「建築って何?(26)」建築物のライフサイクルコスト(LCC)

高塚哲治

高塚哲治

テーマ:建築の仕組み

 建築物のライフサイクルコスト(LCC)とは、計画/設計/施工/維持管理/修繕、さらには解体までに必要となる総費用のことを指します。建築物のコストは、どうしてもイニシャルコストが気にかかるところですが、建築物の寿命が長くなるほど、ライフサイクルコスト(LCC:生涯費用)に占めるイニシャルコストの割合は小さくなります。
 建築物のライフサイクルコスト(LCC)の構成を見ると、モデル建築物において初期投資額はライフサイクルコスト(LCC)の20%を下回っています。建築物の用途や想定耐用年数によって変化しますが、建設後のコストが初期投資に比べ大きいことは間違いありません。したがって、建築物の企画/設計段階から、運用時のコストを考慮に入れて試算し、その結果を反映してライフサイクルコスト(LCC)の最小化に配慮した計画を立案することにより、建築物の総合的なコストパフォーマンスの向上を図ることができるのです。
 住宅においても、自身のライフサイクルを見据え、建築物(戸建て住宅、マンションなど)のライフサイクルコスト(LCC)の最適化を考える時代の到来です。



ライフサイクルマネジメント/CM(コンストラクションマネジメント)/調査鑑定/設計監理
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

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高塚哲治
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高塚哲治(建築家)

タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

大手設計会社での豊富な経験を生かし、多くの欠陥住宅問題を手がけ、日本ではまだなじみの薄いCM(コンストラクションマネジメント)を広く世間に発信し、遂行している

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