ソフトな『コリほぐし』が コリを溶かす秘密!
肩まわりの筋肉をほぐせば肩こりが緩和されることはよく知られ、コラムでもストレッチ方法などを紹介しましたが、最近は、筋膜をほぐす「筋膜リリース」も注目されています。
ここでは、「筋膜」とは何か?
「筋膜リリース」とは何か?を説明しながら、「筋膜リリース」の方法をご紹介します。
☆肩こりに関係する「筋膜」とは
鶏のモモ肉から皮をはがすときに肉と皮の間に薄い膜を確認できますが、それが「筋膜」です。
皮膚と筋肉の間にあって筋肉全体を覆っています。
体全体を包んで、頭のてっぺんから足の先までつながっているので、どこかに不具合が起こると体全体のバランスに影響します。
筋膜の役目は、筋肉を外側から保護することと、筋肉の滑らかな動きを助けることです。
筋膜は皮膚と筋肉の間で、筋肉のまとまりを大きく覆っていますが、筋肉自体は複雑な層になっているので、細かな筋肉組織の側にも筋膜があります。
また、血管や神経、リンパ管も支えているので、肩こりの原因に深い関わりがあるといえます。
「膜」といっても、筋肉の動きに自在に対応できるよう網状になっています。
同じ姿勢をとり続けたり、無理な動きをし続けたりすると、筋膜によじれが出て、本来滑らかにスルスルと動くものが、筋膜の素材であるコラーゲン繊維がネバついてほどけなくなります。
筋膜は全身つながっているので、ある箇所で筋膜のよじれが生じると離れたところにある筋膜にも影響が出てしまうので、肩こりのトリガーポイントになっている場合もあります。
さらに、よじれた部分の血流やリンパの流れが悪くなったり、神経が圧迫されて痛みを感じたりするので、ひどい肩こりは肩まわりの筋膜のよじれと考えることもできます。
☆肩こりを解消する「筋膜リリース」とは
よじれた筋膜は、「筋膜リリース」によって改善を目指すことができます。
筋膜は網状なので、よじれて固まってしまった部分は一方向に引っ張っても、簡単にはほぐれません。
筋肉をほぐすストレッチをしても、筋膜までほぐすことができないのです。
そこで筋膜をほぐす方法として、さまざまな方向に伸ばしていく「筋膜リリース」が必要です。
肩こりを感じて筋肉をほぐすときは、肩まわりをほぐすストレッチが有効ですが、筋膜は全身つながっているので、筋膜リリースは首すじや腕、脇の下など肩から少し離れたところから行います。
筋肉ストレッチが一方向なのに対して、縦、横、斜めの方向に、最大90秒かけてゆっくり伸ばします。
筋膜リリースをすれば、筋膜のよじれで圧迫された神経が解放されて痛みが和らいだり、血流が良くなってこりがほぐれたりします。
筋肉の動きも良くなるので、体を動かしやすくなり、肩こりしにくい体になります。
ただし、悪性腫瘍やガンがある場合、皮膚に傷がある場合、全体もしくは部分的に感染症になっている場合は、筋膜リリースがマイナスの作用をするので、中止する必要があります。
悪性腫瘍やガンの場合は、筋膜がガン細胞を囲み込んで転移を防いでいるのでよじれを解放する訳にはいきません。
皮膚に傷がある場合も、筋膜が傷口の修復をしているので伸ばしたりはできません。
感染症の場合は、体の健康な部分への感染の広がりを食い止めているので余計なことはしない方がいいのです。
筋膜は、このように体の大切な機能を担っています。
筋膜リリースで筋膜の健康を取り戻したり、維持したりすることで肩こりを改善したり、肩こりになりにくい体づくりをしましょう。
☆「筋膜リリース」の方法について
筋膜リリースには、体全体の筋膜をリリースするやり方と、こりや痛みを感じている部分の筋膜をリリースする方法があります。
体全体の筋膜リリースは、体のバランスを整えて姿勢を正しくしたり、体を動かしやすくしたりします。
こりや痛みのポイントにアプローチする前に全身を整えておくと、ある程度ゆるんだ状態になって、よじれた部分の筋膜リリースがスムーズにできます。
また、筋肉ストレッチのように体を動かす筋膜リリースのほかに、皮膚を手で押さえるなどして筋膜を伸ばす方法もあります。
筋膜と皮膚が癒着して動きが悪くなっている場合に有効な方法です。
☆体全体の筋膜リリース方法
【体を大きく動かす】
ダイニングテーブルなど、腰の高さまである台を前にして立ち、左手を台の上に置きます。
右足を一歩前に出して軽く曲げ、左足はひざをまっすぐ伸ばします。左足を後ろに伸ばすように意識しながら、右手を真上に伸ばして20~30秒ほどキープします。
次に、右手を右斜め後方に伸ばし、上半身だけ右方向に右手の指先を見ながらひねって20~30秒キープ。
左ひじを曲げてさらに上半身をひねって前腕を台につけ、そのまま20~30秒キープします。
ここまでの動作を左右逆にして同じように行い、1セットとします。
【左の右足を交差させる】
ダイニングテーブルなど、腰の高さまである台の横に立ちます。
右手を台の上に置き、左手を真上にまっすぐ上げ、手のひらは前に向けます。
左足を右足と交差させるように前に出します。上げた左手を台側に倒していき、左側面がほどよく伸びたところで20~30秒キープします。
これを左右逆パターンも同じように行います。
前に出した足が床から浮いたり、交差した足が離れたりしないようにしましょう。
☆部分的の筋膜リリース方法
【肩甲骨を動かす】
椅子に座り、両腕を体の前に伸ばし肩の高さに上げます。
左右の肩甲骨の間を広げるように両肩を前に寄せ、20~30秒キープします。
両腕の高さのままに両肘を曲げながら後ろに引きます。
左右の肩甲骨を引き寄せるようにして20~30秒キープ。
肘を肩のラインまで戻して腕を床と並行にした状態で90度に曲げて肘から手先までを起こします。
手のひらを前に向けて、少し後ろにそらせた状態で20~30秒キープします。
【首・腕を伸ばす】
椅子に座り、右腕を脇から45度ほど開いて伸ばし、指先を斜め後ろ下に向けます。
左手で右肩を押さえ、あごを引いて首を左側にゆっくり倒します。
鼻先を左肩に近づけるようにして20〜30秒キープします。左右を逆にして同様の動作を行います。
☆皮膚を押し伸ばす筋膜リリース
【胸元押し伸ばし】
両足は肩幅くらいに開き、軽くあごを引いて背中が丸くならないように少し胸を張って立ちます。
右の鎖骨の下側に左の手のひらを置き、その上に右手を重ねます。
脇を締めて、両手を胸に押し付けながら下方に引きます。
そのまま、首を左側にゆっくり倒して20~30秒キープ。
首を倒した状態で天井を見上げるようにして首を後ろにそらし、20~30秒キープします。
左右を逆にして同様の動作を行います。
【頭と首すじの押し伸ばし】
床に仰向けになり、両足を腰幅に開いて膝を立て、首の後ろの髪の生え際あたりにバスタオルを巻いて作った枕を置きます。
両手を胸のところで交差させ、アゴの先を天井に向かってゆっくり上げます。
首の角度を変えずに腰や背中が浮かないように頭をタオルから浮かせ、20~30秒キープします。
☆筋膜リリースの留意点
以上のような腹膜リリースの動作を組み合わせて、無理のない範囲で毎日行いましょう。
筋膜は、ゆっくり時間をかけて伸ばすと効果的なので、20~30秒のキープ時間を徐々に長くして、最大90秒を目指しましょう。
筋肉同様、温めるとゆるみやすいので、入浴中や入浴後に行うとより効果が出やすくなります。
筋膜リリースを始めると、最初はすじばった感じや痛みが少し残ることがあります。
そうした不快感を和らげるため、筋膜リリースのあとは、筋膜内に溜まった有害物質の排出を促すように水を多めに飲むようにしましょう。
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