子どもの頃の対応が大切なわけ~子育て中のお母さんたちへ~
カウンセリングの場面で時々耳にする、「子供を愛せない」という切実な声。多くの母親が、「子供が生まれたら自然と愛情がわく」と信じていますが、現実はそう単純ではないこともあります。
「小さい頃は愛おしかったのに」という声もあります。
子供の成長と共に現れる反抗期など、思うようにいかない状況が、愛情を感じにくくさせる場合もあるようです。
このような状況に直面すると、自分だけがこの感情を抱えていると感じ、深い戸惑いや自己責任に苦しむことになります。
愛せないと感じる理由
子供に対する愛情を感じられない背景には、さまざまな心理的要因が存在します。
一つには、自身の幼少期に満足な子供時代を経験できなかった場合、子供への愛情が嫉妬心に変わることがあります。「なぜこの子はこんなに自由なのか?」「なぜこんなに愛されているのか?」という感情が湧くのです。
また、子供が思い通りにならないことから「ダメな親」と感じることが辛く、その結果、責任を感じさせる子供への感情が変わってしまうこともあります。
これらは、根本的に「自分自身を愛せていない」ことが原因です。他人とはうまく距離を端てても、自分の子どもとなると自分の分身のようにしい態度となって現れるのです。
自分を受け入れ、新たな一歩を踏み出す
自己受容は、この問題を乗り越えるための第一歩です。自分の全てを大切に思う心が、自己愛となり、それがやがて子供への愛情へとつながります。
幼少期を振り返り、自分がどれだけ健気に生きてきたかを思い出してみてください。その努力が、今の自分を形作っているのです。それに気付くだけでも、自分に対する愛情は深まります。
実践的な対処法
・自分の感情に耳を傾ける:
日々の感情に意識を向け、「今、自分はどう感じているか?」を確認すること。
・感情の共有を試みる:
信頼できる人と自分の感情を共有することで、感情表現の成功体験を増やし、徐々に話しやすくなります。
・自己批判を避ける:
自分を責めることなく、今感じていることを素直に受け入れること。
自分自身の気持ちに正直になることで、自己への理解が深まり、自己愛が育まれます。そして、それが真の親子の絆へと発展していきます。子供を愛せないと悩むあなたも、まずは自分自身を愛することから始めてみてはいかがでしょうか。