「ペニッシュ」:「パリ」の船上生活

高塚哲治

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テーマ:一休み

 廃船になった「ペニッシュ」を改造して住居にするのが、ここ数年、ヨーロッパで大人気だそうです。「ペニッシュ」とは、フランスで運搬用に使われている「平底船」のことです。
 水に囲まれ、都会にいながらにして自然と密接できる「ボートハウス」暮らしは、古くて新しい「ライフスタイル」で、「エコ・マインド」な「ヨーロピアン」たちを魅了しているようです。
 「セーヌ河」に停留できる船の数には制限があるため、順番待ちだそうです。駐車代と同じく、「停船料」が存在し、「ノートルダム」の近くならば、月々10万円ほどの「停船料」を払わねばならないが、郊外ならば1万円程度で住むらしい。また、住居専門船の「ブローカー」もパリには数人いるとのこと。
 「ペニッシュ」暮らしを体験したいのならば、「フランス」の「キオスク」で『Fluviale(フリュヴィアル)』という「住居船専門誌」を購入し、「伝言板」のページで「貸出」、「短期貸出し」という物件もあるらしい。
 また、住むまでは至らないが、どんなものか体験したい、という方は、「セーヌ河」に浮かんでいる数々の娯楽船を訪ねることもできるとか。
 「セーヌ河」沿いには数えきれないほどの「娯楽船」があり、現在、最も「パリジャン」たちに注目されているのが、「セーヌ左岸」の「新国立図書館」(フランソワ・ミッテラン図書館)前の「フランソワ・モーリヤック河岸」(Quai Francoise Mauriac)で、ここ一帯の「セーヌ河岸」に留められている船は、「音楽船」「レストラン船」「喫茶店船」「チョコレート屋さん船」などのユニークな船ばかりのようです。
 中でもひときわ目立っているのが、真っ赤な灯台船「バトファー」で、60年代まで漁師たちを守る「灯台船」として「アイルランド」で活躍していたこの船は、廃船となった後、船を愛する「フランス人」のNGO団体に引き取られ、2年間かかって「アイルランド」から引っ張っぱられて「パリ」へと連れてきた後、「クラブ船」として活躍中です。








(讀賣新聞:13.08.14)

タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

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高塚哲治(建築家)

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大手設計会社での豊富な経験を生かし、多くの欠陥住宅問題を手がけ、日本ではまだなじみの薄いCM(コンストラクションマネジメント)を広く世間に発信し、遂行している

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