日本の競争力強化のために 日本政策投資銀行の提言
前職の大阪大学では、若手の研究者(特に博士号保持者)を、産業界で期待されるイノベーション創出人材として育成するプロジェクトに関与していました。
このように、首記のテーマには大いに関心のあるテーマですが、最近、面白いレポートを読みましたので、ここに紹介したいと思います。
野村総研から出た「イノベーション創出に満足していますか?」 というレポートです。
このコラムで何度も取りあげていますが、日本企業の競争力低下はゆゆしき問題です。このレポートでは、イノベーションについて、日本企業2451社にアンケートを行い、経営者がこの問題をどのように考えているか、そして、実際にこれまで大きなイノベーションを起こした人材像はどのようなものか、を調査しています。
まず、経営者は、自分たちの現状に満足しておらず、自社のイノベーション創出には不満足であることが示されています。これは、当然。
面白いのは、イノベーション創出を担う人材像です。経営者や従来の専門家は、そのような人材の資質として、
(1)特定の専門領域や個人技能よりも経営的視点や組織力を活用を重視するタイプ
(2)既存の仕組みを運用することよりも、新たな価値創造を得意とするタイプ
が必要であり、「推進力」「構想力」「挑戦力」が重要と考えています。
しかし、実際にイノベーションを起こした人材に対する調査では、そのような資質ではなく
「利他精神」「リスクテイク精神」「捨てる力」「質問力」「観察力」「試行錯誤力」「他者活用力」が重要な要素として抽出されたとの事です。
これは、非常に面白い結果ですね。特に、利他精神 なんかは、非常に強い思い入れが、イノベーション創出のための強力なエンジンであることを感じさせます。
このレポート、非常に面白いので、今後に役立てたいと思います。
ご興味のある方は、「イノベーション創出に満足していますか」をご覧ください。