残業問題、コスト削減はまずIT端末の環境改善から始める
ついパソコンを 叩いてしまいました・・
●昨日、はじめてサポート依頼を頂いた方ですが、パソコンを診断をしている最中に「調子が悪いのにイラついて、つい本体を叩いてしまいました・・」と言われました。ここ何日か調子が特に悪く、仕事にも影響が出ていたたそうで余程我慢ならなかったのでしょう。
●私は精神科学の専門家ではないのですが、サポートの現場では時々ユーザーからそのようなことを打ち明けられることがあります。
●典型的な例ではパソコンが起動しない、遅い、途中で止まる、固まる、ネットがつながらない、プリンタ印刷が上手くいかないなどの際に、ほとんどの人が不安やイラつきを感じています。そのため、冷静さが失われ、論理的に物事を考えられなくなりつい手荒な扱いになっているようです。
●そうなると状況はさらに悪化して、ますますIT機器は正常に動作しなくなってしまいます。このようにこれまで20年近くのITサポート経験上からユーザーの利用実態を見ていると、ITとメンタルヘルスは非常に密接な関係にあるようです。
●実際についイライラしてパソコンを叩いたり蹴ったり、キーボードやマウスを乱暴に扱ったりした経験がある方も多いのではないでしょうか?
●そういうことを口に出して伝えていただくユーザーの場合はまだいい方です。中にはそうとは言わなくても、診断依頼のデスクトップパソコン本体がありえないほどボコボコにへこんでいて、どうしてそうなったのかが瞬間に理解できるような、とても怖い思いをすることがあります。
●これは、単にパソコンの調子が悪いとか操作が上手くいかないことでそうなるということだけではなく、IT機器類が持つ性質が関係しているようです。
パソコンは普通の家電品や機械とは違う
●パソコンやスマホなどのコンピュータ製品は普通の電化製品と違ってインタラクティブ(対話型、双方向性)という性質があります。どういうことかというとIT機器は人間からの入力に対して反応が返ってくる機械なのです。
●しかし、まだ本当の人工知能と呼べるまでの段階には無いため完全な対話はできません。それに機械には感情がありませんので、媚びる事もなく間違った指示に対しては当然頑として動きません。
●また、機械ですから故障もします。コンピュータは間違わない、命令通り動くものそれに故障しない・・という固定観念がそれを許せないと感じてしまって、苛立ちを感じる人は多いのです。完璧を求めたがる傾向にある人は特にそのような感情に走りやすいようです。
●最近ではSNSなどの利用でトラブルになり、犯罪にもつながるようなことが起き始めています。すぐに返事が無いとか、短文であるために誤解が生じて激高する、逆に長文で送り付けるなど、感情を刺激されやすいために事件になったりして大きな社会問題にもなっています。
●これは機器の問題ではなく単なる運用の問題ですが、コンピュータを介することで普通の対面会話とは違う状況になります。相手の表情を見ながらの会話ではないことによる弊害があるのではないでしょうか。
●これは未成年者だけでなく、大人も容易に影響されるようです。パソコンが上手く動かないときは一日中イライラしたり、不機嫌になってしまう人はたくさんいます。それだけメンタルへの影響が大きいということでしょう。
メンタル的な「依存」の 状態
●また、逆にメンタル的な依存の状態に陥っている場合もあります。普段はそのことに気づいていませんが、故障やミスなどで大切なデータを失った場合に起きる「喪失感」で初めて気が付くようです。人によってはまるで恋人にふられたかのように何週間も立ち直れないくらいの喪失感に陥る人も出て来ます。
●IT機器はあくまでも機械であり故障したりデータが喪失することもあるということが完全に頭から離れてしまっている人も多く、トラブルの際にその重大性に改めて気が付く方もいます。
●IT機器は人によっては単なる機械やデータというわけではなく、データやソフト環境などが自分の手足の一部や仕事のパートナーとして存在している場合もあります。また、人生そのものが詰まっている「分身」のような存在になっていることもあります。自己実現を可能にしてくれる「盟友」として機能している場合もあります。
●それだけに普通の「物」とは違ってメンタル的な「依存」の状態を形成しやすいのです。
●たかがパソコンごときで・・と言う人もいますが、人によっては最も大切な存在になっている場合もあるのです。ですから、いつも言っているように人のパソコンを扱う際には慎重さが必要で、トラブル解決を依頼されても単なる優越感の対象で扱ってはいけないのです。
●ITとメンタルについてはこれから様々な検証が行われると思いますが、サポート現場で見るメンタルへの影響は思っている以上に根深いと感じています。
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