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野口由美

健康不安で苦しむ患者の心身を親身にケアする心療内科医

野口由美(のぐちゆみ) / 医師

クリニック千里の森

コラム

CBDオイル

2022年5月1日

テーマ:病気、症状の解説

コラムカテゴリ:医療・病院

クリニック千里の森では、CBDオイルを取り扱っています。

CBDオイルは、癌、てんかん、認知症、自閉症、うつ病、不安障害、炎症性腸疾患、疼痛、自己免疫疾患などのさまざまな疾患に用いられ、さらに原因不明の困った症状にも使用されています。

今回は、CBDオイルについて説明するとともに、さまざまな疾患に効果を示す作用機序についても解説します。

CBD

CBDオイルは、薬用植物である麻の茎と種から抽出され作られます。

大麻草には、カンナビノイドと呼ばれる生理活性物質が100種類以上認められ、その中で最も有名な成分がTHC(テトラヒドロカンナビノール)とCBD(カンナビジオール)です。

THCは精神作用を持つことから日本では法律で規制され、使用することはできません。
そのため、日本では、THC以外のカンナビノイドが用いられています。

CBDは、抗痙攣作用、抗炎症作用、抗不安作用、降圧作用のほか、癌の細胞死を誘導する作用を持つことがわかっています。

エンド・カンナビノイド・システム

植物の成分であるカンナビノイドが、なぜ、ひとのさまざまな症状に効果があるのでしょう。

人間を含め、全ての脊椎動物はみな、内因性カンナビノイドを持っています。
内因性カンナビノイドは、体内でさまざまな機能を制御しており、これをエンド・カンナビノイド・システム(ECS)といいます。

ECSは全ての脊椎動物が持つ生体の制御システムであり、食欲、睡眠、性行動、疼痛、免疫、感情、運動機能、発達、老化、認知、記憶などをコントロールしています。

強いストレスや、加齢に伴う老化、さらには栄養バランスの乱れ、重金属の蓄積によって、ECSの働きは低下し、カンナビノイド欠乏状態に陥り、さまざまな病気を引き起こします。

そこで、植物由来のカンナビノイドを用いて、内因性カンナビノイドの欠乏を補うのです。

ECSの機能低下が関与していると考えられる病態は、下記のようにさまざまです。

癌、不眠症、さまざまな疼痛、嘔吐、関節炎、てんかん、糖尿病、虚血性心疾患、認知症、自閉症スペクトラム、うつ病、不安障害、統合失調症、炎症性腸疾患、多発性硬化症などの自己免疫疾患といったよく知られた病気から、原因不明の症状まで、多くの疾患にCBDオイルの利用が試みられています。

ブロードスペクトラムCBDオイル

日本で使用されているCBDオイルの多くは、CBDだけを含む、単成分のアイソレートです。

しかし、生薬は「多成分」であることに意味があります。

多くの成分が相乗効果をもたらし、さらに副作用の軽減にも働きます。

このように、できれば全草成分(フルスペクトラム)が望ましいのですが、現在の日本の法律では、花や葉からの抽出や、THCの残存は禁止されており、フルスペクトラムの製品は使用できません。

アイソレートでは効果不十分だが、フルスペクトラムでは法律的に使用不可能ということから、ブロードスペクトラムCBDオイルが勧められるでしょう。

ブロードスペクトラムとは、花や葉からの抽出はなく、THCを含まないけれども、できるだけフルスペクトラムに近いヘンプオイルのことです。

クリニック千里の森で取り扱っているのは、ブロードスペクトラムで、服薬に支障がない範囲で高濃度なCBDオイルです。

さらに、国際的な薬品の生産品質規範であるGMP(Good Manufacturing Practices)や食品製造の安全性基準であるHACCEPを取得しており、完全オーガニック製品です。

CBDオイルを購入する際は、ブロードスペクトラムに加えて、安心安全な製品かどうかを確認することも大切です。

摂取方法

1回0.5mlを1日2回(起床時・就寝前)、もしくは、1日1回1ml程度を就寝前などに舌下に入れます。

付属のスポイトで正確に0.5ml、1mlを測ることができますので、そのまま舌下に滴下するか、スプーンなどを用います。
しばらくそのままにして少しずつ飲み込みます。
すると、いつのまにかなくなる感じです。

舌下は血管が多く、よく吸収されるため、数分で速やかな効果を得られます。

有害事象

治療目的でCBDオイルを用いたとき、生命にかかわる重篤な有害事象はほとんど見られていません。

わずかに傾眠や吐き気などの神経、精神症状、消化器症状がみられています。

傾眠や、眠気がみられる場合は、就寝前の服用から始めるとよいでしょう。

大麻に対するアレルギーをお持ちの方もいらっしゃいます。
最初は少量から始めて、アレルギーがないかどうかを確認し、すこしずつ増量することをお勧めしています。

参考文献:
カンナビノイドの科学 日本臨床カンナビノイド学会 築地書房
CBDのすべて アイリーン・コニェツニー ローレン・ウィルソン 晶文社
臨床CBDオイル研究会

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