体幹トレーニングをやっているのに、腰痛が治らないのは　なぜ？

2015年11月24日公開 / 2021年1月22日更新

テーマ：症状の原因を考える

コラムカテゴリ：医療・病院

コラムキーワード：腰痛　対処、腰痛　改善

整形外科や整骨院・接骨院の先生に「体幹を鍛えなさい」とか言われ、体幹トレーニングに取り組んでいる慢性腰痛の方、多いと思います。
中には結果が得られる方もいますが、一年も二年も取り組んでいるのに望むような結果が得られない方もいます。
実は、多くの方が結果を得られずにいるのが現実で、現に当院にも、そのような患者さまの来院が少なくありません。

では、「体幹トレーニングは意味が無いのか？」と思うかもしれませんが、そうではありません。
取り組み方の問題は考慮すべきですが、基本的に体幹トレーニングは有効です。
では、何に有効なのか？

それは、『予防』
体幹トレーニングで得られる最大のメリットは、予防なのです。

では、『予防』と『治療』の違いは分かりますか？
治療は、「治すための行為」ですよね。
予防は、「再発させないための行為」ですよね。

もうお分かりになりましたでしょうか？
そうなんです。
多くの方が、治療と予防を混同してしまい、もしくは予防を治療だと思い違いをしてしまい、治療をやらずに予防をやっているのです。
治療と予防は違います！
予防はあくまで予防であって、治療にはならないのです。
これを理解しないと、いつまで経っても治ってきません。

この思い違いですが、患者が思い違いをするのは仕方が無いとして、治療者側にも思い違いをしている者が意外と多いようです。
現に、体幹トレーニングに勤しみながらも慢性腰痛に悩まされ続けている患者さまにこの事を説明しても、最初は「えっ・・・？」とした顔をします。
そしてこう言います。
「今まで行っていた整形や整骨の先生が、「腹筋や背筋が弱いから鍛えなさい」と言ってましたし、前にみたテレビでも「体幹トレーニングが良い」と言っていました」
でも、現実には良くなっていないんですよね・・・

体幹トレーニングを行えば、筋肉や関節は適度に動くので痛み症状は一時的に楽になります。
でも残念ながらそれは、動かした事で一時的に楽になっただけで、故障個所が治っていったのではありません。
だから、「その時は良かったんだけど、直ぐに痛みが起こってくる・・・」であったり、「チョッとでも無理をすると、また同じように痛くなる・・・」とかが繰り返されるんです。

「こんなに体幹トレーニングをやっているのに、一向に腰痛が良くなって来ないのは、なぜなのか？」
いま一度、考え直してみる必要があるのではないでしょうか？

では、私の考えです。
体幹トレーニングは予防であって、治療ではありません。
ゆえに、体幹トレーニングだけで根治は得られません。
治療があってこそ、故障個所が治るのです。
そして、再度故障を起こさぬように予防（体幹トレーニング）に取り組む。
治療と予防を同時進行で取り組んでいくことが、『根治』への道だと考えます。

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