「建築って何?(38)」建築物の耐用年数の増大

高塚哲治

高塚哲治

テーマ:建築の仕組み

 建築物の「耐用年数を増大させる方法」の基本は、丈夫で、長持ちする骨組をつくることにあります。骨組が地震や台風などの外から加わる力に十分に耐えること、そして骨組自体が容易に腐食や劣化をしないで長持ちすることです。主要な骨組に関して、大きな改修や更新をすることなく、期待される耐用期間、安全を確保しながら使用できるように長持ちさせることにあります。
 また、建築物の骨組以外の構成部分である仕上げや設備などを、一定の年数ごとに更新しやすいようにつくることが求められます。
通常、建築物は骨組を残して、仕上げや設備を順次更新することにより、建築物の耐用年数を増大させます。
 「基礎」や「柱」「梁」などの骨組は、所定の強度性能が与えられています。所定の強度性能が経年により、断面欠損(はがれ落ちたり削れたりすること)や強度低下が生じ、所定の性能が保てなくなることにより耐用年数が尽きます。
すなわち、骨組断面の欠損の防止や強度低下を防ぐことが、骨組の耐用年数の増大につながるということです。
 骨組の断面欠損を防ぎ、強度低下をなくすためには、設計時に耐久性のある材料や工法を選定し、確実な施工をすることが基本となります。また、必要に応じて的確なメンテナンスもしなければなりません。
 設計時に「骨組の耐用年数を増大させる方法」としては、《骨組に用いる材料の性質を改良する》《骨組材の断面を大きくする》《骨組の表面にめっきなどの措置を施す》《骨組を腐食や腐朽しない環境下に置く》などの方法があります。いずれの方法を採用するかは骨組に用いる材料により異なってきます。
 骨組に用いる材料として、主として「鉄勣コンクリート」「鋼材」「木材」の三種類の材料が用いられます。構造としての名称は、「鉄筋コンクリート造」「鉄骨造」「木造」です。



設計監理/調査鑑定/CM(コンストラクションマネジメント)
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

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高塚哲治
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高塚哲治(建築家)

タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

大手設計会社での豊富な経験を生かし、多くの欠陥住宅問題を手がけ、日本ではまだなじみの薄いCM(コンストラクションマネジメント)を広く世間に発信し、遂行している

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