」
「一緒にアイスを食べられた。」
そんな小さな出来事を大切にしてください。
家族は、小さな積み重ねでできていきます。
継親だからこそ、できることがある
継親は、「本当の親」になろうとしなくていいのです。
子どもにとって、
安心して話を聞いてくれる人。
困った時に味方になってくれる人。
一緒に笑ってくれる人。
そんな存在も、子どもの成長には欠かせません。
「親」であることだけが、家族の役割ではありません。
最後に
私はこれまで20年以上、ステップファミリーのご相談をお受けしてきました。
その中で、多くの継親の方が「私さえ我慢すればいい」と、自分の気持ちを後回しにしている姿を見てきました。
でも、家族とは、誰か一人が我慢して成り立つものではありません。
子どもの安心も大切。
実親の気持ちも大切。
そして、継親の心も同じように大切です。
この夏、もし少し孤独を感じたら、「私は家族になれていない」と責めないでください。
家族は、一緒に過ごした時間の長さではなく、お互いを思いやる時間の積み重ねで育っていきます。
焦らなくても大丈夫。
今年の夏も、一歩ずつ、一日ずつ。
あなたの居場所は、ゆっくりと家族の中に育っていきます。


