中小企業の景況調査
科学技術の発展は、国家の要。その科学技術政策を決めるためには、今後どのような研究成果が実現され、社会生活に影響を及ぼしていくのか、専門家の意見を聞きながら立案決定されていきます。
専門家が、未来をどのように予測しているのか、ということを調査するために、従来「デルファイ法」という専門家へのアンケート手法が採用され、これをもとに、10年後、20年後の技術が予測されています。
この調査は、1970年代から継続して行われていますが、今回、そのような過去の予測がどれだけ当たっていたのかを検証する報告書が、文科省科学技術政策研究所から出ました。
「過去のデルファイ調査に見る研究開発のこれまでの方向性」
これを見ると、専門家の20年後の予測が実現したテーマは、1971年で23%、1992年で8%となっており、専門家といえども、20年後の技術予測はなかなか当たらないというのが現実のようです。
そして、この報告書が指摘しているのが、2000年代になるにつれ、専門家の予測がばらつき、なおかつ的中率が低下傾向になり、ますます予測は難しくなっていることが、明らかになってきたと。
このように、社会だけでなく、科学技術の発展もますます不透明になってきたようです。しかし、裏を返せば、破壊的イノベーションという、想像もできなかった技術が、頻繁に起こるようになってきたゆえに、予測ができなくなってきた、と言えるかもしれません。そうであれば、この結果は、うれしい結果でもありますが、この報告書はそこまでの分析はしていないようです。
--------------------------------------------------
馬塲孝夫 BAMBA takao
ティーベイション株式会社 代表取締役社長
http://www.t-vation.com
技術開発に困ったらKNOW-MA http://www.know-ma.com/
-------------------------------------------------