なぜか男運がない!無意識にダメ男を選んでいる女性の恋愛心理
「愛着障害」とは、子供の頃、親など養育者との愛着関係が形成されないことによる障害の総称。
子供の愛着障害、大人の愛着障害に
共通することは、情緒面で安定せず、
対人関係に問題を抱えやすく、
生きづらいのが特徴です。
この記事では、
子供と大人の愛着障害の特徴や
克服方法についてご紹介します。
こんにちは。
公認心理師の大城ケンタです。
よろしくお願いします。
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愛着とは?
愛着とは、慣れ親しんだ物事に深く心を引かれ、離れがたく感じる事を言う。(Wikipedia)
愛着障害という観点から見た愛着とは、
母親が子供を抱っこしたり、
栄養を与えたり、絶えず子供のそばにいて、
子供に常に関心を払い世話をすることで、
子供が母親に対して情緒的な繋がり、
信頼感・安心感を持つようになる。
それが愛着です。
生後すぐから1歳半くらいまでに
愛着が形成され、この時期に抱っこなどの
スキンシップがとりわけ大事で、
それを求めた時に、変わらずに
応えてくれる存在に、人は愛着するのです。
逆に親や養育者が子供を抱っこせず、
子供に関心を払わない場合。
つまり、身体的虐待、心理的虐待、
ネグレクトなどの虐待をして育てると、
愛着がうまく形成されないのです。
愛着がうまく形成されないというのは、
情緒的な繋がりや安心感を持てないということ。
本当は甘えたいし愛されたいが、
その気持ちを我慢するということ。
愛着がうまく形成されないとどうなるのか?
次の項目では、
医学的な愛着障害について解説し、
具体的にどのような症状を
呈しているのかを解説します。
医学的な愛着障害の定義
医学的な愛着障害は
「反応性アタッチメント障害(反応性愛着障害)」と「脱抑制型愛着障害」の2つに分類されており、どちらも5歳以前に発症すると言われています。
「反応性アタッチメント障害(反応性愛着障害)」は、人に対して過度に警戒する。
「脱抑制型愛着障害」は、人に対して過度に馴れ馴れしい態度をとる。
WHO(世界保健機関)の
ICD-10(国際疾病分類第10版)で、
この2つの診断基準が示されています。
【反応性アタッチメント障害(反応性愛着障害)】
5歳までに発症し、感情的障害に関連し、
周囲の状況変化に対する反応の特徴であり、
その異常な対人関係パターンが持続する。
・他者を警戒する
・無表情で笑わない
・他の子どもとの交流がない
この症候群は、親の虐待、
ネグレクトなどの結果として発生します。
【脱抑制型愛着障害】
5歳までに発症し、周囲の状況の
著しい変化にもかかわらず
持続する傾向がある対人関係パターン。
・初対面の人に甘える
・抱っこやおんぶをせがむ
・相手の注意を引こうとする
・落ち着きがない
【反応性アタッチメント障害】と
【脱抑制型愛着障害】の、
性格的な特徴の共通点は、
意地っ張り、強情、
度がすぎたわがままであることです。
子供の愛着障害をそのままにしておくと、
大人になっても愛着障害で生きづらくなります。
大人の愛着障害の特徴
基本的に子供の頃の性格は、
大人になって大きく変わることはありません。
愛着障害を抱えたまま大人になることで、
次のような生きづらさが生じます。
・失敗した時に、過度に自分を責める
・常に寂しさや虚しさを感じている
・自分に自信がない
・人と親密な関係を築けない
・相手を思いやることができない
・感情的になりやすくトラブルを起こしやすい
このような生きづらさによって、
パーソナリティ障害、うつ病、心身症、
自律神経失調症などの疾患に繋がる可能性もあります。
なぜ愛着が大事なのか?
愛着は脳内物質のオキシトシンと
深く関係しています。
オキシトシンは、出産や母乳の分泌に必要不可欠な物質ですが、それだけでなく「幸せホルモン」と呼ばれており「幸福感」を与えてくれる脳内物質です。
<オキシトシンの働きが活発な場合>
・幸せな気分になる
・ストレスの緩和
・他者を信頼できる
・他者への関わりが積極的になる、
・人にやさしく思いやれる
・人に寛容で共感的に関われる
<オキシトシンの働きが悪い場合>
・心が満たされない
・うつや不安などを抱えやすい
・他者を信頼できない
・他者と親密な関係を築きにくい
・人に馴染みにくく孤立しやすい
・人に厳格になりやすい
オキシトシンの働きは個人差があるが、
その働きは幼い頃の養育環境が大きく影響します。
幼い頃に安心できる環境で育った人は、
脳内にオキシトシン受容体が増え、
オキシトシンがスムーズに作用するので、
その働きがいい。
一方、虐待やネグレクトを受けた子供は、
オキシトシン受容体が脳内にあまり増えない為、
オキシトシンの働きが悪く、
ストレスに敏感になってしまう。
つまり、愛着障害を克服する為には、
脳内のオキシトシンを増やし、
幸福感を感じられるようになることが必要です。
愛着障害を克服するオキシトシンの増やし方
オキシトシンは、
主に「触れ合うこと」で分泌されます。
実際に肌が触れ合うスキンシップをはじめ、
心と心が触れ合う、気持ちが通じ合うことに
よっても分泌されます。
好意的な人や物と
一緒に居るだけでも十分です。
ここからはオキシトシンの分泌を
増加させる為の、具体的な行動を紹介します。
1.配偶者や恋人がいる場合
・手をつなぐ
・見つめ合う
・抱きしめる
・キス
・性交渉
・愛情を言葉や行動で示す
2.配偶者や恋人がいない場合
・友達に自分の話をする
・プレゼントや差し入れを渡す
・人に料理やお菓子を作る
・感謝の気持ちを伝える
・弱音や愚痴を言う
3.家族も友達もいない場合
・映画を観て、世界観に浸る(泣いたり、ドキドキしたり感情移入すること)
・コンビニやカフェの店員さんに挨拶をして、一言何か言う
(ありがとうございます。大変そうですね、等)
・動物と触れ合う
・好きな芸能人の動画を見る
・Youtubeでお気に入りのYoutuberを見つける
・自然に癒される場所に行ってのんびりする
ここまでオキシトシンの増やし方
についてご紹介しました。
上記は一人でも取り組める内容ですが、
身体症状や、うつや不安などの精神症状によって、
日常生活に支障が出ているなら、
専門家に相談することをお勧めします。
愛着障害の治療は、心療内科かカウンセリングどちらがいい?
愛着障害だと思ったら、
まずどこに相談に行ったらいいのか?
身体症状が主に出ている場合は、
まずは心療内科に受診しましょう。
薬によって症状を抑えることで、
愛着障害を克服するための
体調を整えることができます。
愛着障害を克服するポイントは
脳内物質オキシトシンを増やすことと、
心の安全基地を作ることです。
自分にとって安心できる人、
人生における味方となる人を見つけること。
それが心の安全基地を作ることと言えます。
従って、愛着障害の克服には、
薬物療法以外にカウンセリングを
併用して受けることがお勧めです。
カウンセラーに安全基地としての役割を
担ってもらい、徐々に心の安定を取り戻す。
その安心感が心の拠り所となり、
徐々に人間関係を広げ、良好な関係を
築いていくことができるでしょう。
まとめ
愛着障害は放置しておいて
自然に改善していくものではありません。
安全基地を作り、脳内物質オキシトシンを
増やす行動をしていくことで、
愛着障害を克服していくことになります。
一人で悩まず辛い時は、
専門家に相談してみてください。
<参考文献>
愛着障害~子ども時代を引きずる人々~
愛着障害の克服~「愛着アプローチ」で、人は変われる~
岡田 尊司