その親切は善意や無報酬でもやってはダメ!パソコンが得意でも知らずにやっている、無許可・無届のサポート行為とは
これは美談なのか?それとも・・・
●随分以前に、パソコンサポートをしているある会社の経営者のブログを読んでいた時のこと。
●このブログ、社員への啓蒙も含めて叱咤激励や自己啓発を話題にしているごく普通のブログだったのですが、一度気になることがありました。
●それは、若い社員が年配の方のパソコンを出張サポートに行った経緯の話題でした。
●その社員にパソコンのスキルが著しく不足している事は、経緯の文面や内容でも明らかで、案の定それでトラブルになった事が話になっていました。
●その話と言うのがちょっと驚きで、その若い社員は直ったと思って引き渡しをし、料金を回収したけれども同じ症状が再現して何と5回も再訪問をしたとのこと。
●年配の顧客が再訪問3回目の際にブチ切れたと言っていましたが、そりゃ当然です。しかし、話はここから意外な展開に。
●普通ならば4回、5回目ともなればお客さんも愛想を尽かして上司なり本社に突電するところですが、この高齢のお客さんは社員が若い事、さらに低姿勢でお詫びを連発する様におそらく自分の孫か息子とタブって映ったのか、作業内容には呆れはしたものの、毎回夜遅くまで奮闘したその若い社員に夕食を出前して御馳走して優しく接したのでした。
●そして
「こんなややこしいトラブルに当たってしまったのも気の毒だ、パソコンは今回は直らなかったけれど、一所懸命に対応して謝ってくれたから良しとしよう。このパソコンはあきらめて明日、電気店で新しいのを買おう」
と言って、5回目で壊れたまま納品してめでたく解決?したそうです。
●それを、この経営者はブログで「このように、態度や姿勢次第で顧客も満足してくれるという良い事例です。わが社にこのような人材がいることは誇らしい・・」と評価したのです。
プロの仕事とは何なのか?
●一見、ほのぼのとした良い話に思えてくるエピソードですが、でもこの話、ちょっとおかしいです。肝心のPCは直ってない・・・どころか作業代や出張料は話によれば毎回きっちりもらっているのです。
●それにPCサポートの仕事で、本来の仕事が満足にできなかった事について経営者自体が全然問題にしていないのはどうしたことか?
●営業内容を満足に遂行できない事自体、事業者としては大問題だと私は思うのですが・・・。
●確かに不手際を低姿勢で詫びることは必要ですが、プロとして仕事を満足にできていない段階でほめられるようなことではないし、どんなに難しい内容でも仕事自体で評価をいただくことがプロとしての役目ではないか?と思うのです。
●そのときは、運よくユーザーが心の広い方だったから良かったかも知れませんが、普通だったら深刻なクレームになってもおかしくない事案です。
●逆に私がユーザーの立場で、そんな業者と遭遇したら対価を喜んで気前良く払う気にはなれないと思います。
●仕事のスキルよりも笑顔と平身低頭で乗り切ろうという経営方針かもしれません。それがユーザーとのフレンドリーな関係のアットホームな企業という戦略なのかも知れない。意外とこれからの時代はそういうのが受けが良くて、伸びる企業になるのかもしれません。
●でも、どんな時代になろうとも、私は専門家として本来の仕事で評価を得る仕事を続けて守って行きたいと思います。
九州インターワークス 注目のページ
「パソコンがおそい、固まる主な原因」
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