マイベストプロ福岡・佐賀セミナーでITセキュリティーの講師をさせていただきました
メーカーからのレビュー依頼に快諾
●先日、中国のパワーサプライメーカー、Baseus社から日本市場に本格進出したいので自社製品のレビューをしてほしいと依頼がありました。検証する製品も実際に送っていただけるとのことで、それならということで快くお受けしました。
●ということで今回は、Baseusというメーカー製の充電器とモバイルバッテリーをレビューします。
●今回レビューするのは
1.Baseus 100W PD 充電器 type-c 超小型 急速充電器 CCGAN100CS
2.Baseus モバイルバッテリー Magsafe対応 マグネット ワイヤレス充電 10000mAh PPMT-03
の2点です。
ワイヤレス充電対応 10,000mAh PPMT-03
●モバイルバッテリー Baseus PPMT-03から見てみましょう。
●しっかりとした箱に入っています。
●付属品は USB-AからType-C変換のUSB充電ケーブルと取説関係です。今現在、取説は英語と中国語のみです。本格的な日本進出になれば日本語も対応すると思われます。
●大きさは標準的なスマホよりわずかに小さいくらいで、厚みもわずかに厚い程度です。重量もスマホとほぼ同程度です。表示パネルには開封までの傷防止のため保護フィルムが貼ってあります。実際の使用時にははがしてください。
●ポートはUSB-Aポートと Type-Cポートの2か所。同時に2台のデバイスへ充電することが可能です。Type-Cポートは本体の充電とデバイス側への放電で機能するようになっていて、制御回路内で自動的に感知して切り替えていると思います。
●本体側面には型式他、仕様が詳細に刻印されています。ろくに表記がないような格安品とは違って、このメーカーの信頼性の証と言えそうです。
●PSE対応表示は「株式会社 神州」と明記があります。これも好印象ですね。
●表示パネルのスイッチは側面にあります。
●開封時にすでに80%近く充電がされていました。
●さて今回の検証作業ですが、すでに急速充電の模様などは他のブログなどで数多く検証されているようですので、私が重要視している「標準の充電」でどのような評価が出るのかを試してみたいと思います。それから、このモバイルバッテリーはワイヤレス充電対応ですが今回はこの部分については検証していません。
●充電器によっては標準の充電でも様々な問題があるものもたくさん出回っています。私が気になるのは、標準の充電がどの程度快適にしかも高精度で行われるかということ。標準充電でも発熱が大きいとか充電時間が安定しないものがあるためそういった部分について検証をしてみます。
検証開始
●早速、開封時の充電状態のままスマホを充電してみました。今回使用するスマホの充電仕様は普通充電、10W(5V/2A)です。
スマホのバッテリー容量は4,150mAh、検証時残量30%から開始
モバイルバッテリー容量10,000mAh、残量表示78%から開始
結果は以下のようになりました。実測ではなく、仕様や表記、表示による数値の計算で充電状態を計算してみました。
充電効率は 72% でした。
充電時間は 2時間15分 でした。
●普通充電の充電時間は容量から計算すると規格通りか若干早いようです。
●バッテリー容量がまだ残っていたので、続いてMP3プレーヤを充電してみました。
MP3プレーヤのバッテリー容量 1,100mAh
モバイルバッテリーの表示%から算出した充電効率 67%
●あくまでも計算上ですが、充電効率がスマホで72%、MP3プレーヤで67%となりました。
●まだ開封したばかりですからバッテリー内部が活性化していないため、もしかしたら数回充放電を繰り返すと若干効率も上がる可能性があります。MP3プレーヤは制御回路が古いものですので数値としては低く出ましたが、それでも高効率が証明された形になります。
●以上のことから表記の容量、10,000mAhは信頼できるでしょう。また、充電中のバッテリー本体の温度はほとんど発熱していない程度でした。充電時間も正常です。
●表示の仕様と実容量に食い違いが多い、すごく熱くなる、充電時間が長いというような格安のモバイルバッテリーが多い中、中国メーカー製でも価格相応以上の性能が担保されているというのは良い製品といえます。
超小型急速充電器 CCGAN100CS
●バッテリー容量が20%まで消耗したので、このバッテリーを今度は同社の超小型急速充電器 CCGAN100CS で充電してレビューしてみたいと思います。
公式URL https://www.amazon.co.jp/stores/Baseus/page/B74825A6-7BC5-4C96-BAF4-8548D2A9402A?ref_=ast_bln
●まず、CCGAN100CSの特長です
●この充電器の驚くべき点はQualcomm社認証のQC 5.0対応充電器となってる点です。調べてみると実際にQualcomm社のリストにも掲載されていました。また、特筆なのが充電回路に最新技術の「GaN」(窒化ガリウム)という半導体素子を使用している点。半導体といえば主にシリコンですが、それよりも優れた電気的な物的特性を示すのがGaNです。
●GaN(窒化ガリウム)素子の特長です
1.放熱性・耐熱性に優れている
2.効率が非常に高い(ロスが少なく発熱が少ない)
3.高周波数、高密度なので大容量化が可能
4.高寿命、高耐久性である
5.小型化が可能
●以上のようにシリコン半導体よりかなり優れています。GaNが次世代の半導体といわれる理由がわかりますね。ちなみに窒化ガリウムの発見者はあの青色発光ダイオードで有名な中村修二博士です。
●この充電器に使用されているGaNはNavitas社のNV6125 GaNFast TMパワーチップを採用しています。Navitas社はアイルランドの会社です。
●付属の充電ケーブルは両端がUSB Type-Cです。結構しっかりしていて太さがありますがそこまで硬くはなく取り回しは悪くありません。大容量を流すためある程度のケーブルの太さは必要と思います。長さが1.8mと長いので短く束ねたくなると思いますが、電気の流れをよくするためには伸ばして使うほうが良いでしょう。束ねると効率が落ちます。
●本体の大きさは本当にコンパクトで、持ち運びもしやすくなっています。
外装のつくりもコンセントプラグの出し入れもスムーズでとてもしっかりとしていて堅牢。安物の充電器とは雲泥の差です。
PSE対応済みで外国登録検査機関の「CQC」、業者名は「株式会社 神州」と表記があります。
検証結果
●早速、この充電器を試してみましょう。この充電器で先ほどレビューした同社のモバイルバッテリーPPMT-03を充電してみます。充電器はQC5.0対応ですがモバイルバッテリー側の充電仕様はPD 20WとQC3.0 18W の急速充電に対応ということですから、下位互換のQC3.0での充電ということになります。
●20%残量から100%満充電までの時間は3時間20分でした。
●メーカーでは「USB-Cポートは最大入力20Wに対応しているため、別売りのPD対応の充電器で製品本体を充電することで、わずか4.5時間で満充電できます。 」といっていますのでほぼ表記通りの性能を確かめることができました。
●また、充電中の本体表面温度は32度Cでした。GaNの特長である低発熱というのも本当ですね。
●普通の通常充電だけで熱々になってしまう充電器がほとんどなのに、この低発熱ぶりは驚きです。充電器だけでなく、QC3.0の規格上限で充電したはずのモバイルバッテリー本体の発熱もほとんどありません。これはバッテリー自体の品質と制御回路の精度によるものと思いますので、非常に品質が高いモバイルバッテリーだといえます。
●今回は中国のパワーサプライメーカー、Baseus社の新製品をレビューしてみました。これまでいろいろなデバイスを見てきましたが、今回の充電器、モバイルバッテリーは品質としては最上級といえるでしょう。Baseus社の製品はこれからの日本市場で相当なシェアを獲得できると思います。
次回は、同社の別の充電器を特集してみたいと思います。