変形労働時間制にすれば時間外労働はなくなる?

真田直和

真田直和

テーマ:就業規則

この変形労働時間制を導入しても時間外労働はなくなりません。

では、今回は最もポピュラーな1か月単位の変形労働時間制で説明したいと思います。
この変形労働時間制は1か月以内の一定期間を平均し1週間の労働時間が40時間以内にするものです。

総労働時間を確認する

具体的な例をあげながらご説明しましょう。
まずは1月間の所定労働時間の総枠を求めます。
1週間の法定労働時間(40時間)×31日÷7=177.14時間となります。
そうすると、



上記の表の時間以内に1か月の総労働時間を収める必要があります。
たとえば、1日の所定労働時間が7時間20分、休日が日曜日及び月3回の計7日休みとします。



いずれの期間においても1か月の総労働時間の枠内に収まります。
これで、1週間40時間以内をクリアしたことになります。

1日の所定労働時間を短縮すれば1か月の休日日数を少なくすることができます。
また、1日の所定労働時間を増やせば1か月の休日日数を増やすことになります。

ポイントは休憩時間を増やし、1日の所定労働時間を短縮するのが良いのではないでしょうか。
たとえば、昼休憩時間以外の午前と午後に10分間の休憩をするなどです。
時間短縮にもなり、能率向上にもつながります。

管理が煩雑?


実施にあたり、事前に1ヶ月間の勤務表を作成する必要があります。
勤務表で決めた労働時間が1か月の総労働時間に収まれば、
1か月以内の労働時間を平均して1週間あたりの労働時間が40時間以内になるということです。
しかし、労働時間は事前に決めておかなくてはなりません。
「今日は忙しいから1日12時間働いてくれ」とか、「明日は仕事が少ないので4時間労働とする」という具合に、前日に翌日の労働時間を決めることは許されていません。
あらかじめ決めた時間以上に労働した場合、時間外労働となりますので注意が必要です。

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真田直和
専門家

真田直和(特定社会保険労務士)

真田直和社会保険労務士事務所

解雇、残業、労働時間など「人」に関する労務問題を4万件以上解決。また、大企業から中小企業まで幅広い業種の人事評価制度設計のコンサルティング実績も豊富です。

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