ボール捜索のゴルフルールとマナー “制限時間と暫定球”

谷光高

谷光高

テーマ:ゴルフを始める人を応援します

ゴルフのプレー中、ボールを探す時間が決められているのはご存知だろうか?
3分? 5分? 10分? 30分? それとも無制限・・・・

ゴルフを始めたばかりの人でなくとも、打ったボールはなかなか思った方向には飛んでくれない。
ゴルフコ-スには、幅の広いコースや狭いコースなど様々。

幅の狭いコースはすぐにOBとあきらめもつくが、幅の広いコースではボールが飛んでいく方向をしっかりみておかないと、ボールをすぐに見つけることはできない。
キャディーや一緒にプレーする人たちがボールの行方を見ていてくれたら、案外あっさりと見つかるかもしれない。しかし誰もボールの行方を見ていないとなると、いつまでも探し続けることになるかもしれない。

ボール探しは3分間

ゴルフルールで「ボール探し」に与えられている制限時間はわずか「3分間」。

2019年のルール改正までは長らく「5分間」だったが、「3分間」に縮められた。
プレー全体の進行時間を短縮するために考えられた対策の一つである。

探し始めてから3分以内に見つけなければ、「紛失球(ロストボール)」として最後に打った位置まで戻って、1罰打で打ち直しとなるのがルール。3分を越えて見つかっても、そのボールはすでに「紛失球」である(規則18)。
球探し
「ボール探し」は最もプレーのペースに影響がでる。
プライベートゴルフで、前後の組が見えないからといって、時間に関係なくボールを探したりしていないだろうか? 
OBという現実を受け入れられず、「絶対にセーフのはず!」とつぶやきながら、いつまでも捜していないだろうか?

速やかにボールを見つけて「ボール探し」の3分間ルールを守るためにも、一緒にプレーしている組の全員で打球の行方を見るように心掛けよう。

あらかじめ違うボールで「暫定球」を打っておく

「紛失球」になるかもしれない打球やOB(アウトオブバウンズ)になるかもしれないような打球の場合、万一に備え、速やかに「暫定球(規則18-3)」を打っておくようにしましょう。
3世代ゴルフ2

「暫定球」とはボールがウォーターハザード以外で、紛失したかもしれない場合やOBかもしれない場合に、時間節約のために規則に従って暫定的に別のボールでプレーすること。

「暫定球」を打たずにボールを探しに行ってしまったとき、結果として「紛失球」になったり、見つかったとしてもOBであった場合は、最後に打った場所まで引き返して、ボールを打ったできるだけ近くで、1打の罰を付加してプレーしなければならない。行ったり戻ったり、時間も労力も大幅なロスとなってしまう。

「残っているはず」「すぐに見つかるはず」という期待は横に置いといて、遠慮なく「暫定球を打ちまーす」といって打っておこう。けっして恥ずかしいことではない。「暫定球」」を打たずに進んで、もしもボールが見つからなかった時の方がみんなに大きな迷惑を掛けることになる。

「暫定球を打ちまーす!」宣言

同伴プレーヤーには、あらかじめ「暫定球」を打つ意思を伝えなければならない。また初めに打ったボールを探しに出かける前に「暫定球」をプレーしなければならない。
もし、誰にも伝えなかったり、一度探しに出かけてからティーインググラウンドに引き返して、初めとは別のボールでプレーしたときは、そのボールはすでに「暫定球」ではなく「インプレーの球」、つまりプレー中のボールとなってしまう。これにより初めのボールは「紛失球」として1打の罰のもとでプレーをはじめたことになってしまう。そうならないように必ず「宣言」してからプレーするように心掛けよう。

初めの球を追い越すまでは「暫定球」

「暫定球」がチョロ(まともに当たらず、ボールがほんの少ししか転がらないミスショット)だったとしても、初めのボールがあると思われる場所に到達するまでは、「暫定球」のまま何度でもプレーできる。
初めの球があると思われる場所、またはその場所よりもホールカップに近い地点からその「暫定球」を打った時点で、初めのボールは「紛失球」となって「暫定球」が「インプレーの球」となる。

プレーイング4特設ティー

例外的に「暫定球」を打たずに前に進む方法がある。
日本では前方に『特設ティー』を設けて、プレーイング4(前進4打)にてプレーすることができるようにしているコースが多数あります。
ローカルルールとは、特別なプレー環境に配慮して 公式ルールの規定を一部を変更、削除 または 追加したりする独自のルールのことである。 例えば、雨のコースで芝の状態があまり良くない時には、ボールを拾い上げても良いなど、競技ゴルフの場合には禁止されている行為がゴルフ場特有のルールとして認められていることがある。『特設ティー』によるプレーイング4(前進4打)もローカルルールで定められるルールの一つとなる。

ティーショットがOBか「紛失球」になるかもしれないと思ったら、まずプレーイング4にてプレーするかどうかを判断しなければならない。プレーイング4にてプレーするとなれば、速やかにボールを探しに行き、OBや「紛失球」だったときは、すぐにプレーイング4からプレーできるので、プレーペースに影響が出にくい。
ただし、このルールはゴルフ規則にはなく、何度もOBを繰り返す場合を想定した遅延防止と初級者救済のための日本特有の例外的な処置といえる。
特設ティー
一般的に進行を優先するためにゴルフ場が作り出したローカルルールとして定義されている。規則の適用で考えると「 (コースも球も)あるがままにプレーすることが求められるゲーム」というゴルフの本質からは矛盾するルールなので、公式競技で利用できるものではなく、プライベート用の救済ルールである。

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※インターネットでゴルフ規則の全文がご覧いただけます。
公益財団日本ゴルフ協会(JGA)サイト
http://www.jga.or.jp/jga/html/rules/rulebook/index.html
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谷光高
専門家

谷光高(ゴルフ場経営者)

新有馬開発株式会社(有馬カンツリー倶楽部)

一部の人が楽しむゴルフから、誰もが気軽に楽しめるゴルフへ。日本のゴルフ文化を変えるため、ゴルフ初心者へのサポートや子どもたちへのレッスン、学校の授業などを行い、初心者にゴルフを楽しむ機会を提供している

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