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深山州

快適な住み心地と資産価値を守るマンション管理士

深山州(みやましゅう) / マンション管理士

株式会社メルすみごこち事務所/株式会社クローバーコミュニティ

コラム

「○○」の改善ができていないマンション管理組合は「働き世代拒否」と同じ

2017年2月16日 公開 / 2019年7月27日更新

テーマ:マンション管理 全般

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: マンション管理

総会議案書でわかる、高速インターネット一括加入

クローバーコミュニティ(私が共同代表を務めるマンション管理会社)で、お陰様でここのところ管理会社の変更手続きや相談が増え始めています。



管理会社の変更を検討していただく際に、管理会社としての見積をお出しするために、現在のマンション管理組合の運営に関する資料をお借りします。

その中に「総会議案書」があります。総会議案書の中には、企業と同じように決算(収支)報告があります。

収支報告書のなかの支出項目を見ると、あるある!!!

そうです。支出項目に「インターネットサービス保守料」があると、マンションに高速インターネットサービスが全戸一括で入っていることがわかります。

インターネットはテレビよりインフラとしての重要度が高い時代

2000年頃から、インターネット事業者が高速インターネットサービスをはじめ、2010年位築の新築マンションから、高速インターネットサービスの「全戸一括標準装備」を謳うマンションが出始めたように記憶しています。

高速インターネットサービスは、共用部分まで高速インターネットの配線がされており、個別の区分所有者や賃借人が申し込めば、自宅まで配線することで高速インターネットが利用できる仕組みです。

40代より下の世代にとって、いまやインターネットはテレビよりも生活インフラとしての地位を獲得していると思います。テレビの前にいるようりもパソコンやスマホを見ている時間のほうが長いです。
私もほとんどテレビを見ず、インターネットを通じてYouTubeで必要な番組だけを見るようにしています。

高速インターネットは、マンションの資産価値の一部を構成していると言っても過言ではありません。
もちろん、マンション共用部にインターネット設備が入っていなくても、個別に契約することはできますし、スマホ世代にとっては関係のない話かもしれません。

スケールメリットを活かした安い月額料金

マンションに入っている高速インターネットの全戸一括サービスの良さは、その料金。
総会議案書の支出項目にある「インターネット保守料」を12(ヶ月)で割って、さらに総戸数で割ってみてください。世帯当たり月額1,000円代のところが多く、大規模なマンションでは1,000円を割るところも珍しくありません。

高速インターネット保守料は管理費に含まれて(または管理費と一緒に)口座振替で自動的に引き落とされますので、区分所有者からすれば、実際にそのネット回線を使っているかどうかに関わらず支払っていることになります。

高速インターネット回線を使っている居住者からすれば、個別にネット業者に申し込むと月額3~4,000円代かかるところが、75%引きになるわけです。これは安いですよね。一戸建てと異なるマンションのスケールメリットは、こういうところにも表れます。

高速が低速インターネット回線になっていませんか?

しかし!せっかく安いインターネットも、「通信スピード」が遅くては意味がありません。
特に、「かなり前」に全戸インターネット環境付きで新築分譲されたマンション管理組合や、総会の決議で後からインターネット環境が導入されたマンションでは、多くの利用者が「遅い」と不満に感じている可能性が高いです。

「かなり前」とは、インターネットで「動画」を見たり「ゲーム」をするのが当たり前になる前、ということです。
動画やゲームは、通信するのにかなりの容量を使います。

特に家庭でのインターネット利用が集中する夜の時間に動画やゲーム・大量のデータ通信をしようとすると、かなり遅く感じたり、パソコンの前で待たされたりと、イライラする家庭が多いマンションでは、インターネット環境が「かなり前」の状態のままであることがほとんどです。

「かなり前」にインターネット環境が用意されたマンションは、設備そのものが古く、当時は最先端のスペックだったものが、現在では確実に陳腐化しています。パソコンや携帯電話と同じで、インターネット環境は日進月歩で向上しています。それに既存の設備が追いついていないのです。

私がマンション管理業界を志した15年前に「マンション共用部まで100Mbpsのネット環境は凄い」と言っていたのが、今では「遅い」というレッテルを貼られる時代です。いまは1Gbps(10倍)が普通になっている時代です。家電製品と同じで、性能の良いものがどんどん安く買えるのです。

インターネット環境の改善で資産価値を守ろう


冒頭のように、管理会社変更の見積を出す時に、インターネットがサービスが全戸一括で用意されているかどうかは「総会議案書」からわかります。

管理組合としてインターネット保守料を支払っている場合、お客様にインターネット環境に付いてヒアリングし「遅い」という反応が多い場合は、現在の業者との交渉により設備更新をお願いしたり、業者そのものの変更を提案することが多いです。

一般的に管理会社の担当者はインターネットに疎いか、お客様から言われるまでなにもしない、なんてところも多いので、ネット利用者であるマンション住民が理事会を通じて主体的に動く必要があります。

皆さんのマンションでもインターネット環境の見直しをしてみては如何でしょうか?
低速を高速に変えましょう。もちろんお手伝いします!

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