懲戒処分はどの程度が妥当なのかを考える

真田直和

真田直和

テーマ:人事制度

懲戒処分とは企業が従業員に対して行う労働関係上の不利益措置のうち、企業秩序違反行為に対する制裁のことをいいます。
ただ、一方的に処分できるものではありません。
就業規則等に定められている懲戒処分内容に基づいて行います。
そして、処分が不当とされないよう客観的な事実根拠と適正な処分方法で運用しなければなりません。
始末書を簡単に命じる企業がありましたが、始末書は懲戒処分です。
比較的軽微な処分ではありますが、簡単に始末書を命じることはできません。

一般財団法人労務行政研究所が企業の懲戒制度の内容や30のケース別に見た懲戒処分の適用判断などを調査し、その結果を公表しています。
225 社の集計結果を取りまとめたものだということです。

1.30ケース別に見た懲戒処分
(懲戒解雇とされる割合が高い問題行動:上位3位)
・売上金100万円を使い込んだ           75.9%
・無断欠勤が2週間に及んだ           74.1%
・社外秘の重要機密事項を意図的に漏えいさせた  69.4%

2.解雇における退職金の支給状況
~懲戒解雇~
・退職金を全く支給しない    63.2%
・全額または一部を支給しない  4.9%
・一部支給する         1.8%
・全額支給する         0.4%
・退職金制度はない      26.5%

3.懲戒段階の設定状況と懲戒処分の種類
・3段階      1.3%
・4段階      4.9%
・5段階     15.6%
・6段階     41.8%
・7段階     28.4%
・8段階      5.8%
・9段階      2.2%

6段階がもっとも多いようです。
6段階の場合は、譴責(けんせき)、減給、出勤停止、降格、諭旨解雇、懲戒解雇と重くなります。

調査結果の詳細は下記でご覧いただけます。
https://q.bmd.jp/91/266/8587/88105

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

真田直和
専門家

真田直和(特定社会保険労務士)

真田直和社会保険労務士事務所

解雇、残業、労働時間など「人」に関する労務問題を4万件以上解決。また、大企業から中小企業まで幅広い業種の人事評価制度設計のコンサルティング実績も豊富です。

真田直和プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

会社と従業員が共に幸せになれる仕組み作りを提案する専門家

真田直和プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼