「ゴッホ美術館」見学:「アムステルダム」
随分前になりますが《「建設倫理考」技術者社会の崩落》という本を読みました。この中で、技術者の倫理感に危惧を抱いています。現在の原発問題を含めて、改めて考えてみたい内容です。
学生の頃、夏休みの哲学の宿題で読んだ「アリストテレスの『ニコマコス倫理学』」という書物があります。その昔、アリストテレスはこの中で、【人間にとって善い生活とは理性的で徳を伴った活動である。徳とは人間の性格における特性でありさまざまな種類があるものの、幼少期から無意識に獲得される倫理的な徳と、理性によって形成される知性的な徳とに二分される。倫理的に追求するべき徳には中庸という共通の構造がある。】と述べています。中庸とは二つの悪徳の間に存在する徳目であり、例えば臆病と軽率という悪徳の中庸には勇気、野暮と道化という悪徳の中庸である機知などのようなものであるとしています。つまり、アリストテレスは善い行為とは極端な行為ではなく節度ある行為であり、個々の状況に応じて適切な判断を下すことが善い生活をもたらすと論じているのです。その通りです。
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所