「建築って何?(39)」建築物の耐用年数の増大:「鉄筋コンクリート造」

高塚哲治

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テーマ:建築の仕組み

 「鉄筋コンクリート造」は、鉄筋をコンクリートで包み込み、錆びさせないようにすることで耐久性を保持します。そこで、耐用年数を増大させるためには、水密性(水を透しにくくさせる)の高いコンクリートを、鉄筋に対して十分な厚さで被覆することにあります。
 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」における住宅設計評価の評価方法基準に従えば、3世代以上(おおむね90年程度)の使用に耐えうる「鉄筋コンクリート造」の骨組をつくる方法は、概略以下のとおりとなります。
 水密性の高いコンクリートとするためには、コンクリートに用いるセメントに対する水の割合(水セメント比:W/C%)を50~55%にする必要があります。また、コンクリートで鉄筋を被覆する厚さは、基礎(土に接する部分)が最も厚く6cmから7cm、屋外の柱/梁(土に接しない部分)は3cmから5cm以上必要です。その上、所定の強さ以上のコンクリートが必要となります。こうした条件で施工すれば、鉄筋コンクリート造の骨組は約90年程度耐用年数が保てるといわれています。また、防水性の高い仕上げにより耐久性を増大させる場合は、仕上げ材の性能低下に応じて的確にメンテナンスしなければなりません。



設計監理/調査鑑定/CM(コンストラクションマネジメント)
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

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高塚哲治
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高塚哲治(建築家)

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大手設計会社での豊富な経験を生かし、多くの欠陥住宅問題を手がけ、日本ではまだなじみの薄いCM(コンストラクションマネジメント)を広く世間に発信し、遂行している

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