マンションブランドは管理組合(住民)が育てるものだ
こんにちは、マンション管理士の深山です。
マンション管理における委託内容見直し(特に管理費削減)コンサルティングを行っていると、
膨大な数の「見積り」をチェックする機会があります。
競争見積りで管理会社や専門会社から提出される見積書です。
事務管理から管理員派遣、エレベーター保守、機械式駐車場設備点検、定期清掃、雑排水管清掃業務、
自家用電気工作物点検、植栽保守、その他、、、
ところでこの見積書、各社によって積算の仕方が異なります。
例えば消防設備点検。
A社は、建物に設置された設備(機器)の数に単価(係数)を掛けて積算します。
『煙感知器が30個×〇〇〇円、消火器15本×〇〇〇円、、、』
とこんな感じで、すべての設備数量に各社ごとの単価を掛け合わせ見積りが完成します。
B社は、建物の概要(大体のボリューム)を把握した上で、
一回の点検にかかる人工(にんくと読みます。人数のことです。)に、
作業時間、そして一日当たりの給料単価を掛け合わせて積算します。
『4人工で半日作業、1人工あたり〇万〇千円だから、、、』
といったイメージです。
まぁ、中には『一式でドーン、どうやっ!』と言うところもありますが、、、
設備数量計算と人工計算、どちらの見積り方法が良い、と言うことはありませんが、
今まで私が見てきた感想としては、
1) 設備数量計算(積み上げ)で行くと、見積り額が大きく跳ね上がってしまうため、
見積りの一番下に『出精値引き』を入れて帳尻を合わせていることが多いです。
そのためお客様からすると、見積根拠に「?」がついてしまいます。
しかし作業(設備)内容やボリュームを確実に把握しての見積りであるため、
契約後の相違(見積額の変動)が少なく安心感はあります。
2) 一方で、人工計算でいくと、お客さまにとっては「現実的でとてもわかりやすい見積り」となります。
しかし、人工計算を採用する会社はマンションを「ざっと眺めてサッと」見積ることが多いため、
見積金額の高い安いを問わず、「想定外の業務で思いのほか人手間のかかるものがないか」を
担当者に再確認させることが必要になってきます。
(契約後に「スミマセン、〇〇設備があるのを見落としてしまって、、、金額上げてください」と言われても困ります。)
管理組合の側に立ちコンサルする立場としては、見積金額の精査はとても重要となってきます。
コンサル側に業界知識と相場イメージがないと、単なる盲判(めくらばん)押しの上司みたいに
なってしまいます。
ただ安い会社を管理組合へ推薦するのは簡単ですが、、、あとが怖い!
マンション管理コンサルタント メルすみごこち事務所