「アウアーバッハス・ケラー」:ドイツ「ライプチヒ」
「ロマネスク建築」の最も特徴的な点は教会堂にヴォールトを導入したことです。バシリカ式平面の展開とその組織化が「ロマネスク建築」の特徴といわれています。
また、ロマネスクの教会堂建築は、「神秘の解明、すなわち神秘の啓示であり、数の科学が建築を天体の運行に、聖歌の響の調和に分かちがたく結びつけるがゆえに、宇宙の秩序の引き写しであると同時に方程式でもある。」ということです。
ヴォールト架構の工夫とその技術の確立、およびバシリカ式平面の組織化は、ロマネスクの教会堂という建築を大きく決定づけるものです。さまざまなヴォールト架構法が工夫され、初期キリスト教建築の単純な箱型のバシリカ式教会堂が、典礼の変化や教会堂の役割の変化にともなって大きく変貌し、これに身廊の内部立面構成の組織化がともない、ロマネスクの教会堂建築の具体的空間が形成されます。そこには、当時の神学/哲学/美学と密接に結びついたキリスト数的象徴がさまざまな形で仕組まれ、空間の聖性が確保されていたことも見逃すことができません。
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所