新米の女性店長が、前年比128%の快挙!
A店 144% (112%)
B店 131% (108%)
C店 178% (118%)
以上は、私が3月から訪問している、地方のスーパーマーケットの売上高の前年対比の実績値です。
なんの売上高かというと、それはトマトです。
そして、カッコ内の数値は、野菜の売上高の前年対比です。
特に大きな安売りをして立てた売上高ではありません。
私が、マーケティングの基本を教えるために実施する、独自の儀式です。
なぜ、トマトなのか?
トマトは、この時期、販売実績や消費支出データを見てもわかるように、野菜の中でダントツに1番の売上をするアイテムです。
通常、野菜の売上高の10%以上を占める、販売側にとって最重要品目です。
そして、リコピンなどの栄養素を多く含み、お客様から支持される非常に重要なアイテムでもあります。
その味や形、色といった、色々な種類があり、売場でもは目も楽しませてくれます。
そして、食卓を華やかに彩りを添えてもくれます。
また、戦略的には、
構成比が10%以上あるトマトを150%~200%の目標設定をします。
もし、前年対比150%の売上高が達成できれば、野菜の売上高は105%になります。
トマトの販売量が伸びれば、他のサラダ関連野菜やモッツァレラ・チーズやドレッシングなど関連アイテムも売上を伸ばすことができます。
ですから、私は、トマトを重点的に売るのです。
お客様の支持の高いもの、結果的に売上が高いもの、だからです。
考え方を変えれば、意外に簡単に、売上は上がる!
売上高をあげることは、皆考えています。
それで、悩んでいる人が世の中には大勢いらっしゃいます。
しかし、次から次に新しい企画を組んだり、安売りに走ったり・・・。
目先の売上を上げるためのノウハウに振り回され、実利が残らないものではどうしようもありません。
私達は、売上も伸ばしますが、同時に粗利益高も確実に伸ばします。
単なる安売りはしません。
商品の価値は、価格だけではありません。
味、糖度、鮮度、品種特性、美味しい食べ方など、価値は幾らでも提供可能です。
どうやるのか?・・・『売場づくりの4P』
私の過去の記事でも何回か書いていますが、
『売場づくりの4P』という考え方を私は提唱しています。
Product・・・・・商品(製品)、テーマ
何を売るのか?
Place・・・・・・・展開場所
どこで売るのか?
Promotion・・・販促活動
どのように売るのか?
Price・・・・・・・価格
いくらで売るのか?
ということに対して、深く掘り下げて考え実行します。
トマトを、
野菜の第一平台全体で、
良い商品を取り揃えていることをチラシやメール、フェイスブック、POPなどでお客様にわかり易く情報伝達する。
糖度表示をする、試食販売をする、メニュー提案わする、調理テクニックを伝えるなど、プロモーションは幾らでもあります。
価格ですが、
上記のプロモーションをやる事ができれば、けっして価格を低位に設定する必要はありません。
お客様に、商品の真の価値を伝えることができないから、絶対価格の価格競争になるのです。
商品の真の価値を伝えることが出来れば、その価値に対してお客様は納得して商品を買ってくれます。(相対価格)
幾らでも応用ができる!
もうお解りだと思いますが、スーパーマーケットの売場には、多くの重点商品が存在しています。
お客様が欲しがる各部門の商品、
今の時期人気のある商品、
バイヤーが惚れ込んで仕入れた美味しい愉しい商品
などです。
4ヶ月のプロセス
今回の事例の結果を出してくれた会社は、けっして高いレベルのスキルを持ったチームではありません。
会社の方針転換で、仕事がやりにくくなったベテランバイヤーや店長が会社を去り、残された経験の浅いメンバーで運営されています。
訪問の、
1ヶ月目は、全体の顔合わせをして、方針説明を行い、
2ヶ月目に、「トマトを売り込んでみようか」と伝え、
3ヶ月目、思ったような実績も出ず、(まともに取り組んでいなかった)
店長にフォロー(マネジメントの意味)を教える意味で、
「次回は、店長が実績報告をしてね」と会議で伝え、
4ヶ月目に、結果を出してくれました。
大切なのは、
(高い)目標設定、組織の役割分担、そして、リーダーシップ。
これだけです。
上手く結果を出せないのは、ほとんどの場合、『やり方』が解っていないだけなのです。
まだまだ、始まったばかりです。
ど素人集団といっても過言でもないと思います。
でも、経験が浅いのが問題ではありません。
彼らの目はけっして腐ってはいません。
全力で、ビシビシ、手加減なく行きたいと思います。(笑)
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