ゴルフ規則には服装に関する規定はない
ゴルフを始めたい人は、マナーやルールに不安を感じている
少し前になるが、ゴルフ意識調査を2013年9月に㈱リクルートライフスタイルが行っている。調査回収数32,556名、調査集計数25,000名という規模での調査である。
この調査の中に「ゴルフをやりたいのにはじめられない理由(複数回答)」という項目があった。
その回答で最も多かった理由は「どのくらいお金が掛かるかわからない」で55.0%。第2位「練習にお金が掛かりそう」、第4位「ゴルフクラブやウェアなどにお金が掛かりそう」、第5位「ゴルフコースを回るのにお金が掛かりそう」と、興味があるのに始められない理由の上位5つのうち、実に4つが”お金”に関する回答となった。
株式会社リクルートライフスタイル(2013)「ゴルフ市場に関する実態調査」
そんな”お金”に挟まれて第3位に入ったのが「マナーやルールが分からない」という回答だった。
今からゴルフを始めたい人は、マナーやルールに大きな不安を感じていることは間違いない。
コロナ禍の今(2022年5月)、ゴルフブームが来ていると言われている。旅行や他のレジャーが制限されている中、屋外で3蜜にならず、道具を共有しないゴルフは比較的安全という思考からではないかと思う。
そして、これまでゴルフに縁がなかった人が数多くゴルフを始めているというのである。
たしかにゴルフ練習場はそうかもしれない。しかしゴルフ場にいると、決してそうは思わない。
なぜなら、コロナ禍以前と同様に初心者やゴルフを始めたばかりの人をゴルフ場ではあまり見かけることがないからである。
これまでと変わらず、ゴルフ場でゴルフを始める敷居はまだまだ高く、調査結果のような「(ゴルフ場で)ゴルフをやりたいのにはじめられない理由」が大きく関わっていると考えられる。
そうした不安をひとつひとつ取り除くことが、ゴルフ場でゴルフを始めるためには必要なことではないかと考えている。
ここでは「ゴルフのマナー」に対する不安を少しでも取り除いていきたい。
ゴルフマナーは、ゴルフプレーをするための心得
「ゴルフはマナーが大切」と言われている。なぜだろうか?
テーブルマナーなどのように作法や行儀が決まっていて、それを知らないと恥ずかしい思いをするからなのだろうか?
ゴルフマナーとは、単なる形式だけのものではない。ゴルフプレーをする上での心得のことであり、知っておかないとみんなが楽しくゴルフをプレーできないからである。
そのためにゴルフ規則の中では、規則の1番最初に行動基準として定められている。
プレーヤーの行動基準
すべてのプレーヤーは次の行動をとることによってゲームの精神の下でプレーすることが期待される:
・「誠実に行動すること」
→例えば、規則に従う、すべての罰を適用する、プレーのあらゆる面で正直である。
・「他の人に配慮を示すこと」
→例えば、速やかなペースでプレーする、他の人の安全に気を配る、他のプレーヤーの気を散らさない。
・「コースをしっかりと保護すること」
→例えば、ディボット(=スイングで削りとった芝生のかたまり)を元に戻す、バンカーの砂をならす、ボールマーク(=パッティンググリーン上にできたボールの凹み)を修理する、不必要にコースを傷つけない。
(公財)日本ゴルフ協会(2019)ゴルフ規則
この規則に従って行動しなかったことに対しての罰はない。しかし、この行動基準を守れないと、一緒にプレーしているゴルファー、前後の組でプレーしているゴルファー、みんなが気持ちよくプレーすることができない。
ゴルフ初心者にはマナーよりも、まずゴルフを楽しんでもらいたい
上記の内容は、ゴルフを始めたばかりの人には難しい項目もあるが、誰にでもできることもある。
また、ゴルフ熟練者がこのマナーを常に完璧に守っているかというのも疑わしい。
常に意識することが大切であり、ゴルフの経験とともに少しずつできるようになれば良いのである。
初心者や初級者にはまずゴルフを楽しんでもらいたい。そのためにも、周囲のゴルフ熟練者がそうした人たちに対して、やさしく気を配っていただきたいと願う。
初心者が覚えておきたい基本的なゴルフマナー
最後に、初心者が覚えておきたい具体的なゴルフマナーをいくつか紹介する。
◆「ゴルフ場では、いつも笑顔で挨拶を」
昔から、ゴルフ場では一緒にプレーする人たちだけでなく、前後の組及び今日ここにいるすべての人が同好の友人と考えられてきた。見知らぬ人とすれ違った時にも、笑顔で挨拶や会釈を交わせることがゴルファーの資質と言われている。
一緒にプレーする人たちとは、スタート前に「今日一日、お世話になります。どうぞよろしくお願いします。」と笑顔で挨拶し、最終ホールで全員がホールアウト(プレー終了)した時には「今日一日、どうもありがとうございました。」と笑顔で挨拶して気持ち良く終わるようにしよう。
◆「スタート時間の10分前にはティーインググラウンドへ」
ゴルフではスタートする時刻があらかじめ決められていて、予約する時にスタート時刻が決まる。
スタート時間とは、プレーヤーがスターティングホールのティーインググラウンドに集まる時間のことではない。その組の一人目のプレーヤーがアドレスに入る時間のことである。
多くは7分から8分の間隔で決められている。このスタート時間に遅れると後からスタートするプレーヤーに影響が出てしまう。スタート時間に遅れないようにするためには、ティーインググラウンドに10分前に集まるようにしよう。
挨拶や準備の時間を考えると10分前が適当といえる。どうしても遅れる場合は早めにゴルフ場に連絡を入れて時間を遅らせてもらうなどの対応をお願いしよう。
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※インターネットでゴルフ規則の全文をダウンロードできます。
公益財団日本ゴルフ協会(JGA)サイト
http://www.jga.or.jp/jga/html/rules/rules.html
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