オルネラ・ヴァノー二「逢いびき」
「イタリア」北部の「トレビーゾ」で、北部ベネト州名産の「発泡ワイン」である「プロセッコ」の流通に目を光らせる「ワインGメン」が登場し、注目を集めているそうです。
「発泡ワイン」人気が高まる中で、偽物も出回るようになり、偽物を摘発して産地の評価を守るのが狙いとか。
【新しい仕事だから店員に不審がられることもある。でも、誰かがやらなきゃ】と、「農林省」から6月に「プロセッコ捜査員」の第1号に任命された男性は語ります。
「醸造学」の博士号を持ち、【泡の動き方で、偽物はすぐ分かる】と言い切ります。
男性は身分を隠して市内を巡回し、スーパーに並ぶ「プロセッコ」の銘柄ラベルや店の商品表示などを点検する役割です。
「プロセッコ」と名乗れるのは、品質検査を通った瓶詰ワインだけで、樽(たる)に 入ったものは偽物とみなし、提供する飲食店には警告を与えます。
「プロセッコ」は、同国北部産の「プロセッコ種」のブドウで作った「発泡ワイン」の銘柄です。
辛口で、19世紀からの歴史を持ち、2009年には「欧州連合」(EU)の「原産地名称保護制度」の下、 地域の特産品として認証を受けています。
新興国でのワインブームを追い風に、「発泡ワイン」の需要は世界的に高まり、 昨年の「プロセッコ」生産量の約2億3000万本(推計10億ユーロ)のうち、6割が輸出されているということです。
一方で、「炭酸ガス」を人工的に注入した偽物や、基準に満たない「ワイン」の流通が国内外で問題になっているとのこと。
また、新たなトラブルも浮上しています。7月にEU加盟を果たした隣国「クロアチア」で、 似た名前のワイン「プロシェク」が生産されていることです。
「プロシェク」は甘口で風味は異なるものの、EUの「原産地名称保護制度」では紛らわしい商品名は禁じていることから、「トレビーゾ」の地元生産者は神経をとがらせ、「プロシェク」の名称使用の中止を求めている模様です。
(讀賣新聞:13.09.05)
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所