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高塚哲治

欠陥住宅問題を解決し良質な建築の創造へ導く一級建築士

高塚哲治(たかつかてつじ) / 建築家

タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

コラム

「建築って何?(45)」マンション「大規模修繕工事」に要する費用と「修繕積立金」

2012年9月20日 公開 / 2020年12月28日更新

テーマ:建築の仕組み

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 耐震補強

 1回目の「大規模修繕工事」では、50万円/戸程度で済ましているマンションから、100万円/戸以上かけているマンションもあり、千差万別です。これは工事項目と仕様の違いなどからです。資産価値が向上していると周辺からも評価されているマンションは、1回目の「大規模修繕工事」で1戸当たり100万円、2回目の「大規模修繕工事」で1戸当たり200万円、3回目の「大規模修繕工事」で1戸当たり300万円程度を投じています。経年とともに対象工事が増え、手間とお金がかかる傾向が見られます。3回目の「大規模修繕工事」を迎える築30年から36年あたりまでで、躯体を除く仕上材/建築二次部材/設備などの部材が耐用年数を終えて入れ替わることを意味しています。それぞれの部材が入れ替わった時点で耐用年数がゼロにリセットされます。
 各戸の「修繕積立金」に置き替えてみると、36年トータルで600万円/戸の修繕費が必要となることから、毎月14,000円/戸を積み立てなければなりません。 ㎡単価にすると、75㎡のファミリータイプでは一戸当り毎月187円/㎡となります。国土交通省のマンション総合調査に基づくと、「修繕積立金」の平均値が一戸当り毎月10,000円台に乗ったものの、まだ不足しています。さらに、今後は「省エネ」などに配慮した改修も求めら、旧耐震基準のマンションでは「耐震補強」にも取り組むとなると、一戸当り毎月200円/㎡から300円/㎡必要といった試算になります。
 詳しい専門家を交えて、じっくりと検討/計画したいものです。

近年の「大規模修繕工事」費用(参考値)


設計監理/調査鑑定/CM(コンストラクションマネジメント)
タウ・一級建築士事務所

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高塚哲治(タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所)

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