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谷光高

ゴルフの楽しさを多くの人に伝えるゴルフ場経営者

谷光高(たにみつたか) / ゴルフ場経営者

新有馬開発株式会社(有馬カンツリー倶楽部)

コラム

ゴルフ渋滞と速やかなプレーペース

2014年6月21日 公開 / 2022年5月28日更新

テーマ:ゴルフを始める人を応援します

コラムカテゴリ:趣味

コラムキーワード: ゴルフ上達法

スロープレーがどうして問題なの?

2021年4月、マスターズ優勝によって、日本人として初のメジャー制覇を遂げた松山英樹プロ。世界屈指のプロゴルファーである松山プロでも、2013年全英オープンではスローペースによるペナルティー(罰則)を受けたことがある。

「速やかなプレーのペース」というルールは世界共通のゴルフ規則に示されており、プロの世界だけでなく、一般のゴルファーにも守るべきルールとなっている。

ゴルフは、なぜ自分のペースでゆっくりプレーしたことによってペナルティーを受けるのだろうか?

ゴルフ渋滞はみんな嫌い

ゴルフは最大4人1組となってプレーを進めていく。1番の組から順番に7~10分程度の等間隔で最初のホールをスタートする。
等間隔を保ちながら最後のホールまでプレーできれば、スムーズに楽しくプレーすることができる、はずである。

Aという組がゆっくりプレーし、前の組との間隔が大きく開いたとする。すると、後ろのB組が追い付き、前の組が進むのを待つことになる。そうすると、さらにその後ろのC組がB組に追いつき、C組の後ろのD組が追いつき、これが連なり停滞となる。
カートがいっぱい
こうした“ゴルフ渋滞”は、日本の多くのゴルフ場で頻繁に起こる。

もしも、早く打ちたくてイライラムズムズして待っていられなくなり、思わず前の組にボールを打ち込んでしまうと大事故になるかもしれない。だから待つしかないのである。

一人でも起こせる“ゴルフ渋滞

前記した松山プロのペナルティーでもわかるように、スロープレーは1組4人全員のプレーが遅いことを意味しない。

ゴルフには安全のために遠球先打(ホールから遠い人が先に打つ)のルールがある。周囲を気にせずに各々が勝手にプレーを進めと、後方で打った人の打球に当たるかもしれない。そのために一緒にプレーする人たちのプレーを見ながら安全を確保しなければならない。
だからプレーが遅い人がいると、同じ組の他のプレーヤーはイライラしながら「早く打てよ!」と思いながら待っているかもしれない。たった一人でも遅い人がいるだけでその組のペースが遅くなる可能性は十分にある。

「お金を払っているのだから、自分のペースでゆっくりプレーして、なぜ悪い!」
スロープレー
けっして悪いと言っているのではなく、あくまで前の組との間隔を開けないことを前提に「ゆっくり」プレーするべきなのである。

ゴルフ渋滞はゴルフ場の責任?

それならもっと組と組の間隔を開ければいいと思うだろう。
「ゴルフ場が客を詰め込みすぎている!」
「ゴルフ場がもっと間隔空けてスタートさせればいい!」
「ゴルフ場が一組でも多く入れて儲けたいから、「スロープレー禁止!」と言っているだけなのでは?」
マーシャルi
 これについては、私もゴルフ場を運営する経営者として、もちろん少なからずその意図がないとは言えない。
当然、ニーズがあれば一人でも多くのゴルファーにプレーしてもらいたいと思っている。
しかし当然限度があり、すべてのゴルフ場で最大組数を設定されている。それはすべてのゴルファーが「速やかなプレーペース」でプレーすれば、スムーズに楽しくプレーできる範囲内で設定されているはずである。

こうしたゴルフ場の事情と世界共通のゴルフ規則の罰則規定にまで制定されている“速やかなプレーのペース”は次元の違う話である。
クラブ選択
前の組の全員がそのホールの2打目を打ち終わり、安全な位置まで進んだら、後ろの組が1打目を打つ。前の組が安全な位置まで進めば、後ろの組が打つ。この繰り返しで進むのがゴルフである。これはプロもアマチュアも同じ。
そうした時間の間隔がそれぞれ7~10分程度である。

ゴルフ規則にあるプレーのペースとは

2019ゴルフ規則の規則5に「速やかなプレーのペース」という項がある。以下に紹介するので理解願いたい。

規則5.6b 速やかなプレーのペース

ゴルフのラウンドは速やかなペースでプレーすることになっている。
各プレーヤーは自分のプレーのペースが他のプレーヤー(自身の組のプレーヤーと後続組のプレーヤーの両方を含む)のラウンドのプレー時間に影響を及ぼす可能性が高いことを認識するべきである。
プレーヤーが速い組を先に行かせる(パスさせる)ことを推奨する。

(1) プレーのペースの推奨

プレーヤーは、次に要する時間を含め、ラウンドを通じて速やかなペースでプレーするべきである。

①すべての場面における速やかなストローク(※ボールを打つために行われるクラブの動き。スイングのこと)のための準備と、ストロークを行う。

②ストロークとストロークの間の他の場所への速やかな移動。

③ホールを終了した後、次のティーイングエリアへの速やかな移動。

プレーヤーは前もって次のストロークの準備をして、自分の順番になればすぐにプレーできるようにしておくべきである。

初心者が覚えておきたい“速やかなプレーのペース”を保つ方法

ゴルフを始めたばかりの人は思うようにボールを飛ばすことができないので、どうしてもペースが遅くなる。だからといって焦って素振りもせず、しっかりアドレスもせずに急いで打っても、さらにボールがどこに飛んでしまうか分からない。

しかし初心者でもラウンドプレーの仕方によってスロープレーにならないようにすることはできる。その具体例をいくつか紹介する

◆プレー以外の時間を短縮する
自分のプレーは早く完了する
ゴルフは18ホールプレー、約5時間程度の長時間に及ぶゲーム。
「ボールを打つ」動作の合計時間は、全体のほんの数%にしか過ぎない。残りのほとんどが移動時間と同伴者のプレーを待つ時間となる。

しかし、一つ一つの行動が、ほんの「15秒」長引くだけで、18ホールを100打でラウンドしたとすると、一人で「約25分」余計に掛かることになる。これだけの時間、同伴プレーヤーや後続のプレーヤーを待たすことになると、「一緒にラウンドしたくない!」と思われかねない。

でも、しっかり狙ってプレーには集中したい!それならば、その分移動や準備を早くするようにしよう。これはスイング等のプレーを素早くするという意味ではない。

「ボールの行方を見逃さずに探す時間を短く」し、「ボールのところまで、早歩きや小走りで素早く移動」して、ゆったりと余裕を持ったスイングで打つ。

移動やクラブの選択、ボール探しの時間を短縮することで、プレーに集中する時間を作ることができるのである。

◆あらかじめ次打に必要なクラブを手に持って行こう
あらかじめクラブを数本持つ
ゴルフカートから離れてボールに向かうときは、次打に必要なクラブを持って行く。手ぶらでボールや距離の確認に行くと、ゴルフカートとボールの間を1往復以上しなければならず、時間のムダだけでなく、疲労も蓄積される。

できるだけムダを省くことが、スムーズなプレーペースを生み、ゆったりとした気分でスイングができる。

次打に必要なクラブを選ぶためには、長短3番手ほど揃えて持って行く。1本しかクラブを持たずにボールの所まで行くと、「やっぱり違う番手が良い!」と思った時に、再びカートまで戻らなければならず、ムダな時間と疲労が蓄積されてしまう。

できるならば、その次に必要となるであろうクラブも併せて持っていくと、さらに時間を短縮できプレーに集中する時間を多く費やせることになる。

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※インターネットでゴルフ規則の全文をダウンロードできます。
公益財団日本ゴルフ協会(JGA)サイト
http://www.jga.or.jp/jga/html/rules/rules.html
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